私の生活の場である横浜が今ちょっと面白いことになっている。かいつまんで言うと『古き良き時代の歴史的建造物を芸術文化の拠点へと再生する実験プロジェクト』が静かに進行しているのである。
なんのこっちゃ!!と最初は思ったが、その活動を知るにつけ興味が湧いて現代の<横浜ルネサンス>の行方に注目している。 その第1段としてBankART 1929 Yokohama とBankART studio NYKを紹介しよう。 横浜は明治時代以降に建てられた歴史的建造物の宝庫である。 みなとみらい線馬車道駅近くの交差点にある古代ローマの円形神殿風のこの建物も、1929年に第一銀行横浜支店として建てられたものである。その大方の部分は取り壊されてしまったがバルコニーの部分だけ当時の銀行建築の象徴的建物としての保存が決り、現在BankART 1929という現代美術のアートスペースとして一般開放されている。 BankART(バンカート) 1929 の名の由来は元銀行(bank)であった建物を芸術文化(Art)に利用するという意味を込めた造語だとか。横浜市が民間団体に運営を委託する形で独自の企画展やアーティストへのスペース提供、カフェやパブの運営、スクールなど2002年の発足から活動は多岐に渡る。 建物の中は広々としていて重厚な柱と7mの高い天井にアーチ状の窓、洒落たシャンデリアの柔らかい明りの下で現代アートが展開されている。この日は祐成政徳(すけなり・まさのり)氏の『フレンドシップ』という作品が館内を遊泳していた。ミスマッチから生れる新旧の融合が楽しい。 企画展の無い普段は館内は自由に出入り出来て、無造作に配置してあるコルビジェのソファに座ってお茶を飲んだり本を読み始めるとつい時間を忘れてしまう。アーティスチックな雰囲気を誰もが気軽に味わうことができる快適空間。 もう一つの拠点 BankART studio NYK 、こちらは更に港に5分歩いた海岸通にある。 入り口にあるハンガーを使ったアーチのオブジェを通って建物に着くとニューヨークのソーホーを思わせる空間が広がり、オープンカフェからはみなとみらいが一望できる。 中は旧日本郵船の港湾倉庫時代の名残の姿を留めるコンクリート打放のハード空間。もうすぐ始まる企画展の準備がされていて、ビデオを媒体とする作品の表現者の映像チェック作業自体がアートに思えてくるから不思議だった。 この二つのアートスペースを拠点に展開される横浜ルネサンス、企画展に何度か足を運んでいる内に『現代アートは理解不能で難しい』から『感性を信じてありのままを見て楽しむ』と気持ちに変化が出てきた。町にアートが溶け込んでいて垣根が低くなった感じ。 夕闇迫る交易都市『横浜』はまだ成長を続けているんだなあと実感。(左にある高層ビルの手前にBankART 1929 は位置している) 次は横浜のグレートマザー『赤レンガ倉庫』を紹介します。お楽しみに。
by lime2005
| 2005-09-20 10:30
| 寄り道
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