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大野和士のオペラ・レクチャーコンサート・・・

e0038778_2052459.jpg『世界のマエストロが自らピアノを弾き、歌手たちの熱唱とオペラの醍醐味を紹介する神奈川県立音楽堂の人気企画!』と言う事で
今回のテーマはズバリ 『嫉妬』

オペラと嫉妬感情は切っても切り離せない関係ゆえサブジェクトは掃いて捨てる程ある中、大野さんが取り上げたのは

チレア作曲 『アドリアーナ・ルクヴェルール』
レオンカヴァッロ作曲 『道化師』
ヴェルディ作曲 『アイーダ』&『オテロ』
マスネ作曲『ウェルテル』 
の5曲、5幕のワンシーン。

全曲ドロドロの感情が渦巻いて悲劇の序章となる凄いシーンばかりなのだが、オペラはついつい歌手の歌や表情に囚われて、音楽そのものは純粋に楽しめない所がある。(私だけかもしれませんが・・)
それに前奏曲や間奏曲、耳慣れたアリア以外は只々流れていってしまうので、改めて聴いてみると作曲家の仕組んだ巧妙な音を再確認。大野さんのレクチャーの意図もそんな魅力的な『音』をつぶさを感じて欲しいというものだった。

とにかくオペラは長い。ドラマテイックなストーリーだと登場人物も多くて『あらすじ』を話すだけでも2~3分かかる。まずはテンポ良くそこを話す大野さん。そして問題のシーンを歌手陣にピアノ伴奏で歌ってもらう。その後場合によっては細かく曲を止めながらレクチャー&演技指導(笑)。聴き所を聴衆に確認させてもう一度通しで歌を披露~という手順で5曲。ポスターでも判る通り身振り手振りを交えて情熱的にしゃべりまくる事2時間30分。

このレクチャーを受けながらアリアの伴奏としか思えなかった『音楽』が意志を持った生き物のように思えて来た事は驚きだった。
少し例を挙げると・・・
※主人公が賛美絶唱のアリアを口ずさむ影で不穏な通奏低音が彼女の一抹の不安、心の声を音にする。
※曲中の転調は情景、状況の劇的な場面展開を意味する事が多いが、レオンカヴァッロはオペラ『道化師』でアリア曲中に用いて心理をより鮮やかに浮かび上がらせ、現実と仮面を交叉させる。
※歌い終わりを6度音を上げるアリアには手に届かない憧れが歌われている事。

などなど・・・オペラ『音楽』が物語の進行や登場人物の心理を深くえぐって彩るように効果的に使われている事を具体的に知る機会を得る。オペラ音楽としての共通項もあれば、作曲家独自の魔術もあった。

最後のヴェルディの『オテロ』 (御存知シェークスピアのオセロが原作)では男同士の猜疑&嫉妬心の2重唱に、『こんな男には気をつけろ!!』シリーズを展開。これであなたも絶対にオレオレ詐欺にはひっかからないはず!!と息巻いていた大野さん。

いえいえ、わかっちゃいるけどまた観てしまう、愛の泥沼歌唱劇。それがあなたの愛するオペラなんでしょうね♪~(笑)

そんな大野さんが手兵(リヨン国立歌劇場管弦楽団)を率いて凱旋するこの秋のオペラ『ウェエルテル』では、少し音楽の聴き方にレクチャー効果が現れる事を期待したい、と音楽堂を後にした。
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by lime2005 | 2009-08-13 04:03 | 音楽
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