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言った筈なのに・・・

先月から担当しているお料理1年生クラス。今日は2ヶ月目に突入した。
一回目の先月はお互い牽制し合うせいか何となく関係が硬かった。一回目はいつもそんな感じで緊張して終るが、ニ回目になるとお互い素が見え隠れして教室の雰囲気が和む。
今日もいつものように順調にデモンストレーションが終わり、実習に入った時それは起こった。
鶏肉の照り焼き丼ぶりに付け合わす半熟卵が8テーブル中3テーブルも固まらなかったのだ。
ほとんど切れない程に柔らかく、温泉卵と見紛うほど。
こんな失敗は珍しいことなので、少し落ち込む。
咄嗟に先ほど終ったばかりのデモンストレーションを思い返してみる。半熟卵を作るのに必要なポイントはしっかり話したし、助手さんは脇で見事な半熟卵を作って見せた。何が悪かったのだろう・・・。
お・そ・ら・く・・・・
これは初心者がよく勘違いする事だが、料理の本に書いてある加熱時間というのはその煮汁が沸騰してからの時間なのであるが、火をつけてからの時間と勘違いしている人がけっこう多い。失敗の3つのテーブルは明らかに後者のおそれである。
でも私は間違いなく
『鍋に卵とかぶるぐらいの水を入れたら沸騰するまで菜箸でコロコロ転がします。沸騰したら卵が常にことこと揺れるぐらいの中火で6分ゆでて、火を止めてすぐ水に取りましょう』と説明した。
おそらくなんの抑揚もなくさらっと・・・。

これは以前先輩から受けたアドバイスだが、『もし失敗デモをしても慌てないで。受講生は決して同じ失敗はしないから・・。でもいいデモンストレーションができたなと思った時は要注意。受講生には入ってないことがあるから・・。』
そうか、それだ!!!今日はっきりとその意味が会得出来た。
最近は慣れて淀みなく話せるようになったことをいい事に『伝える』工夫や努力が足りなかったのだ。
<加熱時間の基本>はもっとじっくり強調して伝えるべきだった。お料理1年生のクラスだもの。
語気を強めて話したり、白板に板書したりと方法は幾らでもあった。

考えてみれば、立て板に水のごとく流暢なしゃべりをする人の話、後で『ところで今日は何を聞いたのだろう~』なんて思うことありませんか?かえって印象に残らないと言うのか・・。
音楽で言えばモーツアルト。聴き始めた頃はただ綺麗なメロディーが淀みなく続く<音の戯れ>のような曲が多くて感動には遠かった。ベートーヴェンやチャイコフスキーのような強烈な自己主張が無いせいである。今はモーツアルトの面白さに少しだが気付き始めているけどね~。

言った筈なのに・・・は、やはり一種のエゴイズム。
『聞いていない』と相手に思われたら、それは圧倒的に伝える努力が足りなかったこちら側に問題がある。
・・・・・お料理1年生に教えられた1日だった。
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by lime2005 | 2005-11-19 19:24 | 日記
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