昨夜のサントリーホールには煌びやかなクリスマスツリーが飾られていて、今年ももうあと僅かなんだなあと実感。私にとっては今年を締めくくるコンサートになった。
指揮 マリス・ヤンソンス 演奏 ロイヤル・コンセルトヘボウ・管弦楽団 ピアノ 内田 光子 ***purogram**** モーツアルト ピアノ協奏曲第25番 --encore-- シューベルト 即興曲 --intermission-- マーラー 交響曲第1番 『巨人』 コンセルトヘボウ管は5本の指に入る大好きなオーケストラで、所有CDも多い。 実演はこれで3度目だが、2度目は本拠地アムステルダムで燻し銀の如きの深い音色のマーラーだった。あれから15年、昨夜はオケのイメージを一新させられるような演奏会でヤンソンスの指揮棒に圧倒された。 先ずは前半、大好きなピアニスト内田光子のモーツアルト。 この人のピアノには深い思索と自由な魂が感じられて聴いているこちらの気分がとても高揚する。自由闊達な余り、時々おやっと思う事もあるのだけれど、この人にとって譜面通りに弾く事なんて大した意味をなしていないように感じる。 加えてヤンソンス指揮のオケの演奏が明るく、それが快活にピアノと合わさる瑞々しい協奏曲を聴かせてもらった。 CDでも内田さんのモーツアルトのピアノ協奏曲には定評があって、ジェフリー・テイト指揮、イギリス室内管弦楽団の21番なんてぜひぜひ聴いて欲しい。(いつだったかこの曲は西本さんも大好きな曲としてあげていたかな) さて、後半のマーラー、、、滅多にこんな若々しく実直なマーラーが聴けるものではありません。生涯栄光と悲惨との背中合わせのさすらいの人生を送ったマーラーの最初の交響曲『巨人』。 ドイツ・ロマン派の小説家、ジャン・パウルの『巨人』に刺戟を受けて、自然とそれを謳歌する生命への思いを音楽に刻みこんだ若きマーラーのメッセージ(さすらう若人の歌) ヤンソンスの指揮はその若き気概溢れるマーラー自身のような滾る情熱溢れるものでした。 友人が前日違うプログラムで聴いて『きこりのような、、、』とヤンソンスの指揮振りを比喩してみせ、本当にその通りだったなあ~と感動。 こんな男性と一生連れ添ったら、たった一度の人生に何の汚点も残さず全う出来そうなんて 、、、(笑) 色鮮やかで、若く、瑞々しい清潔な音の洪水でした。必ずしもそれは私の好みの音では無かったけれど十分感動に価する素晴らしいマーラーでした。 ヤンソンスの指揮棒は確実に名門オケの音を変えたようである。 会場は当然、スタンンディング・オベーションの嵐でした。(あぁ~手が痛かった)
by lime2005
| 2006-12-04 14:51
| 音楽
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