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桜と春の嵐・・・

昨日、爛漫と咲き盛った万朶の花を揺らした春の嵐。
夜半からは朧月も雨雲に隠れてしまい、何だか心が重い春の到来である。

今年は団塊の世代の先頭の一団が還暦を迎える年(2007年問題ですか?)と言われていて、私の職場でも大勢の先輩達が去っていく。
出会った時、この先輩達の好奇心と行動力には驚きの連続だった。

その興味の対象は多岐に渡ったが、やはり美味しいものを求める探究心に一番情熱が注がれた。
教室で新しいジャンルのメニューを教える事になった時
『一度はプロの味をきちんと味わっておくこと』
の信念のもと、あらゆる情報網を駆使して食べ歩きを実行。それも後輩の私達のスケジュールまで把握して『○月×日、渋谷駅集合』と半強制的ツアーが組まれるのである。
おかげで、毎月の時間と予算の確保は必至、休みの日まで仕事の延長のようで落ち着かない気分だった。
それでも私達に要求されたのは首都圏の食べ歩きに限られたが、子育ても一段落して経済的に余裕組の先輩達は、北海道から沖縄~アジア近隣諸国まで出かけまくるのだ。
その強靭な舌と脚力にはひれ伏すしかなかった(笑)

でもこのツアー一行、仕事以外の同席は硬くお断りの一癖有り集団なのだ。
だって『味わえませんよ、そのスピードじゃあ~』と言うほどの早食いを初めとして、薀蓄多し、一々シェフに突っ込みを入れる等々、プロのグルメ評論家も顔負けの厳しい観察眼と辛口評で何だか食べた気がしないのである。先輩達の名誉の為に申し上げると、お一人お一人は優しくて気持ちの行き届いた女性達で尊敬の念を絶やしたことは無いのであるが・・。

あれから早8年、後輩達が増えてきて自分も後姿を見せる立場になって来た。それでも相変わらず半強制食べ歩きツアーは続いていて、時にはコンダクター役が回ってくるようになった。

そんな折、突然春の嵐が吹き荒れた。
後輩の一人が『謹んでお断り申し上げます』発言をして、その場にいた先輩達を凍りつかせたのである。その後『アラ、残念ね』であっさり引き下がったのが異常に不気味だったが。
退職を前に波風を立たせたく無かったのか、これが私達の頃だったら春の嵐どころでは済まなかったなあ~大陸のトルネード級だったよと苦笑。

夫によるとサラリーマン社会では社外の社員同士の付き合いなんて昭和の終焉と共にとっくに崩壊しているそうなのである。社員旅行(←すでに死語)なんて企画しても参加者が少なくてバスも出せない状態とか。皆一緒の悪しき慣習が横行した日本もこんな所から変わりつつあるのだろう~それはそれで良い事である。

只、後輩達には一言助言した。『食わず嫌いは損じゃない?!出来れば一度は参加してみて、自分の目と舌で判断してみたら~』と。
これは自分にも当てはまる事だが、物事は深く関わってみないと良さも悪さも見えてこない事が多い。その中で忌憚の無い意見を交わせる仲間のあり難さも解ってくるのである。

散りぎわ清き桜と共に職場を去る先輩達へ、、、
      
       人去って冴えゆるほかなき夕さくら 
                          大田鴻村
 
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by lime2005 | 2007-04-01 03:15 | 日記
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