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妙なる香り・・・

長~いトンネルを抜けた気分で久々の更新。梅雨の名残の明るい雨の音が心地良い朝、普段は決して使わない香水瓶を取り出す。
香りは摩訶不思議な生き物で一瞬にして記憶の扉を押し開けてくれる。

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INOUI(インウイ)
もうボトルにはほんの僅かな数滴が残るのみ。

トップノートが甘さを抑えたグリーンシトラス。
ミドルで一気に甘さが華を開き、ラストにオークモス(樫の木につく苔のEO)が名残る。
このラストの野性味ある残り香に魅力があったINOUI。

廃盤になったと聞いた10年前、いろいろ手を尽くして探すが見つからず、デザインの変わったそれはオークモスの残り香が消え去り、甘ったるさだけが漂う別物になっていた。


この香水を知ったのは25年前。キュートなボトルデザインとメーカー(資生堂)の商品展開が洗練された大人色を醸しだし、広告という幻想を商品に纏わせたイメージ先行、その雰囲気を購入させられた(と、今では思っている)。

CMコピー、憶えていらっしゃる方も多いのでは?

女性の美しさは都市の一部です・・INOUI

娘に話すとケラケラ笑う。そんなに大うけしなくてもってぐらいに(怒)

当時の広告コピーって受発信双方が大真面目で今思うと実におっぱずかしい(笑)

INOUIのトータルイメージを担当した人は当時フランスの著名な調香師セルジュ・ルタンス。怪しさに都会の洗練が溶け込んだその香りには強烈に惹かれた。香水以外にもコンパクトとルージュはINOUIと決めていたほど。(パウダーにもこの香りが忍ばせてあったから)
今でもINOUIブランドは存在するけれど、当時のものとは雰囲気さえ似て非なるものである、悪しからず。

職業柄、もう香水を新たに選ぶ事は無いと思うけれど、当時そのままのINOUIが手に入るならもう一瓶だけ欲しいと思うこの頃、できれば最後の一滴が無くなる前に・・・。


私にとっての妙なる香り・・・INOUIよ、もう一度である。

by lime2005 | 2007-07-23 00:52 | 日記
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