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タローのクープラン&ラモー

アレクサンドル・タローのピアノを王子ホールで聴く。


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***purogram****

フランソワ・クープラン:クラヴサン曲集より
 ロジヴィエール
 信心女たち
 葦
 プラチナ色の髪のミューズ
 神秘的なバリケード
 奇術
 双生児
 パッサカリア
 さまよう亡霊たち
 「凱旋」より 戦いの響き
 シテール島の鐘
 ティク-トク-ショック
 
  --intermission--

ジャン=フィリップ・ラモー
 新クラヴサン組曲 ト調 (クラヴサン曲集 第2集 第5組曲)
  
 新クラヴサン組曲 イ調 (クラヴサン曲集 第2集 第4組曲)
  
    --encore--

ショパン   ワルツ 6番&19番
バッハ・タロー  アンダンテ 

タロー氏を知ったのは今春。ある方にお奨めしていただいて聴いたプーランクのピアノ曲集にズボッとはまり、即チケ取り。ヴッパータールと共に秋の訪れを指折り待ったピアニスト。
アレクサンドル・タロー氏は1968年、パリ生まれ。グリモーやエリック・ルサージュと同時代にパリ国立高等音楽院で学んだ新鋭ピアニスト。パリではすでにブレイク中~。

昨今はオリジナル楽器でのピリオド演奏が隆盛の中、フランス・バロックのクラブサン曲をあえてスタンウェイ・ピアノで弾くタロー氏。

王子ホールでピアノを聴くのは半年振りだけれど、この春入れ替えられたピカピカのスタンウェイが眩しい。舞台に登場した痩身のタロー氏は全身黒の装い。短く刈り込んだ髪に清潔感が溢れる。

前半はクープラン。洒落たタイトルの組曲は軽く爽やかなインヴェンションがあるかと思いきや軽快なトッカータが、ほの暗い官能を秘めた舞曲が・・とひたすら流麗に綴られて行く。
柔らかいタッチの中に描いて見せる豊かな音の陰影・・・タローが奏でるとバロックが印象派の世界に染まっていく感じ。

後半は同じくフランス・バロックのラモー。こちらはクープランより響きがやや古典(で退屈・笑)。でもタローのアプローチはチェンバロの響きをフォルテピアノで再現する事には関心が無い風にたっぷりの音を湛えて満ちる。おそらく私はこの曲をクラブサンでは聴き通せなかったと思う。

『音楽は時間の中で展開する水平の力である』とピアニストのレオン・フライシャーがグリモーに語ったのをその書『野生のしらべ』で読んだのを思い出す。その水平の力を垂直方向からしか与えられないピアニストの悲劇と宿命を思うとき、彼の滑るように柔らかなレガートは天与の武器だと感じる。

想像以上のテクニック、音色、タッチ。この人のラヴェルやドビュッシーをもっともっと聴いてみたいと思う。
久しぶりに終演後のサイン会。若い男性ファンもチラホラ。来年はケラスとの協演が予定されているのが楽しみである。
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by lime2005 | 2007-10-27 01:36 | 音楽
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