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ローナン・マギル・・・

e0038778_1392444.jpg子供達の学期末試験が終わって、やっとPCが戻って来た(笑)。『もっとパソコンに頼らないで勉強出来ないの?』との私のエゴイズムな声が虚しく部屋に響き渡った長い2週間~。

・・・という事で、
先週末(12月7日) 横浜、みなとみらいホールで行なわれた ローナン・マギル氏のピアノリサイタルの記事、やっと書けました。



ローナン・マギル ピアノリサイタル 2007

***purogram****

バッハ=ブゾーニ:シャコンヌ
シューマン:フモレスケ 作品20

 --intermission--

ラフマニノ:前奏曲
ラフマニノフ:楽興の時
ラフマニノフ:ピアノソナタ 第2番 変ロ短調
  
  --encore--

ショパン:ノクターン 第8番
ブリテン:組曲『休日の日記』作品5より 「早朝の海水浴」
バッハ:前奏曲 ロ短調(シロティ編曲)



久しぶりのみなとみらいホール。
職場からは地下鉄で2駅。
時間があったのでクリスマスの飾り付け華やかなランドマーク周辺をウィンドー・ショッピング。
ついでに名物のツリーも拝見。
『音と光の演出過多でせっかくの美観が台無し』などと思いつつ会場に。
客層は年齢が高く、落ち着いた感じの御婦人が目立つ。

ローナン・マギル氏。名前を知ったのは今年の初め、ブリテン協会主催のコンサートにゲストとして招かれてから。
ブリテンに『彼の驚くべき音楽性と知性、それはまさに天から与えられた才能である』と言わしめた実力を確かめたいとの思いも。

国内では初の本格的リサイタルとか・・。
ステージに現れたマギル氏はその動きがお茶目。歩き方やお辞儀の仕方、はては椅子の座り方までもが(笑)そこでふう~と肩の力が抜け・・・・・

ああぁ~なんて柔らかいピアノの調べ。濁りがなくて音が滑らかに連なる。それに微風を思わせる左手からの調べ。スタンウエイの音は機能的すぎて好きじゃないのですが、彼が弾くと少し古風な響がするから不思議。

シューマンのフモレスケは諧謔曲とでも訳したらいいのか。
情熱、ユーモアー、そして喜び、哀しみや憂鬱。人間の複雑で微妙な感情の交差が曲中に表現されたシューマンらしいピアノ曲。
放埓な感情を知性が抑制するようなマギル氏の演奏は絶品でした。

後半のラフマニノフ。これは作曲家ご本人の演奏(のCD)を初っ端に聴いてしまったせいか、なかなか納得いく演奏にめぐり合わない苦しい曲(笑)
だってこれ以上の解釈は無い訳でどうしたってイメージが固定されてしまう。
そんな中、マギル氏の演奏は前半の重々しい憂鬱さと後半現れる嵐のごとき動機のコントラストが見事でいい『前奏曲』だった。その後の2曲も甘美な感情に溺れる事なくロシアの『憂愁』を弾ききった。

そしてアンコールではきっと弾いてくれるに違いないとの期待のブリテン
 「早朝の海水浴」は水しぶきが朝日に透けて宝石のように輝く曲。他の『帆走 』や『遊園地』、『夜』の章もマギル氏のピアノで聴いてみたかったなぁ。

帰りがけにCD購入。演奏会後のまだ微熱を持った大きな手で握手とサインをしていただいた。
マギル氏のピアノはうっとりする程の美音と何処かブリテンの音の世界にも通じる、静けさを湛えたすがすがしいリリシズムが耳に心地良いい演奏会だった。
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by lime2005 | 2007-12-16 12:04 | 音楽
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