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憂春・・・

5月5日は立夏、もう暦の上では夏。
連休中のあれこれはゆっくり書くとして、先月末から忙しくてアップ出来なかった日記。

大好きな岩村蓬さんの詩を、逝く春の風景と共に味わって下さい。

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  春光を閃光として回転扉   

          八重桜腥きまで陽は満ちて   

                    風の道狭めて閉ぢて八重桜     蓬
        
八重桜の咲く頃は空に明るい光が満ちてくる。
だからこの花はソメイヨシノのように遠くから眺めるよりも花のすぐ下で風や透ける陽光を感じるのが好き。ぼったりと重そうに咲く姿は決して優雅とは言えないけれど詩の『腥(なまぐさ)きまで』にハッとしつつ春の名残を楽しむ・・・。

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   遅き日の樹に向きて木の言葉待つ 

            虚空より青葉を賜ふ初嵐 

                     遍き陽若葉濃淡もて応う          蓬


この3句は詩作の時期はそれぞれだったのを時間を追って並べてみた。
『遅(おそ)き日』は遅日(ちじつ)とも言い、短かった冬の日が伸びる早春。
春の嵐が連れてきた若芽が遍(あまね)く降り注ぐ陽の光を照り返す。
なんて柔らかな生まれたての緑だろう。ほら、季節が詞の上をゆっくりと進む。



e0038778_15262361.jpg私の通勤路・・・
八重桜と若葉のトンネルを抜けるとこの道に出る。
銀杏若葉とつつじのコントラストは
期間限定の造形展。
この季節この道を駅に向かう楽しさと言ったら・・。

石階に微塵の光春惜しむ

花鳥図にとどまる春をまた愁う
                 蓬


蓬氏の詩に降り注がれている春の柔らかな微光。
その一筋の光は読むものを『すゑまぼろし』の世界へと導いてくれる。
其処はふと迷い入りそうな幽界・・・。
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by lime2005 | 2008-05-07 07:06 | 日記
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