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須賀敦子が愛したもの・・・

e0038778_21274883.jpg今月の芸術新潮は須賀敦子さんの特集。
没後10年、もうそんなにたったんだと思う。お元気で健筆を揮っていらっしゃったら今年79歳を迎えられた。
未定稿に終わった初めての長編小説『アルザスの曲がりくねった道』も読みたかったし、何より美しい静けさを湛えた、たましいの暗闇を超えてきたような珠玉のエッセイをまだまだまだまだ読みたかった。
特集は坂道でたどる須賀敦子と題してイタリアはローマ、ミラノ、そしてアッシジを須賀さんの足跡を訪ねて追回想するもので、テーマは坂道と美術。
また『沈黙の空間』という船越桂さんに寄せた全集未収録エッセイや全集の表紙絵を飾った、ちょっと須賀さんの文章にも通じる世界をお持ちのイタリアの静物画家、ジョルジョ・モランディにも記事が及び須賀ファンにはお奨めの一冊。

そんな須賀さんとの出会いは『塩一トンの読書』という短いエッセイだった。
その書き出し・・・
 『ひとりの人を理解するまでには、すくなくとも、一トンの塩をいっしょになめなければだめなのよ』

新婚時代の須賀さんが夫であるジュゼッペ・リッカ氏のお義母さまから授かった言葉。その活字が目に飛び込んで来た時の衝撃たるや・・・塩一トンは決して誇張じゃないのだろうと思うだけに意気地無しの私には遥か遠い言葉に思えた。

今は全集の3巻目、『地図のない道』・・・・須賀さんとの旅はゆるい坂道を登るようにまだまだ続く・・・。
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by lime2005 | 2008-10-02 21:27 | 日記
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