2008年12月4日(木)、HAKUJYU HALLにて第2回ブリテン協会の主催するコンサートを聴く。
今回はベルリン・フィル首席オーボエ奏者、ジョナサン・ケリーを迎えて。 (←写真は若き日のブリテン) オーボエ : ジョナサン・ケリー ストリング・トリオ・グレース ヴァイオリン : 漆原啓子 ヴィオラ : 須田祥子 チェロ : 向山佳絵子 詩朗読:林望 ***purogram**** ブリテン:幻想曲 作品2 (オーボエと弦楽三重奏のための) ブリテン:オヴィディウスによる6つの変容 作品49 --intermission-- ドホナーニ:弦楽三重奏のためのセレナード モーツアルト:オーボエ四重奏曲 案内をいただいてから楽しみにしていたブリテン協会主催のコンサート。 今回はベルリン・フィルのもう一人の(一人はアルブレヒト・マイヤー氏)首席オーボエ奏者、ジョナサン・ケリーのオーボエが聴けるとあって期待が高まる演奏会だった。 一曲目の幻想曲はオーボエの音色と弦の重なりが、甘さを廃したブリテンらしい幻想世界を展開。ピュアで優しくて、何処か求道的な音を感じるケリーのオーボエを堪能。弦楽器群、トリオ・グレースも大健闘。 二曲目は初めて聴く曲で、ギリシャの詩人、オヴィディウスの『変身物語』から、パン、フェートン、ニオベ、バッカス、ナルキントス、アレトゥーサの6登場人物の変身譚をブリテンがオーボエに託して歌にしたもの。 曲中、酔漢バッカスのしゃっくり(笑)や舞踏会での貴婦人の喋喋たるおしゃべり。自己愛に目覚めたナルシスが見つめる揺れる水面に到るまでたった一本のオーボエだけで表現。もちろんケリーの表現力あればこその難曲である。ユーモアーとペーソスの満ちた愉しい曲に林望氏がバリトンで英詩の朗読で華を添えた。 後半のドホナーニで、連日の仕事疲れで軽く睡魔が。。 最後のモーツアルトのオーボエ四重奏曲では、再びケリーのテクニックと美音に酔う。 休憩中に伺った日本ブリテン協会理事の武田さん談『ケリーのオーボエにはモーツアルトが合っている』のお言葉通りのロマンティックだけれども贅肉の無いモーツアルトを楽しめた。特に『「フィガロの結婚」のバルバリーナのアリアを思わせる、哀しみ凝縮した音楽』とケリーが語る第2楽章でぐっと胸が熱くなる・・・。 パンフレットでケリーの経歴を読んでどこかイングリッシュ・テナーのボストリッジと重なる音楽家に思えたのは、ケンブリッジ大学で同じ歴史学を学びつつ音楽の道に入った事も影響しているのか。 ブリテンの更なる曲の魅力を、ベルリンフィルの木管奏者の層の厚みと贅沢さを同時に味わった演奏会でした。 今年はブリテンの曲を新日本フィル×アルミンクで『戦争レクイエム』、フィラデルフィア管弦楽団×エッシェンバッハを五嶋みどりさんのソロで『ヴァイオリン協奏曲』(絶品でした!!!)、そして今回とボリュームのある曲を聴て大満足。さて、来年はどんな曲との出会いがあるだろう~。
by lime2005
| 2008-12-09 09:57
| 音楽・ブリテン
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