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12人の怒れる男・・・

いよいよ今年も総括する季節になった。
2008年、年明け早々立て続けに起こった食品業界の偽装問題~アメリカの金融問題に端を発する世界同時不況~雇用問題他の日本への直接的波及・・・とこれほどの目に見えない不安感に襲われた年はかつて無かったし、来年は一層の悪化が懸念される年になりそうな中、
今年取り上げられたニュースで気になったのが2009年5月からの『裁判員制度』のスタートである。もし裁判員に選ばれたら??いや、誰でも選ばれる可能性があると言う事はどんな裁判でも自分とは無関係では無くなると言う事なのだが・・・その重みに果たして耐えられるのか・・

『12人の怒れる男』シドニー・ルメット監督(1957年)
物語はニューヨークの蒸し暑い夏の午後、12人の陪審員達が集まる冷房の壊れた一室。
誰もがさっさと用を済ませて一刻も早くこの部屋を出て行きたいと汗を拭いながら思っている。
手っ取り早く投票を!と粗末なメモ用紙が配られて早々に票決する。ある少年の父親殺しを有罪か、否かと。有罪なら罪状どうり『死刑』である。

陪審進行役の男性の手元がアップされる。
guilty(有罪)・guilty・guilty・guilty・guilty・guilty・guilty・guilty・guilty・guilty・guilty・・・・・not guilty(無罪)・・・・・・全員一致の票決が鉄則なので場がざわつく。たった一人の反対意見。陪審員番号8番(ヘンリー・フォンダ)の主張は有罪にする確証が無いので無罪だという。疑わしきは罰せずが裁判の大原則だと主張。

ここからはこれから見られる方の為に控えますが、12人の素のぶつかり合いが悲惨な殺人事件を克明に再現して描き出していくというミステリー映画を見ているような展開に引きずり込まれて行く。そして無関心の糸が一糸、一糸とほどかれていくのである。

この映画を先日もう一度見返してみた。
一度目見た時(夫に薦められて20年前ぐらい)とは自分の目線が変わっているのに気が付く。
ぐっと自分の事に引き付けて見られたからだ。そう思うと最後にnot guiltyと言い放って泣き伏した男(リー・J・コップ)の怒れる演技に人の弱さと優しさを見た思い。

優れた脚本のドラマであり、ディーベート・サスペンスの娯楽作品ではあるけれども、物事を感じたり判断する時に『偏見や思い込み』無しでどれだけ考えられるかという事を改めて提示された作品である。その事は2009年5月を前に少し訓練が必要かもしれないとも・・・。
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by lime2005 | 2008-12-19 16:01 | 日記
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