<   2005年 09月 ( 7 )   > この月の画像一覧

横浜ルネサンス vol. 2 ...


横浜ルネサンス第2段はドッグヤードガーデン赤レンガ倉庫

ご存知、横浜ランドマークタワー、みなとみらい横浜のシンボルである。天に向ってすっきり伸びた縦のラインと各階に刻まれた横のラインのバランスが絶妙に美しい高層建築物だと思う。
e0038778_975948.jpg
そのランドマークタワーの足元にどっしりと存在しているのがドッグヤードガーデン
e0038778_98562.jpg










明治29年に竣工された現存する石造りの最古の商船用ドッグ。昭和45年に役目を終えて、再び甦ったドッグは長さ100メートル、深さが10メートル。ローマ時代の遺跡、コロッセオの野外円形劇場に立っているかのような錯覚を起こす場所。平日は静寂を求めてビジネスマンが集い、休日は家族連れや恋人達が様々なイベントで賑わう。商船用のドッグをこんな場所に生まれ変わらせた仕掛け人のセンスが憎い。


横浜赤レンガ倉庫、濱の赤レンガと呼ばれ親しまれて港にどっしりと構えて横浜を見守ってきた母なる存在。
e0038778_99492.jpg

明治44年の竣工時から荷役用のエレベーターや防災用のスプリンクラー設置など、当時としては最先端技術を駆使して建てられた倉庫で貿易用の羊毛やタバコ、洋酒、工学機器などが保管されていたらしい。3年前の2002年にレストラン、ショップ、展示場などの商業施設として再生されて、現在は重要な観光スポットとなっている。
壁面をよく見ると削れて痛んだレンガをそのまま残してあって一世紀の重みを感じる。
e0038778_9113591.jpg
e0038778_9121152.jpg










照明をおとした館内は、鉄の扉や窓ガラスを当時のままの姿で使ってあり、独特の雰囲気を味わえる。のんびり食事をしたり、センスのいい雑貨や家具を眺めたりで、つい時間を忘れてしまう。
目の前は横浜港、大桟橋にこの日は日本丸が碇泊していた。
40年前にこの港からアメリカに嫁いだ叔母は、港から離れていく船上から見た赤レンガの景色を今でも忘れられないと話す。来年、15年ぶりに帰国する予定だが、様変わりした赤レンガ倉庫を見たら驚くだろうな。
e0038778_9131267.jpg

1858年の開港以来横浜の街に息づいてきた歴史的建造物が新しい町づくりに再生されて甦る・・・わくわくするようなプロジェクトである。

横浜ルネサンスの行方をこれからも見守りたいと思う。
[PR]
by lime2005 | 2005-09-24 20:24 | 寄り道

横浜ルネサンス vol. 1 ・・・

私の生活の場である横浜が今ちょっと面白いことになっている。かいつまんで言うと『古き良き時代の歴史的建造物を芸術文化の拠点へと再生する実験プロジェクト』が静かに進行しているのである。
なんのこっちゃ!!と最初は思ったが、その活動を知るにつけ興味が湧いて現代の<横浜ルネサンス>の行方に注目している。

その第1段としてBankART 1929 Yokohama とBankART studio NYKを紹介しよう。
e0038778_8422342.jpg

横浜は明治時代以降に建てられた歴史的建造物の宝庫である。
みなとみらい線馬車道駅近くの交差点にある古代ローマの円形神殿風のこの建物も、1929年に第一銀行横浜支店として建てられたものである。その大方の部分は取り壊されてしまったがバルコニーの部分だけ当時の銀行建築の象徴的建物としての保存が決り、現在BankART 1929という現代美術のアートスペースとして一般開放されている。
BankART(バンカート) 1929 の名の由来は元銀行(bank)であった建物を芸術文化(Art)に利用するという意味を込めた造語だとか。横浜市が民間団体に運営を委託する形で独自の企画展やアーティストへのスペース提供、カフェやパブの運営、スクールなど2002年の発足から活動は多岐に渡る。
建物の中は広々としていて重厚な柱と7mの高い天井にアーチ状の窓、洒落たシャンデリアの柔らかい明りの下で現代アートが展開されている。この日は祐成政徳(すけなり・まさのり)氏の『フレンドシップ』という作品が館内を遊泳していた。ミスマッチから生れる新旧の融合が楽しい。
e0038778_824178.jpg

企画展の無い普段は館内は自由に出入り出来て、無造作に配置してあるコルビジェのソファに座ってお茶を飲んだり本を読み始めるとつい時間を忘れてしまう。アーティスチックな雰囲気を誰もが気軽に味わうことができる快適空間。

もう一つの拠点 BankART studio NYK 、こちらは更に港に5分歩いた海岸通にある。
e0038778_8491443.jpg

入り口にあるハンガーを使ったアーチのオブジェを通って建物に着くとニューヨークのソーホーを思わせる空間が広がり、オープンカフェからはみなとみらいが一望できる。
e0038778_8505657.jpg
e0038778_838674.jpg

中は旧日本郵船の港湾倉庫時代の名残の姿を留めるコンクリート打放のハード空間。もうすぐ始まる企画展の準備がされていて、ビデオを媒体とする作品の表現者の映像チェック作業自体がアートに思えてくるから不思議だった。
e0038778_847929.jpg


この二つのアートスペースを拠点に展開される横浜ルネサンス、企画展に何度か足を運んでいる内に『現代アートは理解不能で難しい』から『感性を信じてありのままを見て楽しむ』と気持ちに変化が出てきた。町にアートが溶け込んでいて垣根が低くなった感じ。
夕闇迫る交易都市『横浜』はまだ成長を続けているんだなあと実感。(左にある高層ビルの手前にBankART 1929 は位置している)
e0038778_8221744.jpg

次は横浜のグレートマザー『赤レンガ倉庫』を紹介します。お楽しみに。
[PR]
by lime2005 | 2005-09-20 10:30 | 寄り道

十六夜・・・

昨日の月は見事だった。
夕食のあと誰彼とも無く『月見に行こう』と言いだして、三浦半島月見ドライブをしてきた。我が家は普段は皆ばらばらの生活なのに突然意見がまとまって行動ということがたまにある。
夜の海と月、両方が楽しめるビュースポットには先客がちらほら。滅多に味わえない水面を照らす満月を堪能した。
e0038778_10181918.jpg

記憶が10年前のフランクフルトから南西に30分程行ったシュバルバッハという小さな町の中華料理店に飛んだ。顔なじみになったボーイさんがいて、私と夫には何も言わなくても食事の最後に中国茶漬けを出してくれる四川の味付けの美味しい店だった。
聞いてみると、彼の御爺さんは日本人、親日家に納得がいった。
とある9月の今頃、いつものボーイさんが『今日はお月見だよ、外を見てご覧』というので、ちょっと出てみたら綺麗な満月。ドイツの9月はもうすっかり秋で、晴れる日も少なくなるため満月なんて滅多にお目にかかれない。すっかりその日が十五夜だということも忘れていた。
席に戻ると彼は紙に『中秋』と書いて持ってきた。その字を見て体中がジーンと熱くなった。中国の人もお月見をすることは知っていたけれども遠い異郷で巡りあった『中秋』の字に初めて『望郷』という感覚を体で味わったと共に、彼と大切なものを分けあった暖かい気持ちも感じた。

今夜は十六夜・・。かすかに夕闇迫る東の空に浮かぶのが十三夜。十四日から十五日の望月を経て、闇をほのぼの照らしてのぼるのが十六夜。いざよい(ためらい)の月・・・。

    此行やいざよふ月をみて終る      高浜虚子
[PR]
by lime2005 | 2005-09-19 10:17 |

見て見ぬふり・・・

最近よく行く近所のアメリカンスーパーの買い物カートはアメリカンサイズに大きい。
商品の多くがカートン売りなので、大きさは納得なのだが、最近このカートの中に子供を平気で乗せて押している若い親や孫に甘いじじ・ばばさまが目立つ。子供を座らせる座席はちゃんとついてるにもかかわらずである。
中には靴を履かせたまま乗せている不届き者もいて、開いた口がふさがらない。
皆、見て見ぬふり・・・。
一度見かねて『食品を乗せるのでやめていただけませんか』とキッパリ言い放ったら、凄い形相で睨み返された。注意も慎重にしないと身の安全が危ない時代。

思いめぐらせてみると日々の生活を見て見ぬふりをしていることって、少なくない。
掃除の行き届かない我が家のそこかしこはこの際棚上げしておくとして・・
中学生の喫煙に、塾帰りの深夜のコンビニ前のジベタリアン。道一杯に広がって円陣組んでるから通れやしない。路上のタバコのポイ捨てにつばはき。
タバコは日本中分煙が進んでいるからマナーもぐんと良くなっているが、先日若い女性が自転車に乗りながらくわえタバコ、子供の脇を猛スピードですり抜けて行って肝を冷やした。
若いママが駅の階段を細腕で赤ちゃんのバギー持ち上げていても知らん顔。等々・・・

電車の中での破廉恥行為を見て見ぬふりができなかったばかりに、恋を手にした『電車男』はラッキーとしても、おおよそ注意しても逆恨みが待っているだけ・・・。
そういえば今年の春頃、内閣府の世論調査で不良行為をしている少年を見 かけた時の対応については「見て見ぬふりをする」が5割を超えたというニュースが記憶に新しい。理由は逆切れされるとこわいから・・。ノーマルで健全な意見だと思う。

これは日本特有のことなのか、今世界は静かにそんな方向に向っているのか?
少なくとも私が生活していた間のドイツでは少し事情が違った。

電車で靴を脱がせて子供を座席に立たせたら凄い剣幕で『危ないから止めなさい』
渡独1週間目に夜中にゴミをすてていたら注意された。後で知ったことだがゴミ捨ては夜は禁止。
窓拭きをもっとしなさいと隣りの叔母さんに。ドイツ人は窓辺の装いに命をかけてるから(笑)
子供に出来るだけ日光浴をさせたくて靴下を脱がせてバギーで散歩させていたら『足が冷えるから止めなさい、ほらこんなに冷たくなってる』・・とこれは何人もの人に指摘された。確かにドイツのベビー服はつま先までスッポリ型。冬は平均気温-5度。
極めつけはバギー。階段を前にして階下で『バギーを上げるのお手伝いしますよ』と声をかけられなかったことを思い出せない。これは老若男女。等々…上げればキリ無し。
思ったら即行動、見て見ぬふりなんて言葉はドイツ語の辞書には無いのかもしれないと思った。ドイツ人っておせっかい・・・これが渡独第一印象。
はっきりと言葉で意志を伝える西洋と違って、言葉をベールに包んで『暗黙の了解』でやり取りをしてきた日本。それは個々に抑止力が働いていた時代の産物。
e0038778_8202279.jpg

最近まで、ずっと見て見ぬ振りしてきたこの看板。近所の国道沿いの交通量の激しい道路わきにひっそり立てられている。伸びてきた枝で看板の字が読みにくくなるとすぐに刈り込まれて、管理人の意気込みを感じる。
内容はともかく、こんなおせっかいが今の日本にはひどく必要なのかもしれない。
[PR]
by lime2005 | 2005-09-16 06:20 | 日記

グルマン世界料理本大賞・・・

ご存知 2005年グルマン世界料理本大賞グランプリを受賞した栗原はるみさんの
harumi's japanese cookingです。
e0038778_2191075.jpg


この夏我が家ではこの本のレシピが大活躍した。
栗原さんの料理本に繰り返し出てくる『うちの十八番』とか『これが我が家流』といった表現。
つまり情報の発信場所は栗原家のキッチン&ダイニング。
彼女の自然体で気どりが無い、それでいておしゃれでしみじみ美味しい料理は主婦の台所という現場から生れたものでキーワードは『暮し』。料理は暮らしを豊かに彩ってくれるものというコンセプトが貫かれている。
そこがシェフや専門の料理研究家の書いた本との違い。カリスマ主婦たる所以。

もともと” harumi's japanese cooking” はイギリスで日本食の大家として知られる編集者シャーリー・ブース女史がはるみさんの料理を通じて、現代日本の家庭料理をイギリス人に紹介するという形で執筆された料理本。
現在英語版を初め、フランス語、スペイン語、オランダ語版が出版され、秋にはドイツ語版も発売される・・というのだから、世界に向けて書かれた本と言っても過言では無い。
世界にあって 『プレゼンテーションの仕方』 『バラエティの豊かさ』 『季節感』 において特殊な日本料理もはるみさんの手にかかると難なく『手間なし簡単おかず 』に変身してしまう所が凄い。

大体、日本でも材料を揃えるところから大変な和食をよりによってイギリスで・・と初めは思った。
かつてフランスの革命家タレーランは料理がさえないイギリスを
『フランスには1つの宗教と300のソースがあるけれど、イギリスには300の宗教と1つのソースしか存在しない・・』と言って見下した。
もう、料理をソースで味わう時代も今は昔で、現在は輸送技術の発達に伴い素材で勝負の時代であるが・・。新鮮な素材ならどの国にも引けを取らない日本。
この本がきっかけでイギリスを初め世界中の家庭料理に和食の新しい風が吹き込まれるといいな。
e0038778_2195977.jpg

 ”Take up the challenge and enjoy a meal with all your sense”
はるみさんが料理を通じて発信した世界へのメッセージ。そう、それぞれの感性で楽しみましょう!!!!
[PR]
by lime2005 | 2005-09-12 08:30 | お料理

白露・・・

台風の爪あとが大きい日本列島。関東地方でも湿った南風が吹き荒れている。
今日は二十四節気の白露
陰気ようやく重なりて露にごりて白き・・の意。
そろそろ残暑の中にも秋の気配が感じられて、店先では夏の名残と秋の 走りが
仲良く同居。季節の変わり目を迎えた。
e0038778_8184198.jpg
  ..... 昨日の教室で教えたメニュー.....

      栗ごはん
      黄菊と三つ葉のしんじょ椀
      白和え
      きのこと海老の揚げ浸し
      煮なます

もうすっかり秋の一汁三菜。初夏から盛夏にかけて刺激の強いエスニック料理が続いた
ので、『今日は本当に美味しい・・』と生徒さんつい本音を漏らしていた~(笑)

まだこの時期の栗は若く、虫食い前なので『ギャー~』という突然の雄たけび
も聞かれず(これ、心臓に悪いのです!)に皆さんせっせと栗の渋皮むきをして下さった。
これが晩秋の頃になると段々と虫食い栗が増えて来て、『ああ~栗も美味しくなってきたな』
のサインとなるわけ。人間様にも美味しさおすそ分けください・・・の心境。

やはり秋は和食がほっとする。

しんじょ椀に天盛りしたへぎ柚子の青さを思って・・・
 
 青柚子の葉より青き9月かな   加藤青龍
[PR]
by lime2005 | 2005-09-07 10:23 |

soupe au pistou (南仏風野菜スープ)・・・

 このスープの名前はスープ・ピストゥー。南仏プロバンスの太陽が作ったスープ。
  ことこと煮込んだ具だくさんの野菜スープにピストゥ・ソースと呼ばれるバジル
  のペーストを添えていただく。
  『ピストゥ』はラテン語のすり潰すという意味の『ペスターレ』に由来、バジルやにんにくを
  すり潰した香り高いペーストが美味しさの秘密。じっくり煮込んで引き出された野菜の甘
 味に彩りを添えてくれる。
e0038778_21145135.jpg


  【材料】  4人分
  さやいんげん..........100g        スピトゥ・ソース
  セロリ....................1/2本         バジルの葉(生)...........大きめのもの5枚
  人参......................1/2本         にんにく.................1/2~1かけ
  じゃがいも...............1個           オリーブ油..............大さじ2
  トマト.....................大1個          パルメザンチーズ......大3
  ズッキーニ..............小1本
  玉ねぎ....................1/2個
  長ねぎ(白いところ) 1本 (あればポロねぎでも)

  水...........................900cc        バーミセリ(細いタイプのスパゲティ)40g
  塩...........................小1~(お好みで)
  こしょう.....................少々          
  オリーブ油.................大さじ2
  
作り方】 
  1、 さやいんげん、セロリ、人参、じゃがいもは8㎜角に切る。
  2、 トマトは皮を湯むきして、横二つに切って種を除いて果肉を粗く刻む。
  3、 ズッキーニは薄切り。(太い物は半分にしてから)
  4、 たまねぎ、長ねぎは8㎜角の色紙切りにする。
  5、 バーミセリは乾いた布巾に包んで、長さを3cmぐらいに折っておく。
  6、 厚手の鍋にオリーブ油を熱して、じゃがいもとトマト以外を弱火でゆっくり炒める。
  7、 野菜がしんなりしたら、水、塩、こしょう、トマトを加えて強火で熱する。
     沸騰したらじゃがいもを入れて、弱火にして野菜が柔らかくなるまで煮る。
     (鍋の大きさ、材料の量によっても変わりますが約30分~40分)
  8、 細かくしたバーミセリを加えて5分程煮たら、出来上がり。野菜の甘味次第で塩
     加減を調整する。

  【ピストゥ.ソースの作り方
e0038778_22415072.jpg
  
    1、 にんにくはみじん切りにして、すり鉢ですり潰す。
    2、 包丁で粗みじんにしたバジルの葉を入れて、更に滑らかになるまですり潰す。
    3、 パルメザンチーズ、オリーブオイルを加えて、よくすり混ぜる。

  いただく直前に、お好みの量のピストゥ.ソースを加え、かき混ぜる。
  私のこだわりはピストゥ.ソースを作る時、すり鉢とすりこぎでよくすり混ぜること。
  包丁で細かく切ってもできますが、すり潰すとよりバジルの香りが立って美味。

  この料理はドイツ語を習っていた頃、同じ講座を受けていたフランス人に教えていた
  だいた。使う野菜は季節によって変わるけれど年中食卓に上る南仏の家庭料理とのこと。
  実際はこの倍量のレシピでした(使う鍋は26㎝と言われて焦る)が、何度も我が家で  
  作っているうちにこのレシピに落ち着いた。
  茹でたいんげん豆や金時豆を加えて煮ても美味しい。(バーミセリを加えるタイミングで)

  プロバンスの思い出はニースのキッチン付きの宿で、市場で買い求めた南仏の野菜を
  使ってこのスープが作れたこと。
  テーブルクロスはその時買求めた南仏の伝統柄の生地『ソレイヤード』。
  太陽の香り溢れるスープをしっかり受け止めてくれる。
  
[PR]
by lime2005 | 2005-09-03 07:20 | お料理