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インカのめざめ・・・

先週の金曜日、『インカのめざめ』と衝撃的に出合った。(またまたなんのこっちゃ!ですね~。)
午前中渋谷で仕事を済ませて、昼食は銀座のイタリアン、トラットリオ『Baffo』・バッフォー・に行った。
シェフの黒川さんは、私が助手時代に外来講師として招かれていたシェフさんで、オペラ歌手のような甘い風貌と親しみ易いお人柄で人気があった。現在はシェフに専念されているが、店は開店当時からのファンで海鮮イタリアンがリーズナブルで美味しい。
お昼は、サラダ・パンとワンプレート、飲み物のランチメニューだが、いつも最初に出されるじゃがいものサラダが美味しくてずっと気になっていた。
その日はデザートにいただいた<かきのシャーベット>が美味しかったのでお声をかけたら、変わったアイスクリームを食べさせてくれる・・というのでもう一度席に着く。
冷蔵庫から出してきたカップからサービスしてくれたそのアイスクリームの色は少し濃い目のバニラの色。一匙すくって舌にのせると自然の甘味の下から意外な味が・・。でんぷんの粒子が舌に残る。じゃがいも・・・!!!!!
厨房に消えたシェフが持ってきたのは新じゃがのようにころころとしたじゃがいも。名を『インカのめざめ』別名農林44号。そこであっと!気が付いたのだが『いつものアンティパストのサラダの主は君だったのか~』である。
紫いものアイスやじゃがいものパンケーキ(アップルソースでいただく)なんてあるぐらいだから芋をデザートにするのは珍しくないが、じゃがいもとアイスクリームは結び着かなかった。やられました!!!
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このじゃがいものを茹でただけで味わってみたい・・・という気持ちを読まれてしまったのか、帰りに1キロほど持たせてくれた。包丁で切ってみると刃に吸い付くような柔らかさ。
色は少しオレンジがかった鮮やかなサフラン・イエロー。

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早速、茹でていただいてみる。甘いけれどさつま芋の甘みとは違う。食感は栗に近いほくほく&まろやかでクリーミー。で、何といっても味に深みがある。
スライスしていんげんと合わせて温サラダに。ドレッシングは控えめの味にした。
黒川シェフはたまねぎとベーコンに合わせていた。


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次に揚げじゃがに。ゲランドの塩だけでいただく。
これまた絶品!!肉質が柔らかいので半分に切って5分で揚がる。
冷えたビールが進みそう。


じゃがいもは北あかりが好きでよく箱買いするが、暫くインカ・・に浮気必至。でも何処にも売っていない。ネット販売しか手は無さそう。値段を見て更に驚く。キロ・・1000円。生活価格には遠い。まだ認可されたばかりで本格的な流通前だが、いつかあたりまえに店頭にお目見えする日をぜひ心待ちにしたい。


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ちなみトラットリオ『Baffo』は絶対お奨めレストラン。薄焼きピザ、桜チップで燻した甘鯛、など薪の石釜が大活躍。店内に入るとすぐに目に飛び込んでくる薪の炎と香りがたまらない。家庭的な暖かい雰囲気の店内もいい。
歌舞伎座からはすぐ。クラシックファンは王子ホールの帰りに演奏会の余韻を楽しみながらいかがでしょう~。行かれたらじゃがいものアイスクリームもぜひ
                  お試しあれ。
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by lime2005 | 2005-11-28 10:15 | お料理

nouveau vin & legumes(新・ワインと野菜)・・・

鎌倉の deux mille deux に予約してあったボージョレ・ヌーボーを取りに行きがてら、友人達とランチ。鎌倉も観光シーズンのピークを越したのか、週明けの肌寒い月曜だったせいか、人出が少なくほっとする。
鎌倉に朝一番についたら何といっても楽しみなのが野菜市場。朝採りの新鮮な野菜や果物が並んでいて、毎回ニューフェイスに会えるのが楽しみ。つい帰りの事を忘れてどっさり購入。
ボージョレーと一緒にいただく料理。まだ我が家の皿にのった事の無い野菜を中心に作ってみた。盛り付けた皿はワインレッドの縁取りに一目惚れしてdeux mille deux にて購入。ワインはジャン・ド・ロレール。爽やかな香りと味を楽しめた。何よりその綺麗なルビー色に見惚れる。恥らう少女の唇のような・・・。

   ***鶏肉のハーブ焼きサラダ&ジャン・ド・ロレール***
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  鶏肉のハーブ焼き      
 【材料】 4人分            【作り方】 
 鶏もも肉   2枚400g      1、ハーブは乾燥ハーブの方が香りが強いので
 ハーブソルト             お奨め。全部を手でも見込みながら合わせる。 
   オレガノ  小1          2、鶏肉は皮にフォークで穴を数箇所あけておく
   タイム   小1            余分な脂肪を取ったら厚みのあるところに
   バジル  小1            切り込みを入れて開いておく。
   塩     小1/2        3、鶏肉にハーブソルトをすり込んで20分置く。
   胡椒    少々         4、フライパンにオリーブオイル小1をいれ
 ドレッシング              蓋をしないで皮目をパリット焼く。
   ワインビネガー 大1         裏返したらフライ返しで押さえつけるように水分を
 A 塩・胡椒   少々          蒸発させるように焼く。
   オリーブ油  大2       5、お好みの野菜とAのドレッシングで合える。 

鶏肉のハーブ焼きのコツは水分を蒸発させるようにして焼くこと。身のしまった鶏にハーブの香りが合う。サラダ仕立てにする野菜はお好みのものを冬季は温野菜、夏季は生を。トレビツ、チコリ、エンダイブといった苦味のある野菜が少し入ると美味しい。

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この市場については高味さんのブログが詳しい。
新鮮、安い、美味しいうえに食べかたを教わるのも楽しみの一つ。
黄柚子が出ていたので買おうと思ったら生のウコンを逆に勧められて、化粧水と風邪予防にいいというハチミツ漬けを作ることにした。勧めた奥さんの肌がピカピカだった事が決めて。友人がまとめて作ってくれるというので、お願いする。こんなコミュニケーションが楽しくて市場は止められない。


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これが今回のニューフェイス。
左上からトレビツ、紫ブロッコリー、黄にんじん
下に来て青長、青皮紅心・・・
トレビツはチコリの一種だが、輸入品の方が苦味が少ない気がした。
紫ブロッコリーは茹でるとあら不思議。なあ~んだ。普通のブロッコリーの色に。でも甘味が強い。
黄にんじんは人参臭さが全く無くてやはり甘い。子供は黄ピーマンだと思ったらしい。
青長と青皮紅心は中国野菜で切り口の色がそれぞれ楽しい。青皮紅心・・判りやすい名前。切ると血のように赤いのでハットする。チキンの左。
右が青長。こちらはおろしでいただくと最高とか。揚げじゃこを乗せていただこう~。       
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by lime2005 | 2005-11-23 07:57 | お料理

言った筈なのに・・・

先月から担当しているお料理1年生クラス。今日は2ヶ月目に突入した。
一回目の先月はお互い牽制し合うせいか何となく関係が硬かった。一回目はいつもそんな感じで緊張して終るが、ニ回目になるとお互い素が見え隠れして教室の雰囲気が和む。
今日もいつものように順調にデモンストレーションが終わり、実習に入った時それは起こった。
鶏肉の照り焼き丼ぶりに付け合わす半熟卵が8テーブル中3テーブルも固まらなかったのだ。
ほとんど切れない程に柔らかく、温泉卵と見紛うほど。
こんな失敗は珍しいことなので、少し落ち込む。
咄嗟に先ほど終ったばかりのデモンストレーションを思い返してみる。半熟卵を作るのに必要なポイントはしっかり話したし、助手さんは脇で見事な半熟卵を作って見せた。何が悪かったのだろう・・・。
お・そ・ら・く・・・・
これは初心者がよく勘違いする事だが、料理の本に書いてある加熱時間というのはその煮汁が沸騰してからの時間なのであるが、火をつけてからの時間と勘違いしている人がけっこう多い。失敗の3つのテーブルは明らかに後者のおそれである。
でも私は間違いなく
『鍋に卵とかぶるぐらいの水を入れたら沸騰するまで菜箸でコロコロ転がします。沸騰したら卵が常にことこと揺れるぐらいの中火で6分ゆでて、火を止めてすぐ水に取りましょう』と説明した。
おそらくなんの抑揚もなくさらっと・・・。

これは以前先輩から受けたアドバイスだが、『もし失敗デモをしても慌てないで。受講生は決して同じ失敗はしないから・・。でもいいデモンストレーションができたなと思った時は要注意。受講生には入ってないことがあるから・・。』
そうか、それだ!!!今日はっきりとその意味が会得出来た。
最近は慣れて淀みなく話せるようになったことをいい事に『伝える』工夫や努力が足りなかったのだ。
<加熱時間の基本>はもっとじっくり強調して伝えるべきだった。お料理1年生のクラスだもの。
語気を強めて話したり、白板に板書したりと方法は幾らでもあった。

考えてみれば、立て板に水のごとく流暢なしゃべりをする人の話、後で『ところで今日は何を聞いたのだろう~』なんて思うことありませんか?かえって印象に残らないと言うのか・・。
音楽で言えばモーツアルト。聴き始めた頃はただ綺麗なメロディーが淀みなく続く<音の戯れ>のような曲が多くて感動には遠かった。ベートーヴェンやチャイコフスキーのような強烈な自己主張が無いせいである。今はモーツアルトの面白さに少しだが気付き始めているけどね~。

言った筈なのに・・・は、やはり一種のエゴイズム。
『聞いていない』と相手に思われたら、それは圧倒的に伝える努力が足りなかったこちら側に問題がある。
・・・・・お料理1年生に教えられた1日だった。
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by lime2005 | 2005-11-19 19:24 | 日記

秋のスイーツ Vol 2・・・

apple pie (アップルパイ) 

お菓子の焼ける匂いは最高のアロマテラピーだと思う。
型に入れた生地を余熱済みのオーブンに放りこんで待つ事15分、膨らんで色づいてきたパイ生地から香ばしい香りが立ち上リはじめる。暫くしてそれに林檎の甘酸っぱさが加わってくる頃には嫌な事は全部忘れてしまうほど、肩の力が抜けて優しい気持ちになれる。
そんな事をまだ意識していない20代、何か行き詰まった時、真夜中でもよくお菓子を焼いた。このパイはその頃からのレシピ。
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パイ生地には2種類あって、アメリカンタイプの練りこみパイとフランスでフィユタージュと呼ばれている折り込みパイ。これは一応後者。
生地に薄くのばしたバターを層に折り込んで作るちょっと難易度の高い生地。
よーく観察するとパイの下層の生地の膨らみが足りないのがお判りいただけると思う。
フィユタージュ・ラピド(即席法)と言われる簡単な作り方でも十分な膨らみに焼き上げるのは難しい。
焼きたては香り高い紅茶でいただきたい。
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で、真の主役は貴女、紅玉林檎(こうぎょくりんご)。
アップルパイは貴女無くしては語れない。
私は好きだが、生でいただくとちょっと酸味が多くて苦手な人も多いはず。
でも火を入れるとあら不思議。水を得た魚のように本領を発揮するのがこの林檎。
甘味、酸味、苦味、渋み、香り・・このすべてが凄い自己主張を始める。魔法をかけたように。
紅玉の自然で素朴な味を思うとき、店頭で美味しいとされて高値がついて並んでいる果物の不自然な甘味に疑問を感じる。林檎に限らず。何故あんなに甘味にこだわるのだろうと・・。


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   林檎料理  
                 大手 拓次
手にとってみればゆめのやうにきえうせる淡雪りんご、
ネルのきものにつつまれた女のはだのやうに
ふうはりともりあがる淡雪りんご、
舌のとけるやうにあまくねばねばとして
嫉妬のたのしい心持にもにた淡雪りんご、
まつしろい皿のうへに
うつくしくもられて泡をふき、
香水のしみこんだ銀のフォークのささるのを待ってゐる。

とびらをたたく風のおとのしめやかな晩、
さみしい秋の
りんご料理のなつかしさよ。
                 (白鳳社)
           
寡黙でシャイな詩人が紅玉林檎に重なる・・・。私の林檎讃歌。
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by lime2005 | 2005-11-16 11:00 | お菓子

アンジェラ・ゲオルギュー・・・

東京芸術劇場アンジェラ・ゲオルギュー(S)ソロリサイタル2005年に行って来た。

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指揮・マルコ・グイダリーニ 演奏ニース交響楽団
     ****purogram****(1F-F列1)
 1部
   モーツアルト    歌劇<コジ・ファン・トッテ>より 序曲
   ジョルダーニ    歌曲<カロ・ミオ・ベン> いとしい女よ
   ヘンデル      歌劇<リナルド>より 私を泣かせてください
   プッチーニ     歌劇<マノン・レスコー>より 間奏曲
   レオンカヴァッロ  歌劇<道化師>より 大空を晴れやかに
   プッチーニ     歌劇<つばめ>より ドレッタの素晴らしい夢 
                                                                             -------intermission-----------     
               2部 
                ビゼー      歌劇<カルメン>より 間奏曲&ハバネラ
                プッチーニ   歌劇<マノン・レスコー>より 華やかに着飾っても
                マスネ      歌劇<タイース>より タイースの瞑想
                プッチーニ   歌劇<ジャンニ・スキッキ>より 私のお父さん
                プッチーニ   歌劇<蝶々夫人>より ある晴れた日に

                     --------encore-------------
                ミュージカル<マイ・フェア・レディー>より 踊り明かそう
                グリゴリュー<ドナウの河>より 音楽
                ララ <グラナダ>
                           
アンジェラのコンサートはこれで3度目、聴く度に美声と美貌が澄みわたってくる。
今回はオーケストラと一緒の来日になったが、ニース交響楽団、なかなかの演奏を聴かせて くれた。まさに南仏の空のように明るい響きのオケで、マチネのファミリーコンサートにはピッタリという感じがした。
最近西本さんの影響でロシアのオケやCDをよく聴くようになったせいか、こういう明るい軽快な響きを忘れかけていたかも・・。
選曲は物足りない程におなじみの曲ばかりだが、徐々に声の調子も上がってきて、大空を~の頃には全身鳥肌、涙目状態。この乗りで後半も歌いまくり、アンコールに。
マイ・フェア・レディー、ご本人が1番楽しんで歌っていらしたせいか、イライザが目の前で踊っているかのような楽しさだった。
そして、今回この歌をやっと聴けた。グリゴリューの『ムジカ』。
これはアンジェラの祖国ルーマニアに流れるドナウ河に『一生音楽に身を捧げます』・・と誓う素敵な詩を持った歌で、何時か聴いてみたいと願っていた大好きな曲だったから・・。
アンジェラの人生の節目にはいつもこの歌がある・・。

何処か少年の面影を残したインテリジェンスなテナーもいいけれど、成熟した女性だけに与えられた豊饒なる色気を放つソプラノも最高。
テンションが上がったついでにサインいただいちゃいました。りっぱなミーハー。
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どうして西本さんのコンサートじゃないと気持ちがこんなに楽なんだろう・・・。
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by lime2005 | 2005-11-12 20:45 | 音楽

『幻想』&『美しい存在』・・・

何やら哲学的なタイトルだが、立て続けに聴いた感動の新譜のテーマである。


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まずは我らが西本智実さんのベルリオーズ『幻想交響曲』はチェコ・ナショナル交響楽団指揮のDVD。
今月から始まる日本公演に先駆けて、2005年8月6日にチェコのプラハ(スメタナホール)での音楽祭ライブ版。

曲は作曲家自身を投影させた一青年芸術家の熾烈な片思いを、『恋人の主題』として曲随所に散りばめ、夢、憧れ、希望、嫉妬、失意を華麗なオーケストレーションで表現。・・・ついにはそれが悪夢の幻想の亡霊となって自分に襲いかかる『夢と狂気の交響曲』である。

『舞台で泣き叫んではアリアが歌えないようにどっぷりはまると何も出来なくなる・・・』と西本さんがライナーノーツで語っているのが印象的だったが、そのタクトからはエキセントリックな曲に託されたドラマがじっくり伝わってきた。本公演におおいに期待・・。


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イアン・ボストリッジは今一番好きなテノール歌手。久々の新譜は発売が1週間も遅れて焦らされたがブリテンのオーケストラ歌曲の魅力に一夜でハマッテシマッタ。
ブリテンと言えば『青少年のための管弦楽入門』とヴェンゲーロフの弦で『ヴァイオリン協奏曲』、サラ・ブライトマンのアイルランド・フォークソング集『夏の最後のバラ』を僅かに聴いていたのみ。
A・ランボーの危険な詩『イリュミナシオン』もブリテンの手にかかるとマーラーの合唱付交響曲を思わせるような甘美かつ官能的な曲に。第8曲『美しい存在』は白眉。
続く『セレナード』はテノールとホルン・弦楽器のコラボレーション-が絶妙で、『夜想曲』は逆説の白昼夢を思わせる世界が聴き取れた。
こういった文芸作品が背景にある曲を歌わせると、ボストリッジの本領発揮。半分は脳細胞で歌っているんだもの(笑)
演奏はベルリン・フィル。指揮はサイモン・ラトル。
文句無のゴージャス・メンバーに感涙の1枚となった。

## 写真につきましてはメーカーの確認を取った上で常識範囲内と判断して掲載いたしました。それぞれ購入時にいただいたポスターです。
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by lime2005 | 2005-11-09 08:10 | 音楽

雨を聴く・・・

一昨日は天気予報通り、午後3時にきっかり横浜方面は雨が降った。
最近の天気予報はあたりすぎて味気ない。
その朝、ある方からこんな書き出しのメールを返信していただいた。
 
 『薄曇の朝。雨の降り出しはいつごろになるのでしょうか。
   こんな天気の時は少しだけ気分が落ち着きますよね。(ボクだけでしょうか?)』

この日仕事で朝家を出る時、まったく同じ事を考えていたので不思議な気持ちがした。
そう、雨の気配に気持ちが鎮まる。

日本はめぐる季節を、雨音が教えてくれる。

早春、春時雨(しぐれ)は明るい雨音で冬果てを告げる。
萌えいずる新芽を濡らす雨音は柔らかく優しい。

うっとおしい梅雨も、始まりと終わりでは雨音が違って聴こえる。
梅雨が明ける送り梅雨の頃の雨音は特に好きだ。
早く梅雨が上がって欲しいという願いが込められた名前のごとき激しい雨。
瑞々しい若葉が雨粒を跳ね返す躍動感溢れる音。
その雨上がりが極彩色の季節を連れてくる。

季節が進んで秋の雨
空が晴れているのに急に雨粒が落ちてきたかと思う・・とまた止んで晴れる。
その雨は静かに淋しげに落ち葉を湿らし、しおしおと土に染み込む。
心を鎮めてくれる音無き雨・・・。もう季節は立冬。

  秋の雨しづかに午前をはりけり   日野 草城
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by lime2005 | 2005-11-08 07:28 |