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れんこん食感七変化・・・

蓮は摩訶不思議な食材である。仏説で極楽に咲く花として描かれ、御仏の蓮台にもなっているあの蓮である。葉、茎、根、実と花以外は全て食せるこの植物は、食感七変化と呼びたくなる程、部位や調理法で食感の変わる楽しい食材である。
中でも根にあたるれんこんは火の入れ方で味わいが違ってくる。
サット茹でただけで作る酢蓮(すばす)や炒めなますに入れるとシャキ、シャキとした爽快な食感。煮物のようにじっくり煮含める料理では軟らかくねばっとした食感。
そして究極はおろしれんこんである。生のれんこんをおろし金でおろしてつなぎを入れて加熱するともっち、もちに・・。これが同じれんこんだろうかと疑いたくなるような食感が生れる。
また蓮の種子を乾燥させたはすの実(連子)リエンズは中華材料としてスープや蒸おこわ、しるこや餡の点心によく使われ、栗のようなほくっとした食感が楽しめる。

こちらはれんこんをすりおろして、つなぎに大和芋を加えて蒸したれんこん蒸し
懐石風に盛り付けるとおもてなしの一皿にもなる。熱々のくずあんをかけていただきたい。

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とても簡単に作れるのでレシピを公開すると・・・
作り方 
【材料】 4人分            

れんこん.........300g
大和芋.......... 50g        
塩..............少々      くずあん
                          だし..........1カップ
生しいたけ.........2個        うすくちしょうゆ...小2
三つ葉...........10g        みりん........小1
ゆでぎんなん.......4個
えび.............4尾        片栗粉........大1/2
 下味用 酒........大1/2      水...........大1
      塩........少々
                        わさび..........適宜 
【作り方】
1、れんこんは皮をむいて水につけたら、全量すりおろす。スピードカッターでもOK。
  ザルで自然に水を切り、大和いものすりおろし、塩を加えてしっかり混ぜる。 
2、生しいたけは薄切り、三つ葉は飾り用の葉を残して2cmぐらいに細かく切る。
3、えびは背わたと殻を取ったら3等分ぐらいに切って、下味をつけておく。
4、れんこんの中に生しいたけ、三つ葉を加えて混ぜ、盛り付けの器に4等分して入れる。
  えび、ぎんなんを飾る(表面に埋め込むようにするといい)
5、蒸し器で強火で10分蒸す。くずあんを作って三つ葉を飾り、上からくずあんをかけていただく。

# つなぎは粉末山芋を10g入れてもOK、ただし水分の多い長芋は使えない。
# 電子レンジでも作れます。ラップをかけて、500Wで4個一度に蒸すなら4分半を目安で。
2個では2分を目安に。

関東地方ではあまり馴染みの無い料理だが、関西では蕪蒸しなどとともによく作られる料理である。この時期のれんこんはでんぷん質が熟成して一層美味しい。かに肉やホタテなど、お好みの具を入れてわさびを利かせて召しあがれ!
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by lime2005 | 2006-01-28 20:36 | お料理

ぶり大根・・・

昨日は思いがけない大雪に見舞われた関東地方だった。大きな混乱は無かったものの、センター試験と重なり受験生とその家族には辛い朝だったに違いない。
そういう私も朝一番に教室で待機、食材の無事な配達を見届けた後、休講の受講生の電話応対に追われた。
結局大きな混乱も無く無事仕事を終えた帰宅途中、無性に『ぶり大根』が食べたくなって魚屋に寄る。天然物の薄紅色の寒ぶりをあらとともに購入。腹身は脂がのりのりである。
大根は先日子供が学校の課外授業で種まきからして収穫した青首があったので1本丸ごと使用。早速料理に取り掛かる。
私の味付けは驚くほど薄味である。昆布と共に下茹した大根にギリギリの調味料としょうがの薄切り、霜降りしたぶりを加えたら鍋返しもせずにゆっくり中火で40分、最後に一気に煮汁を飛ばして照りを出す。
ぶりの旨味をたっぷり吸い込んだべっこう色の貴女様をもう大根役者とは言わせない!!!!
熱々をいただくも良し、冷めた煮こごりを熱々ご飯にのせてもまた良し。この時期ならではのご馳走である。
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ぶり大根というと記憶が1年前の京都に飛ぶ。
創作京料理『かじ』、は二条城の近くにあるいかにも京都らしい鰻の寝床の町屋で、西本さんの演奏会を聴きに仲間と共に出かけた旅で訪ねた店。
ここで焼き物として出された皿のぶり大根は衝撃だった。ぶりの塩焼きの上に聖護院大根を柔らかく炊いてつぶしたものがのせてあり、寒ぶりの最高の調理法(何と言っても塩焼き!!)と、とろけるような甘味の大根が相まって鮮烈な美味しさだった。
もしもここに辛みを感じない冬大根の下ろしなんて添えてあったら全くの興ざめであるが、創作料理の工夫の妙を堪能した。
ご主人の梶憲司さんが店先に出て見送りをしてくれた時、そっと感謝の意を伝えたら自慢の一品だとおっしゃった。木々が凍り静寂に包まれる京都を訪ねたいと思う。あのぶり大根をもう一度味わうために・・・。
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by lime2005 | 2006-01-22 14:50 | お料理

お菓子歳時記 Vol.2 王様のガレット・・・

 『王様のガレット』galette des rois (ガレット・デ・ロワ)はフランスの新年のお祝い菓子。
 1月6日はカソリックのお祭り、東方の3聖人の幼児キリスト礼拝にちなむ『epiphanieエピファニー』主顕節の祝日。フランスでは『王様のガレット』を囲んで親しい人でお祝いをする慣わしがある。
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折込パイの生地の中身はクレーム・ダマンドと呼ばれているラム酒を効かせたアーモンドクリームがたっぷり。で、中にはフェーブと呼ばれる小さな陶器のお人形(又は小物)を仕込んで焼き上げ、切り分けていただいく時フェーブが当たった人が1日王様になって添えてある冠をかぶり皆を従わせる事ができる・・・というゲーム感覚を有した楽しいパイ菓子である。
フェーブとはそら豆の意で、元々はそら豆を仕込んでいたことの名残であるが、本国では毎年作られる様々な新しいフェーブにコレクターも存在するほどである。こちらは日本のコレクターさんのブログ。

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<ティーポットシリーズ>

ところで、何故そら豆なのか・・・。これは古代ローマ時代まで遡ると繋がる。
ローマ時代は投票にそら豆を用いる習慣があって、収穫祭でそら豆を引いたものが王様になるという慣わしがあり、後のキリスト教の布教と共に主顕節を祝う御菓子として引き継がれてお菓子の中にしのび込んだと言う訳。


おそらくそら豆が陶器の人形に置き換えられたのはカソリックの偶像崇拝に繋がっていると考えられる。それは、アンティークのフェーブを見ると幼子イエスそのものやマリア様が圧倒的に多いからである。

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<葡萄農園シリーズ>

これだけの歴史を有した菓子の事、小説や映画、絵画にも頻繁に登場している。私が知っているものだけでも3つほど・・・
18世紀ロココ美術にキリスト教の主題を導入して名声を得たグルーズの絵に『御公現日(=主顕節)の御菓子』と題された、幼子がそら豆を引き当てる光景を描いた微笑ましい絵が残されている他、ゾラの小説『ナナ』、映画『シェルブールの雨傘』にも主人公の心の迷いの象徴の小道具として効果的に使われているのをミシェル・ルグランの魅惑的な音楽と共に記憶されている方も多いかと・・・。
ヨーロッパ菓子は依って立つ宗教や歴史の影響を強く受けているところが何とも面白い。

本国でも1月1日のマリア様の日を除いた12日までの日曜日に当たる日にお祝いする家庭が多くなり、宗教行事というより家族で楽しむお菓子に変わりつつあるという。
我が家は毎年1月10日の娘の誕生日にこの菓子を焼くことに決めているが、当の本人にフェーブが引き当たったことは数える程しかなく、今年も涙をのんでいた。
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by lime2005 | 2006-01-14 13:30 | お菓子

画家みちとも氏・・・

冬将軍に襲われて冷え切っている日本列島ですが、少しだけ温まってください・・・。

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画家でイラストレーターのみちとも氏からいただいた今年の年賀状。
画家のプライドにかけて、絶対手作り。
毎年干支にちなんだユーモラスな動物が登場してふと気持ちが明るくなる。

現在高松市在住。親友で幼馴染の同級生。
本業は建築関係だが、少し前に廃園になった栗林公園動物園(高松市)グッズのイラストを手がけたこともある。

彼の絵からは独特の温かさが伝わってくる。
気持ちの隅っこにぽっと小さな蝋燭の火が灯るような明るさ、温かさ。

ひとりに秘めておきたくもあり、
誰かに見せずにいられなくもあり・・・。




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これは数年前に送ってくれた葉書。

わいわい賑やか撮影会。
いばりカエルに
すましネコ。
聞き耳ブタくん、
押すんじゃないゾウ~。
シカめっつらはやめて、
はい、チーズ★





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← こちらは園の人気者だった『ナマケモノ』Tシャツ。

    ↓ このデザイン大好き。
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        ↑                                  ↑
     クリスマスポスター                        手作りカレンダー

絵画やデザインを見て人が『心地よい』とか『安らぐ』と言う感覚を抱く対象には健康的で生命の輝きを謳歌しているものがあると思う。彼はそれを描ける人。
どうでしょう、少し温まりましたか?
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by lime2005 | 2006-01-09 06:30 | 日記

最初に出会った水・・・

食器を買うとき、特に陶器は専門知識と器に対する愛情を持った店員のいる店と決めている。時に一目ぼれするような器に出会った時でも、詳細を尋ねると『少々お待ちください』を繰り返す店が多くガッカリさせられることが多いからだ。
もう数年前になるが、行きつけの陶器店で焼き締めの素敵な皿を見つけた。2つ前のスレッドで『新春多喜合わせ』を盛り付けた山鳩色の八寸皿である。
焼き締めの皿は以前に使い方が悪かったのか『しみ』をつけたことがあったので迷ったが、店主が
『使う前にいい水で十分しめらせてから使うと大丈夫ですよ。とにかく最初に出会った水が大事です』
とおっしゃったのが決め手で購入。以来しみとは無縁のおつきあいである。(しみのように見えるのは硬い粘土を使った焼き締め独特の肌合いである)
確かに木のまな板も十分に湿らせてから使うと薄い水の膜が食品の色素や臭いを移り難くくしてくれるあの原理だなあと思った。
あえて『いい水』と表現した店主の器に対する慈しみも心に沁みた。

さらに店主は『お米を研ぐ時はどんな水を使っていますか?』と尋ねるので
『水道水です。炊くときはミネラルウォーター』と答えると、
『研ぐ時からミネラルウォ-ターを使わないと意味がないですよ』とおっしゃる。

米を研ぐ最大の目的は表面についた糠を落とすことだが、極意として、
最初の1回目はたっぷりの水で素早く洗い、2回目からはゆっくり表面の糠を磨ぎ落とすように・・・・・
と言われている。これは最初に出会った水をグンと吸収する時、表面の糠臭さも一緒に吸い込むのを防ぐためである。
そこでどれ程吸い込むのか簡単に計測してみた。
結果、一回目で容積の約15%もの水を一気に吸い込み、後は何回洗ってもわずかに吸収するのみで、店主の『最初に出会った水が大切』の意味が理解出来たのである。
それ以来、我が家のミネラルウォーターの消費量が僅かに増えた。

余談になるが、
最近夫と私の本棚から本が姿を消すことが多くなった。
ハリーポッターと星新一を卒業した長男が大人の本に興味を持ち始めたようなのである。
彼はこの先一体どんな水と出会うのか、楽しみでもあり、心配でもあり・・・。
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by lime2005 | 2006-01-07 06:40 | 日記

お菓子歳時記 Vol.1 菱花びら餅・・・

2006年はお菓子歳時記というテーマで、季節折々の菓子を焼いていこうと思う。その中には作り慣れたもの、初めて挑戦するもの、和菓子、洋菓子、アジアンスイーツと様々なお菓子が登場する予定だが、移り行く季節を感じていただけたら嬉しい。

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新年のお祝い菓子というと、菱花びら餅である。宮中の新年のお祝い料理にも出され、お祝いかちんとも呼ばれている歴史の古い菓子である。また茶道裏千家の初釜に供される菓子としても名高く、新年の寿(ことほぎ)を表わす、雅な姿のお菓子である。

薄く半円に延ばした求肥のなかにほんのり薄紅色に染めた餅、両端に突き出たのが蜜牛蒡、中身はお雑煮の変形と言われているさっぱり味の白味噌餡が入る。
牛蒡は年魚の名のある鮎の見立てとか。

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ほんのりと求肥から透けて見える薄紅色の花弁を菱形に作ることから菱花びら餅の名が。
求肥をしっかり練り上げるのがコツだが、硬く練り上げすぎると食感が悪くなるので、その頃合が難しい。

少しだけ居住いを正して、盆略手前の薄茶でいただきたい御菓子である。

  
   
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by lime2005 | 2006-01-04 06:30 | お菓子

初春、彩り多喜合わせ・・・

お正月はもともと豊饒を司る『歳神様』を迎える行事で、おせち料理は歳神様へのお供え物が始まりだと言われている。だから『節供』。
三が日は主婦が台所に立たなくてもいいようにおせちを作り置くと言われているが、これも諸説あって歳神様をお迎えしている間は煮炊きを慎む・・という説もある。
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写真は今年チャレンジしてみた創作おせち。レシピは なだ万『ジパング』(赤坂エクセル東急)の料理長佐藤茂男さんのもの。東急の生活情報誌salusに掲載されたのを読んだ時から、今年はこれ!と決めていた。
聖護院大根の釜を重箱に見立てた『新春彩り多喜あわせ』。
鮪のアラ1kgでとったスープで大根と中に詰める具を炊き合わせて、餡をたっぷりかけた熱々が美味しい一品。
中に詰めたのはくり抜いた蕪、金時人参、くわい、しいたけ、たけのこ、海老、菜の花。
お正月らしく刻み柚子と金粉を散らす。

直径約15cmの聖護院蕪の中身をくり抜くのは思ったより大変だったが、普段は小蕪で応用できると思った。冬は根菜類の美味しい季節、調味料をぎりぎり控えめにして、蕪の甘味を味わいたい。
## レシピはこちら・・大根の炊き方など勉強になる。
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by lime2005 | 2006-01-02 01:09 | お料理

2006年初春・・・

  あけましておめでとうございます

    今年も皆様にとって良い年でありますように・・・

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私の生れ故郷讃岐の『和三盆糖』で作られた干し菓子。毎年干支絵馬入りのを買ってお正月にいただく。
舌にのせた時のまろやかな溶け具合と高雅な香り、控えめなあっさりとした甘さが特徴。

このお砂糖のようなたくさんの本物と出会える1年でありますように・・・
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by lime2005 | 2006-01-01 00:13 | 日記