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揚琴奏者・石磊(シー・レイ)


e0038778_133408.jpg←こちらは巷のお耽美小説に登場するいたいけなナルシスト的美青年の図ではありません(笑)断じて・・。
中国の才能溢れる前途有望な古楽器奏者、石磊(シー・レイ)さんです。
彼が奏でる揚琴という楽器は400年前の中国の民族楽器で琴線は140本。音域は4オクターブ以上。先端にゴムを巻いた細い竹の撥(チンチェン)でたたいて音を出す、トレモロ奏法が基本の優美な楽器。

一昨年初めてその音色を聴いてからちょっと気になっていた楽器と奏者で、昨晩は二胡と中国打楽器のアンサンブルを聴きました。
音は、ピアノ(チェンバロ)とお琴の中間ぐらいで、大変華やかで色彩感溢れる音。
過去の『未来図鑑』で演奏が聴けるので御興味がある方はぜひ。


揚琴の歴史を辿るとそれはピアノやチェンバロのルーツと言われているイランの楽器『サントゥール』に。 これがシルクロードを経て東に伝来して揚琴となった模様です。

7歳の時から音楽の英才教育を受けて、早くからこの楽器と親しんでいる彼の風貌もどこと無くこの楽器の変遷と重なると感じるのは私だけか(笑)東洋の静に西洋の動が佇んでいるような。

奏でる曲は中国の民謡を中心にクラシックの曲のアレンジや日本の歌曲、と幅広いのですが、温かい情味の中に民族的郷愁に満ちた激しい『歌』を感じさせる素敵な演奏です。

来週の代々木ムジカーザの演奏会は仕事が入っていて行けませんが、ご興味のある方はぜひどうぞ。ちなみに上記の危ない写真の案内葉書はご本人製作だそうです(やはりナル?)
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by lime2005 | 2008-05-30 01:33 | 音楽

TERAKOYA・・・

仕事のお仲間と武蔵小金井にあるフレンチレストラン『TERAKOYA』でランチ。

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e0038778_1155577.jpgまだ武蔵野の面影が残る中央線武蔵小金井駅から徒歩7分。
連雀道りという趣のある名の国道から少し入った閑静な住宅街の中に、かつては料理教室が前身だったことからその名がついたレストラン『寺子屋』はあった。

私も最近教えていただいたばかりだが、この辺りの『はけ』と呼ばれる特徴ある地形の南斜面に建ち、風雅な日本庭園や茶室がメインダイニングの目前に広がるレストラン。

まずはウェイテイングルームで一息。家具調度品はなかなか重厚(笑)
暫くするとダイニングに案内されて、ゆったりとした空間に程よく配置されたテーブルに着く。平日なので3~4組の先客。
コース料理をボルドーの白ワインと共に注文する。


e0038778_1392942.jpgこちらの料理は創作フレンチ、という事でシェフのお手並み拝見。

まずはアミューズ 
フランス産うずらもも肉のポワレ
一口でいただけてしまうような小量だけど味付けは意外やエスニック。
盛り付けも愛らしく。





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涼しげなカット入りデッシュの前菜登場で一同溜息012.gif
ハーブを利かせて焼き上げたすずきをパンケーキに載せて。
初夏の海の香りと味がこんな小さな前菜に凝縮。

左のグラスは海藻と野菜のサラダとわかさぎのフリッター。



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アラカルトの季節のポタージュ。熊本産の睡蓮牛蒡を使った・・との説明に『睡蓮か牛蒡かはっきりして欲しいわね』と突っ込みを入れる先輩達008.gif

生姜風味のジュレがスープの底に忍ばせてあってそっとかき混ぜていただくと爽やかな香りが口に広がる。




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グリエした真鯛と蟹のプロヴァンス風、フィロ包み焼き。
フィロはギリシャ料理で使われている薄いパイ皮でサクサクした美味しさ。
オレンジピールの薄切りの甘酢っぱさがピッタリ。
シェフ、点描が余程お好きなようで(笑)



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牛パヴェット肉(ハラミ)のステーキを山羊のチーズソースでいただく。
真空調理なので柔らかくてとろっとした食感。
コリアンダーの香り引き立つ野菜の付け合せが新鮮。







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デザートは小さいな冷菓の盛り合わせ。
駄菓子屋のお菓子のようなチョコのババロアのミントの利かせ具合が絶妙。









ううぅ~~~~ん。さらさらと流れていく協奏曲を聴いているような(笑)
眼福×口福ながら何処かもどかしさが付き纏う料理達。
何か圧倒的な力に欠けるのである。対象にビシッとくい込む深さとボリュームが欲しい。
まあ、此処からは個人の好みの問題だと思うけれど・・・。
ここのシェフは一度料理したものは二度と同じメニューは提供しないとか。一期一会だったのね(笑)
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by lime2005 | 2008-05-28 01:22 | 寄り道

ヒンデミット『画家マチス』・・・

神奈川フィルハーモニー管弦楽団の第245回定期演奏会を聴く。

朝から夏の日差しが照りつける先週末。午前中は製パンの勉強。午後は食材セミナーに参加。その日のお題はきのこ。新品種の開発とか栄養や健康への機能性の話しをたっぷりうかがい、頭の中にきのこの胞子が飛散している状態で会場のみなとみらいホールへ。

 指揮:ハンス=マルティン・シュナイト
 ソロ・コンサートマスター:石田泰尚

***purogram****

ブラームス   交響曲3番

--intermission--

ヒンデミット 交響曲 『画家マチス』

シュナイト氏×神奈川フィルを聴くのはこの春3回目。
いよいよ定期演奏会。オケの真剣勝負の場ですもの手に汗握ります。

プログラムはブラームスの3番とヒンデミットの交響曲『画家マチス』

ブラームスの3番は人生の秋を思わせる、枯れた情熱を秘めた大好きな交響曲。
シュナイトさんの指揮はゆったりとしたテンポで、この曲に始終付き纏う憂鬱な心の揺れや移ろいが十二分に表現されたブラームス、素敵でした。

でも今回の感動はこちらの曲に・・・

ヒンデミット(1895年ー1963)の交響曲『画家マチス』はドイツ・ルネッサンス時代の宗教画家マチス・グリューネヴァルトの描いた祭壇画の後景をテーマに持つ3楽章の交響曲。
現代音楽と言っても不協和音や調の破壊、崩壊も無い、目前に敬虔な祈りの風景が広がる曲。

シュナイトさんは繊細な音を紡ぎたかったのか、指揮棒を使わずに指揮。
石田氏が率いる弦楽器群の精緻なアンサンブル(これはもう私の中では不動)に管楽器群のつややかな音色が重なって融けあう。交響曲という形をとった宗教音楽のように祈りに満ちた音が広がった怖いぐらい美しい曲でした。

演奏が終わっても暫く誰も拍手をしようとせず長い沈黙ーーーー。そして静かな喝采。

この曲が作曲、演奏された背景にある物語も興味深いし、対をなすアッシジの聖フランチェスコをテーマに持つ『気高い幻想』という曲も聴いてみたい、といろんな興味が広がった演奏会でした。
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by lime2005 | 2008-05-24 01:09 | 音楽

砂肝のコンフィ・・・

コンフィは低温の油脂で煮るフレンチの調理法。冷蔵庫が発達していなかった頃からの伝統的な保存食。油調理なのにビックリするほどさっぱり仕上がって旨みが凝縮。
コツさえつかめばいろんな素材で楽しめます。
我家のブームは鶏の砂肝のコンフィ。コリッとした食感にお酒が進み過ぎ(笑)

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  【材料】

 鶏の砂肝  400g
 塩       大さじ1/2
 こしょう    適宜

 ローリエ   2枚
 にんにく   一かけ
 オリーブオイル他、お好みの油
 ブランデー


  【作り方】

 ① 砂肝はよく洗って水分を拭き取ったら対になっているものを半分に切る。

 ② 白い部分の筋に包丁で切り込みを入れて取っ掛かりをつくり、手で剥く。
   (慣れるとするする剥けますが、思いの他この作業は時間がかかります)

 ③ 皮の方に(薄ピンク色)4~5箇所切込みを入れておく。

 ④ 塩、胡椒をしたら保存容器に入れて2~3時間から半日、冷蔵庫に。

 ⑤ フライパンに砂肝を並べたらかぶるくらいの油を入れて、潰したにんにく、ローリエ
   を入れて、火にかける。

 ⑥ 砂肝からぶくぶくと泡が出てきたら火を弱火にして約15分~20分。時々中を
   かき混ぜながらじっくりと火を入れていきます。(タイマーをかけておいたほうが無難)

 ⑦ 火を止めてそのまま冷めるまで。
   砂肝を取り出して油を漉したらそのままのフライパンをペーパータオルでふき取って
   温め、砂肝をもどし入れて小さじ1のブランデーでさっとフランベして出来上がり。


 ♪・・・使い終わったオイルはそのままもう一度使えます。そのままコンフィの他にも
     油は炒め物に、砂肝スープは洋風の煮物に加えても。

 ♪・・・保存する時は冷ましてオイルごと保存瓶に入れて冷蔵庫で一週間は美味しく
     いただけます。
     小さめの容器でしっかり油につけておいた方が身が硬くなりません。
 


本来は動物性の油脂を使って作る料理だそうですが、サラダ油やオリーブオイルでも遜色なく作れます。

この日はサラダ仕立てにしてポテトのソテーを付け合せ(砂肝オイル使用)、春野菜とレンズ豆のスープ、焼きたてセサミロールの献立。ワインが赤かロゼだったらいう事無しだったのですが(笑)この次はぜひ鴨で試してみるつもり。
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by lime2005 | 2008-05-19 10:08 | お料理

野村発・・・

市場愛好仲間016.gifのきてぃ。さんがこんな新鮮野菜を送って下さった。
野村発・・でも野村って何処??という人は此処を。
ちなみに送り主は此処で製糸、染色、織物の勉強を続けていらっしゃるチャーミングかつしっかりものの女性。

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野菜には生産者の名前と値段のラベルが貼られたままで、その安さに仰天。たぶん送り主は気遣いの無いようにとそのままに送って下さったのね(笑)この野菜が首都圏のスーパーに並ぶ頃には輸送費と冷蔵庫の電気代とそれぞれ人件費がかっちり載せられるので仕方ないけれどね007.gif

柑橘類は左が美生柑(みしょうかん)、右のこぶ付が三宝柑。どちらも初めていただいたのですが、味が濃くて果汁もたっぷり。甘味だけじゃなく酸味もきちんとあって美味しかったです。さすが伊予柑に代表される柑橘王国愛媛。たぶん生産量はそれ程多くない品種なので、首都圏には出回る事無く、地元や関西地区でひっそり食べられているのかな、と。

野菜は生の蕨、蕗(野蕗に近い)、それに茗荷である。
蕨は重曹であく抜きして半分は山菜ご飯に、半分は炒め物にしてみました。
普段は水煮のものを買うのですが、味も香りも別物ですね。堪能しました(笑)

茗荷はそのままにしておくと葉っぱが出てくる茎葉のほうのミョウガタケ。(普段いただいているコロンとした形のは花茎のほう)さっぱりとした辛味にさっと茹でて焼き魚の前盛りと味噌汁の吸い口に。

蕗はさっと青煮、、、と思ったらこれが大失敗。

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見た目は柔らかそうな細目の愛知蕗という感じだったので、出汁でさっと煮て冷まして煮汁につけて置く青煮にして、せっかくの色もご馳走にしようと思ったのですが、敵はほとんど野蕗(爆)
結局もう一度じっくり時間をかけて佃煮風に煮て大成功。





写真は失敗した青煮の方ですが少し筋っぽい以外は味も香りも強く、普段如何に水っぽい蕗をいただいていたかが良く判る一品に。高野豆腐と炊き合わせて母の庭に香っていた山椒の若芽をたっぷり載せて。

さて、この愛媛うまいもの便を届けてくださった郵便局職員の方が
『野村なんて懐かしくって・・・』と遠い目でおっしゃるのでお聞きしたら
『数年間でしたが此処で仕事をした経験があって・・・凄く良い思い出ばかりだったから・・』と。
妙縁な野村繋がりに夫愛用の日本地図を広げて位置確認。そのうちに父の墓参りを兼ねて訪ねてみたいな、野村。きてぃ。さん、010.gifありがとう~。
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by lime2005 | 2008-05-17 02:02 | お料理

シューマン2・・・

やっと更新、それにしても寒いですね!!
初夏のような陽気になったかと思いきやこの2日程は春先の天気に逆戻り。
おまけに季節はずれの台風まで。5月の天気はまったく気まぐれ~。

連休前半は恒例の「熱狂の日」音楽祭2008~東京、有楽町国際フォーラムで開催されたラ・フォルジュルネ・オ・ジャパンに参加。シューベルトと遊んできた。
今年は3日の午後から夜半にかけてのチケットを取って宗教曲2曲、ピアノ曲、レア物の歌曲と5枠程聴いたのですが、残念ながらどの演奏も感動には遠かった。

演奏、聴衆双方が『熱狂』するにはもう少し演奏側にゆとりあるプログラムが必用なんじゃないか、とこの日の3回目のステージの最終プログラムでかっ飛びのピアノ伴奏を披露したピアニストに思いました。もっとも無料公演を合わせて400公演あった中の5公演ですから、巡り会わせが悪かっただけかもしれませんが(・・と自らを慰め)

その不完全燃焼を吹き飛ばしてくれたのが、
先週末の神奈川フィル×シュナイト氏の『シューマン2』でした。

春雨そぼ降る中、珍しく自分から聴きたいと言って来た息子と神奈川県立音楽堂で待ち合わせ。学生にはA席1000円均一と言う厚遇の神奈フィルで嬉しい。

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 指揮:ハンス=マルティン・シュナイト

***purogram****

ブラームス セレナード第2番 イ長調

--intermission--

シューマン:交響曲第2番 ニ長調


一回目のオールシューマンプログラムに次いで今回は前半がブラームス。
セレナードの2番を聴くのは初めて。
弦はバイオリンが全く登場しない、ヴィオラ以下の低弦だけで演奏される曲。ブラームスの曲で他にドイツレクイエムの第一楽章が同じくヴァイオリン無し。
ブラームスらしい重心の低い渋い響と管楽器群の柔らかい快活な音が融合した春の平和でちょっと気だるい午後の景色。アダージョの第3楽章がとても魅力的な曲。
演奏は透明な響に胸打った管楽器&ヴィオラ陣頑張っていらっしゃいました(笑)

後半のシューマンの2番。
これも初めて聴く曲。シンフォニーなので一度は聴いておきたかったけれど時間切れ。
素晴らしかったです!!!!!!!  
シュナイトさんのメリハリの利いた生命力溢れる音の創出。
本来シューマンの曲って色で言うとグレーシュトーンなんだけれど(だから春に聴きたくなる)もっと季節が進んで万緑満ちて輝く、そんなシューマン。
演奏は全身楽器化(初めてだわ、あんなに身体全体でヴァイオリンを奏でるひと・笑)した石田氏がぐいぐい弦を引っ張ってまたもや大健闘。キリっと音が立つ、スタイリッシュな演奏を披露してくれた。特に最終楽章の躍動感とスピード感っといったら(笑)
きっとシュナイトさん自身もやりたい事を成し遂げた満足の演奏会だったに違いない。

やはりシューマン、ブラームス、大好きだなあ。聴き手を『彼方』へと誘ってくれる音楽♪

さて、6月のシューマン3、フランクフルト放送交響楽団(正式にはhr交響楽団)×ヤルヴィのブラームス全集と重なり涙を呑んで諦めです。

しかし、灯台もと暗しだったとは(笑)神奈川フィル、シュナイト氏、石田泰尚、このカップリングは今後も目が離せなくなりました。
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by lime2005 | 2008-05-09 00:59 | 音楽

憂春・・・

5月5日は立夏、もう暦の上では夏。
連休中のあれこれはゆっくり書くとして、先月末から忙しくてアップ出来なかった日記。

大好きな岩村蓬さんの詩を、逝く春の風景と共に味わって下さい。

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  春光を閃光として回転扉   

          八重桜腥きまで陽は満ちて   

                    風の道狭めて閉ぢて八重桜     蓬
        
八重桜の咲く頃は空に明るい光が満ちてくる。
だからこの花はソメイヨシノのように遠くから眺めるよりも花のすぐ下で風や透ける陽光を感じるのが好き。ぼったりと重そうに咲く姿は決して優雅とは言えないけれど詩の『腥(なまぐさ)きまで』にハッとしつつ春の名残を楽しむ・・・。

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   遅き日の樹に向きて木の言葉待つ 

            虚空より青葉を賜ふ初嵐 

                     遍き陽若葉濃淡もて応う          蓬


この3句は詩作の時期はそれぞれだったのを時間を追って並べてみた。
『遅(おそ)き日』は遅日(ちじつ)とも言い、短かった冬の日が伸びる早春。
春の嵐が連れてきた若芽が遍(あまね)く降り注ぐ陽の光を照り返す。
なんて柔らかな生まれたての緑だろう。ほら、季節が詞の上をゆっくりと進む。



e0038778_15262361.jpg私の通勤路・・・
八重桜と若葉のトンネルを抜けるとこの道に出る。
銀杏若葉とつつじのコントラストは
期間限定の造形展。
この季節この道を駅に向かう楽しさと言ったら・・。

石階に微塵の光春惜しむ

花鳥図にとどまる春をまた愁う
                 蓬


蓬氏の詩に降り注がれている春の柔らかな微光。
その一筋の光は読むものを『すゑまぼろし』の世界へと導いてくれる。
其処はふと迷い入りそうな幽界・・・。
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by lime2005 | 2008-05-07 07:06 | 日記