<   2009年 06月 ( 4 )   > この月の画像一覧

金聖響の絶品ハイドン・・・

神奈川フィル第254回定期演奏会を聴く。

e0038778_19115.jpg  指揮 金聖響

***purogram****

武智由香  オーケストラのためのEaux Lumieres Temps
(オ・ルミエール・タン)
ハイドン   交響曲第100番ト長調「軍隊」

-------intermission---- 

ワーグナー 楽劇「トリスタンとイゾルデ」より
前奏曲と愛の死
ドビュッシー 交響詩「海」

 -------encore------
 
ドビュッシー 小組曲 小舟にて


開港150年を迎えて記念行事が続く横浜。
このコンサートのテーマ『海』にちなんだ選曲で、私にとっては初聖響氏となる楽しみな演奏会。

武智由香さんのオーケストラのためのEaux Lumieres Temps(オ・ルミエール・タン)は世界初演らしい。
1部は屈折した海中の光の中を悠々と泳ぐ魚達~2部は海面の波と風と太陽を~3部はそこに流れる悠久の時間を・・・との解説が。
楽器に与える一音一音を絵筆に、水の中から生まれいずる3枚の絵を見るような素敵な曲だった。。

続くハイドン交響曲100番『軍隊』は『時計』『驚愕』に続いてよく演奏される親しみ易い曲で本日のメインデッシュ(笑)
私の持つハイドンの交響曲のイメージというと『古典的均整』と『健康的』でついつい敬遠(笑)、今まではどんな演奏を聴いても書斎に掛かった泰西名画の枠を出ないのが残念だったが、聖響氏のハイドンはちょっと違った。

まず古典的均整の方は堂々とした風格ある演奏だったし、健康的にも申し分なかった・・と言うと私的には決して誉め言葉ではないだけれど、いつもより音が冴えて立ち上がって、力強く美しかった。
もともと神奈フィルは弦楽器の高音~中音はよく鳴るオケなんだけれど他のパートは音量も音質もいつも不満が残る演奏が多かった。でも今日はオケ全体が音響体として良いバランスで鳴って凄く心地良かったし、売りの打楽器(軍隊用・笑)も凄く頑張っていた。トライアングル、ちょっとこけていた??(笑)
聖響さんのハイドンはこんな病める時代に逆説的解毒作用としてじんわりと身体に染み込んでくるようなすがすがしさが好印象、絶品ハイドンでした。

休憩を挟んでワーグナーとドビュツシー。
これを続けて聴くのは無理がないかい?という突っ込みは別にして(笑)・・・
何でもワーグナーがオペラ「トリスタンとイゾルデ」を作曲した年が横浜開港の年だったと言う事で選曲されたらしいが、同じ『うつろい』を表現して、一方は人の愛と哀しみに、一方は大自然の翳と光に・・と聖響氏の指揮棒が冴えていた。

何より私兵に対峙して大きく距離を詰めようとする聖響氏の熱意が痛いほど伝わる演奏会だったように思う。
[PR]
by lime2005 | 2009-06-28 19:31 | 音楽

梅仕事・・・

入梅して一週間、降りみ降らずみの空模様が続いています。
今年も梅仕事の季節。
梅酒は梅雨入り前の青梅で黒糖を使ってブランディー漬けにする我家流。
そして今年の梅干は友人P様宅の庭の梅で。
木でほんのり熟したものをお願いして送っていただき更に3日程追熟&アク抜き後、淡黄色の甘い香気を放つ黄梅を3キロ漬け込み完了です。本日無事梅酢が上がってきました。
e0038778_1472993.jpg

梅干作りはこの梅酢が上がるまでが勝負どころ。塩は多くても少なくてもダメなんです。
私は昔ながらの塩加減『梅一升に塩2合』ですから約18%と高めですが失敗知らず。
最近は減塩ブームで10%以下なんていう市販品を目にしますが添加物に要注意です。本来の保存食としての本命を失った食べ物としか思えないからです。塩梅とは『過不足ない程よい加減』のまさに梅と塩の関係を言うのだなあと改めて思います。

この梅干作りの思わぬ副産物が梅酢。これが中国から伝わった調味料としての『酢』の元祖と言われています。
今は漬け込んだばかりなので『白梅酢』ですが、この後赤紫蘇を加える予定なので『赤梅酢』も加わり紅白で楽しめます。和え物やドレッシングの酢にはもちろんの事、大根やカブを真冬にほんのり紅色に染め上げる楽しさと言ったら・・・。
効能も、防腐、食欲増進、健胃整腸、疲労回復・・・・最近では焼き梅干に血液サラサラ効果まで。

P様宅の梅は広いお庭で四季折々の草花を愛でながら喜びの内に鈴なりの実を結実させるのだろう。
去年漬けた実を少しお裾分けしていただいてふっくらとして美味しかった事。同じように漬けられるといいけれど・・。

長雨に向けて、梅仕事を『自然のしるしに応え、人の歩みを導く、知る人ぞ知る喜び・・』と書く辰巳芳子さんの本を読み始めた。 
[PR]
by lime2005 | 2009-06-22 01:48 | お料理

マカロンとフォロー・ミー・・・

来客あり、で用意したお茶菓子は新宿伊勢丹のセバスチャン・ブイエのマカロン達。

e0038778_1223336.jpg

この御菓子は私を遠い過去に誘ってくれる。
学生時代に見た『フォロー ・ミー』 という イギリス映画で主人公の探偵が頬張っていたのがこのマカロン。
彼のポケットの中にはいつも手作りのマカロンが。こんなにカラフル・チャーミングじゃなかったけれどね(笑)

『第3の男』のキャロル・リード監督作品で、くたびれた中年夫婦の冷めた結婚生活がマカロン好きの探偵の妙案で救われる、そんな物語だったが、当時の私に理解出来るハズも無く・・・
竹内まりやの『冷蔵庫の中で~♪ 凍りかけた愛を~♪温め直したいのに~♪』なんて歌が流行ったけれど、まさにテーマはそれだったと今になって実感(笑)

ちなみに自分でも作る事があるけれど、甘さ控えめコーヒークリーム味。真冬にお裾分けする事しばしば。
何故って、カスタードクリームで卵黄を消費したら、余った卵白分のマカロンを作りたくなる。そう、この歌を口づさみながら・・・。

    『見飽きたはずのあなたでも、
                   いとしい、
                      my sweet sweet home~♪』
[PR]
by lime2005 | 2009-06-10 08:22 | お菓子

キッチン・ストーリー・・・

ぽっかり空いた休日はDVD&読書&昼寝があり難く身に沁みる・・。
そのタイトルに惹かれて観た『キッチン・ストーリー』(ノルウェー・スウェーデン合作)はオジサン同士の友情の《扉》物語だった。
キッチンが舞台なのに、料理はおろか、スタイリッシュな北欧インテリアやキッチン・グッズが登場するわけでもなく、主人公がするのはお湯を沸かすことぐらい・・・。

e0038778_2333739.jpg物語は・・・
主人公イザックは独身の一人暮らしの初老。その狭いキッチンに『独身男性の台所における行動パターン』を調査する調査委員の男性が送りこまれる。キッチンの隅に置かれたテニスの審判台のような高椅子に座ってイザックの行動を逐一記録する中年男フォルケ。調査上の契約から対象者と口を利いたり接触するのは固く禁じられている。
もともと景品の《馬》目当てで応募したこの調査だったのに、実際手にしたのは木馬の人形だった事から、調査に協力どころか抵抗を示すイザック。それでも淡々と仕事をこなすフォルケにやがて小さな変化が現れる・・・。

他人に関らない、干渉しない、深入らない・・・そんな人間関係が増えているように思う。
傷づつけたくない、傷つきたくない・・と言えば聞こえは良いが、臆病な保身にしか思えない。
きっと映画の舞台の北欧だって同じなんだろう~。この映画はそんな高みの見物的な関係では本当の友情は築けない事をこっそり教えてくれているように思う。
深刻ぶらならないで、《友情なんて今更~》という中高年のスローライフ・メルヘンに仕立ててあるところが素敵な映画である。
[PR]
by lime2005 | 2009-06-09 07:50 | 日記