金聖響の絶品ハイドン・・・

神奈川フィル第254回定期演奏会を聴く。

e0038778_19115.jpg  指揮 金聖響

***purogram****

武智由香  オーケストラのためのEaux Lumieres Temps
(オ・ルミエール・タン)
ハイドン   交響曲第100番ト長調「軍隊」

-------intermission---- 

ワーグナー 楽劇「トリスタンとイゾルデ」より
前奏曲と愛の死
ドビュッシー 交響詩「海」

 -------encore------
 
ドビュッシー 小組曲 小舟にて


開港150年を迎えて記念行事が続く横浜。
このコンサートのテーマ『海』にちなんだ選曲で、私にとっては初聖響氏となる楽しみな演奏会。

武智由香さんのオーケストラのためのEaux Lumieres Temps(オ・ルミエール・タン)は世界初演らしい。
1部は屈折した海中の光の中を悠々と泳ぐ魚達~2部は海面の波と風と太陽を~3部はそこに流れる悠久の時間を・・・との解説が。
楽器に与える一音一音を絵筆に、水の中から生まれいずる3枚の絵を見るような素敵な曲だった。。

続くハイドン交響曲100番『軍隊』は『時計』『驚愕』に続いてよく演奏される親しみ易い曲で本日のメインデッシュ(笑)
私の持つハイドンの交響曲のイメージというと『古典的均整』と『健康的』でついつい敬遠(笑)、今まではどんな演奏を聴いても書斎に掛かった泰西名画の枠を出ないのが残念だったが、聖響氏のハイドンはちょっと違った。

まず古典的均整の方は堂々とした風格ある演奏だったし、健康的にも申し分なかった・・と言うと私的には決して誉め言葉ではないだけれど、いつもより音が冴えて立ち上がって、力強く美しかった。
もともと神奈フィルは弦楽器の高音~中音はよく鳴るオケなんだけれど他のパートは音量も音質もいつも不満が残る演奏が多かった。でも今日はオケ全体が音響体として良いバランスで鳴って凄く心地良かったし、売りの打楽器(軍隊用・笑)も凄く頑張っていた。トライアングル、ちょっとこけていた??(笑)
聖響さんのハイドンはこんな病める時代に逆説的解毒作用としてじんわりと身体に染み込んでくるようなすがすがしさが好印象、絶品ハイドンでした。

休憩を挟んでワーグナーとドビュツシー。
これを続けて聴くのは無理がないかい?という突っ込みは別にして(笑)・・・
何でもワーグナーがオペラ「トリスタンとイゾルデ」を作曲した年が横浜開港の年だったと言う事で選曲されたらしいが、同じ『うつろい』を表現して、一方は人の愛と哀しみに、一方は大自然の翳と光に・・と聖響氏の指揮棒が冴えていた。

何より私兵に対峙して大きく距離を詰めようとする聖響氏の熱意が痛いほど伝わる演奏会だったように思う。
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# by lime2005 | 2009-06-28 19:31 | 音楽

梅仕事・・・

入梅して一週間、降りみ降らずみの空模様が続いています。
今年も梅仕事の季節。
梅酒は梅雨入り前の青梅で黒糖を使ってブランディー漬けにする我家流。
そして今年の梅干は友人P様宅の庭の梅で。
木でほんのり熟したものをお願いして送っていただき更に3日程追熟&アク抜き後、淡黄色の甘い香気を放つ黄梅を3キロ漬け込み完了です。本日無事梅酢が上がってきました。
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梅干作りはこの梅酢が上がるまでが勝負どころ。塩は多くても少なくてもダメなんです。
私は昔ながらの塩加減『梅一升に塩2合』ですから約18%と高めですが失敗知らず。
最近は減塩ブームで10%以下なんていう市販品を目にしますが添加物に要注意です。本来の保存食としての本命を失った食べ物としか思えないからです。塩梅とは『過不足ない程よい加減』のまさに梅と塩の関係を言うのだなあと改めて思います。

この梅干作りの思わぬ副産物が梅酢。これが中国から伝わった調味料としての『酢』の元祖と言われています。
今は漬け込んだばかりなので『白梅酢』ですが、この後赤紫蘇を加える予定なので『赤梅酢』も加わり紅白で楽しめます。和え物やドレッシングの酢にはもちろんの事、大根やカブを真冬にほんのり紅色に染め上げる楽しさと言ったら・・・。
効能も、防腐、食欲増進、健胃整腸、疲労回復・・・・最近では焼き梅干に血液サラサラ効果まで。

P様宅の梅は広いお庭で四季折々の草花を愛でながら喜びの内に鈴なりの実を結実させるのだろう。
去年漬けた実を少しお裾分けしていただいてふっくらとして美味しかった事。同じように漬けられるといいけれど・・。

長雨に向けて、梅仕事を『自然のしるしに応え、人の歩みを導く、知る人ぞ知る喜び・・』と書く辰巳芳子さんの本を読み始めた。 
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# by lime2005 | 2009-06-22 01:48 | お料理

マカロンとフォロー・ミー・・・

来客あり、で用意したお茶菓子は新宿伊勢丹のセバスチャン・ブイエのマカロン達。

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この御菓子は私を遠い過去に誘ってくれる。
学生時代に見た『フォロー ・ミー』 という イギリス映画で主人公の探偵が頬張っていたのがこのマカロン。
彼のポケットの中にはいつも手作りのマカロンが。こんなにカラフル・チャーミングじゃなかったけれどね(笑)

『第3の男』のキャロル・リード監督作品で、くたびれた中年夫婦の冷めた結婚生活がマカロン好きの探偵の妙案で救われる、そんな物語だったが、当時の私に理解出来るハズも無く・・・
竹内まりやの『冷蔵庫の中で~♪ 凍りかけた愛を~♪温め直したいのに~♪』なんて歌が流行ったけれど、まさにテーマはそれだったと今になって実感(笑)

ちなみに自分でも作る事があるけれど、甘さ控えめコーヒークリーム味。真冬にお裾分けする事しばしば。
何故って、カスタードクリームで卵黄を消費したら、余った卵白分のマカロンを作りたくなる。そう、この歌を口づさみながら・・・。

    『見飽きたはずのあなたでも、
                   いとしい、
                      my sweet sweet home~♪』
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# by lime2005 | 2009-06-10 08:22 | お菓子

キッチン・ストーリー・・・

ぽっかり空いた休日はDVD&読書&昼寝があり難く身に沁みる・・。
そのタイトルに惹かれて観た『キッチン・ストーリー』(ノルウェー・スウェーデン合作)はオジサン同士の友情の《扉》物語だった。
キッチンが舞台なのに、料理はおろか、スタイリッシュな北欧インテリアやキッチン・グッズが登場するわけでもなく、主人公がするのはお湯を沸かすことぐらい・・・。

e0038778_2333739.jpg物語は・・・
主人公イザックは独身の一人暮らしの初老。その狭いキッチンに『独身男性の台所における行動パターン』を調査する調査委員の男性が送りこまれる。キッチンの隅に置かれたテニスの審判台のような高椅子に座ってイザックの行動を逐一記録する中年男フォルケ。調査上の契約から対象者と口を利いたり接触するのは固く禁じられている。
もともと景品の《馬》目当てで応募したこの調査だったのに、実際手にしたのは木馬の人形だった事から、調査に協力どころか抵抗を示すイザック。それでも淡々と仕事をこなすフォルケにやがて小さな変化が現れる・・・。

他人に関らない、干渉しない、深入らない・・・そんな人間関係が増えているように思う。
傷づつけたくない、傷つきたくない・・と言えば聞こえは良いが、臆病な保身にしか思えない。
きっと映画の舞台の北欧だって同じなんだろう~。この映画はそんな高みの見物的な関係では本当の友情は築けない事をこっそり教えてくれているように思う。
深刻ぶらならないで、《友情なんて今更~》という中高年のスローライフ・メルヘンに仕立ててあるところが素敵な映画である。
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# by lime2005 | 2009-06-09 07:50 | 日記

こげぱん講師始動・・・

激動だった5月も今日で終わり、ようやく日常生活にもゆとりが出るようになりました。
5月、製パンの講師始動~。
150人程の生徒さんを担当、何とか無事に終えたものの、今までお料理一本でやってきて製菓や製パンは趣味程度にとどまっていただけに、技術も知識も未熟でどうなるかと冷や汗ものでした。

e0038778_263247.jpgまずはレシピ通りに焼いてみる。来る日も、来る日も・・・。
次にあえて崩して焼いてみる。水分量を多くしたり、少なくしたり、こね方を変えたり。
更にアレンジ。此処まで来ると少し自分でも楽しめるようになる。
腰も肩も手指も勤続疲労で根を上げる頃、ようやくどうにか形になって来た気がするが、まだまだ経験値不足で、焼く度にお顔の違ったパンが・・(笑)ほら、少し前に『こげぱん』ブームがありましたよね。とあるパン屋さんがうっかりカマドの中に取り残して、焼きすぎて黒ずみ、すっかりパン人生をあきらめてしまった「こげぱん」。そのやさぐれた根性がラブリーな癒しキャラ。あれが脳裏を過る日々でした(笑)


こねる⇒第一醗酵⇒ガス抜き⇒分割・丸め⇒ベンチタイム⇒成型⇒第二醗酵⇒焼成

これが大まかな製パンのプロセスですが、
ふとこれは子育てそのものじゃないか!!!と気が付いたのです。お子様がいらっしゃらない方は御自分とご両親の関係を思い浮かべてみて下さい。

こねる・・・・
三つ子の魂・・なんて言いますが、パン(人として)の良し悪しを決定づけるしつけのプロセス。
ですから容赦は要りません(笑)ひたすらこねる、こねる、こねる・・時にたたく、延ばすで15分ぐらい。


第一醗酵⇒ガス抜き⇒分割・丸め⇒ベンチタイム・・・・
ここは押したり引いたり。思春期ですから(笑)
特にガス抜きとかベンチタイムは後の成型に(人生に)大いなる影響を与える大切な引きのプロセス。
実際焦らず生地を充分休ませてやると、延びの良い美しいパンが出来上がります。


成形⇒第二醗酵⇒焼成
子育て最終段階、もう親として手出しは出来ません。優しく・・いやもとい、ジリジリしながらも見守るしかありません。うっかり口なんて出してしまったら誰の為の人生か勘違い、自立の足を引っ張って泥沼です(経験者)
最後は綺麗にお色直しをさせて送り出します・・・・・180度のかまどの中。

な~~んて事を考えながら初めての教室で生徒さんの作ったパンがオーブンから出て来た瞬間の感動は忘れられません。何だか全部吹き飛んでしまってこげぱん講師冥利に尽きる瞬間でした。
『さあ、焼き立てを召し上がって下さい!頑張ったあなたと、偶然その空間に居合わせた人だけの至福のお味ですよ!!』
そう、一番伝えなきゃいけない事はパン作りを愉しみましょう!!!でしたわ。
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# by lime2005 | 2009-05-31 01:49 | 日記

あえて、小さなオペラvol.2 ・・・

葉桜が初夏のような太陽に反射して眩しかった先週末。
マスカーニのオペラ『カヴァレリア・ルスティカーナ』を両国のシアターX(カイ)で観る。
(・・・とこの記事を書いている最中にPCトラブル発生、そのまま愛機はメンテナンスに007.gif・・・)
4月9日(木)~11日(日)の3公演ともほぼ満席完売の盛況ぶりで私は10日の公演を鑑賞する。

e0038778_1594666.jpg『あえて、小さなオペラ』と題した、昨年の『魔笛』に続くvol.2。

作曲 : ピエトロ・マスカーニ
音楽監督・指揮 : 天沼裕子
演出 : 藪西正道

キャスト
サントゥッツァ : 菅有実子
トゥリッドゥ : 大澤一彰
アルフィオ : 馬場眞二
ローラ : 小倉牧子
ルチア : 大国和子
シチリア島の人々 : 中川越百 川原千晶 佐藤貴子
高橋安紀 大山綾子 藤川亜悠子
亀岡聖子 紺野由香里 志田雄二
安保克則 斉藤洵 新井健士

アンサンブルΧ : 長明康郎(チェロ)
           鈴木結佳(クラリネット)
           真島圭(ピアノ)

憂愁を湛えた美しい間奏曲が一人歩きしている感のあるこのオペラの舞台は地中海のシチリア島。
コッポラ監督の『ゴッドファーザー・パートⅢ』にはコルリオーネ一族の3代目の長男がオペラ歌手としてデビューするシーンがあって、まさにこの『カヴァレリア・ルスティカーナ』を上演中に劇中殺人が起こったのを憶えていらっしゃる方も多いのでは・・。

会場は客席も含めた面積の半分が舞台に設えてあって、登場人物は客席からも出入りするので臨場感溢れる舞台を楽しむ。
舞台上手に主人公トゥリッドゥ の母ルチアが経営する酒場、下手に教会の扉。
のどかなシチリア島の小さな村の復活祭の朝に事件は起きる。
二組の、夫婦と恋人達の糸が絡まり、不信、怒り、絶望、報復へとドラマが進んで行く。
その間、村人達には静かで平和な日常。教会のミサが敬虔に執り行われ、復活祭の酒宴が始まる。追い詰められた主人公は決闘を申し込んで破滅の人生を選び取るという悲劇である。

これまでに何度か観たカヴァレリアの舞台は理性が勝った抑制の効いたものが多かったが、この小さなオペラにはシチリア人の激情した熱い血潮・熱気が伝わって来た。
サントッツア役の管有実子さんのメラメラ燃える青白い炎の歌唱に、捨てられた田舎娘の未練と絶望がねっとり表現されて説得力があったし、ルチア役の大國和子さんはドラマをキリリと引き締める役どころと馥郁とした包容力のある歌唱が素晴らしかった。
難点は主要登場人物を除くシチリア島人合唱団(と名付けてみました)がその無添加ネイチャー風なサラサラとした衣装に準じた薄い合唱しか聴かせてくれなかった事でしょうか。もっと俗っぽく、土着っぽく、群集のエネルギーを感じる分厚い合唱が聴きたかったです!!!アルプスの山小屋をバックに歌っている訳ではありませんからね~♪

歌や演技に増して音楽が熱かった。フルオーケストラをクラリネットとチェロとピアノだけで表現、編曲をされた天沼さん自ら指揮をされた。普通オペラの指揮はオーケストラボックスのピットに納まるので観客からは指揮姿が見えないのですがそこはちいさなオペラ。奏者共に舞台手前中心に位置してキビキビと指示出しをする指揮姿を目の当たりに出来たのがラッキー。やはり指揮者って本番は全身肉体重労働者(笑)

配布パンフによると『あえて、ちいさなオペラ』シリーズを『両国オペラ』と名付けたら?の案が密かに持ち上がっているらしいが大賛成!!!
もともと演劇用に作られた劇場空間ゆえに、制約や障害も多いかと思うのだが、創作意欲が伝わる作品をその分こちらも期待できるメリットが。ぜひ次回はレオンカヴァルロの『道化師』を所望!!(笑)
それに今年の夏はあ・の・魔笛が装いも新たに帰って来ると風の噂に聞き、益々目の離せない両国である。
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# by lime2005 | 2009-05-20 09:59 | 音楽

2ヶ月ぶりに・・・

皆様大変大変無沙汰いたしております。

暫く愛機を修理に出していたり、仕事で春から製パンの教室を受け持つ事になってその準備やらで落ち着かない日々を過していました。
新緑が日、一日と深く濃くなって青葉若葉から洩れる陽の光が眩しい季節はもう初夏・・。

先日、と言っても10日程前でしょうか久しぶりに東京で虹を見ました。
春の虹なんて珍しいですよね。だって虹は夏の風物詩とばかり思っていましたから。
遠くにくっきり鮮やかな夏の虹とは対照的にぼんやりした淡い虹が妙に近くで、ふっと浮んではたちまちに消えて無くなる印象、それが春の虹です。

俳句の季語では『初虹』とも言って(その年に初めて見る虹)はかなさゆえに印象深く心に留め置く言葉の代名詞として詩人にも好まれたようです。

 青苔や膝の上まで春の虹  一茶
 春の虹そのあと暫し足洗ふ 野澤節子

 『膝の上まで』に一茶のお茶目さが(笑)
 足を洗うのは農作業の合い間でしょうか、それとも。艶かしさが淡い虹色に重なります。
   

ちなみに『虹』の字の虫は蛇を意味していて、工は貫くという意味があるそうす。古代中国の人にとっては天空を突き抜けるように泳ぐ大蛇がイメージだったのでしょうか(笑)英語のrainbow、雨の弓橋の方がピッタリくる感じがします。

ふと立ち止まらないと見えない・聴こえない・感じないものを大切にしながら、また心に残った四季折々の事を
書き留められたらと思います。

また遡って春の出来事も書きたいと思っています。
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# by lime2005 | 2009-05-20 09:57 | 日記

日本の染め色展・・・

月末に年度末の組織改変が加わって職場に泊り込みしたいほどの忙しさでブログ放置、失礼いたしました。

3月の中旬、織姫Kさんのお誘いで、『とらや』東京ミッドタウン店内のギャラリーで開かれている『日本の染め色展』に出かける。

京都伏見の『染司よしおか』五代目当主の吉岡幸雄氏(Kさんの染色の先生でもある)が、日本古来の植物染めにこだわって研究、染めあげた布の数々を拝見する。

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会場の空間を彩る鮮やかな暖簾の奥にいらっしゃるのが吉岡さん。初めてお会いた印象は京言葉が耳に柔らかい、職人と言うより学者様(笑)

暖簾の下には植物染めの主な材料と染色した布が配置されそのひとつひとつをじっくり眺めながら鑑賞。
少し離れて眺めるとコーナー全体の醸しだす雰囲気と空間デザインが見事な事に気付く。
伺うと、成田国際空港第2旅客ターミナルビルサテライト 到着コンコース のデザインを担当されているとか。ぜひこちらも足を運びたいところ。

e0038778_2151138.jpg紅花で染めた『今様色(いまよういろ)』

平安貴族のトレンドカラー(しかも階位外の間色)はこんなに鮮やかな紅色だったのか。

この紅花、源氏物語には《すゑ摘む花》として登場して源氏を驚愕、落胆させている(笑)



e0038778_217363.jpgご存知藍(あい)。蓼藍(たであい)という植物で染めた藍はその工程で数限りない青色が染まるそうだ。
Kさんが勉強中、藍染の工程をレポートしてくれた時はドキドキした。その独特の言葉にうっとりした。
藍染には葉を腐らせ醗酵させて蒅(すくも)にする方法と灰で沈殿する方法がある事もその時知った。
藍は建てる。甕に藍の華が建つまでじっと待つ・・・。


e0038778_2232797.jpgどうして紫が階位的に高貴だったかが氷解。会場で買い求めた吉岡さんの『源氏物語』の色辞典によると、紫草の根(紫根)で染める、希少かつ高価な染色材料だったため、紫根染めの衣装をまとえる貴族は権力財力の象徴だったと・・。
紫のゆかりの色にもえいでし花のえにしの忘れらくなに・・・平安貴族の恋物語『源氏物語』はそのまま紫のものがたりだと吉岡さんはお書きになっている。


他にも矢車の実で染めた鈍色とか、胡桃色、刈安色・・・・などなど。

e0038778_2321845.jpg会場には小さなショップコーナーもあり、小物類が並べられている。
Kさん曰く、同じ値段で買うなら『紫』はお買い得なのよ!!と、紫根のところですでに学習(笑)
どの小物も丁寧に、繊細に作られているものばかりでため息が出る。
会場が虎やだけに餡子の材料小豆染めの袱紗発見(笑)。媒染(色を定着させる作業)の違いで2色の小豆に染まった布が興味深かった。



e0038778_2323254.jpg中でも一番目をひいたのはこちらのスカーフ。
実は2枚の絹布を合わせてあって、その片側だけに染色されていると手にとってみて判明。
柔らかい色合いと絹糸の細さは今まで目にした事のない逸品016.gif
もちろんお値段もね(笑)
洋装でも和装でも主たる衣装を引き立ててくれそうな色と風合いが見事でした(咽から手!)



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鑑賞後は隣のトラヤカフェで休憩。重ねの色目を表現した羊羹は今回の『日本の色展』オリジナル。甘さ控えめの上品な羊羹でございました。

お忙しい帰省の合間をぬって誘ってくださったKさんと、突然のお誘いにも快くお付き合いしていただいたTさんに感謝。次は江戸小紋工房探訪ですね!!!
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# by lime2005 | 2009-03-24 02:01 | 寄り道

花衣・・・

新しいスキンお試し・・でもちょっとド派手につき期間限定(笑)

日、一日と空が明るく明度を増して春本番もすぐそこという感じ。
本日朝の満員電車が心なしか空いていたように思えたのは揃って着ぶくれていないからね(笑)そんな私もジャケット一枚。
そうなると心も軽く春物のふんわり明るい洋服に目が行ってしまいます。
先日、アウトレットで(超~ご近所の)見つけた、花びらが舞い降りたワンピース。

e0038778_2145380.jpg残念ながらワンピースとしては丈が短かすぎて着られないので更に丈を5cmばかりつめて、パンツに合わせてチュニックで着る予定。
脇は大胆にスリットを開けようかな!!!

衿のフリージングが可愛く着心地もなかなか・・。

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柄物は着回しが効かない理由から、極力着ないようにしていたのだけれど最近はついつい手を出してしまうのは年のせい?!!

桜前線ももう間も無く・・・
  今年のお花見、花衣016.gif
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# by lime2005 | 2009-03-17 01:39 | 日記

『楽団の色 確立したい』・・・

3月12日朝日新聞神奈川版の記事から

この春から神奈川フィルハーモーニー管弦楽団の常任指揮者に就任する
指揮者の金聖響さん(39)の抱負に涙する(笑)


>団員と心を通わせ、楽団の色を確立したい。

>むっとした人もいたと思うが、刺激を与える役割に徹したかった

>シュナイトさんとの共演を重ねた神奈川フィルは、音色が磨かれ、息が合ってきたと感じる

>でもその前にオケが企業努力をして、地域社会に貢献していると認められなくてはいけない。学校や福祉施設の出張演奏会では、直接観客に語りかけたい。不況の今、変化を起こすために呼ばれたなら、運命だと思っている


シュナイトさんが丹精込めて耕した大地に、どんな色の、香りの花が咲くのか期待が高まる記事である。
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# by lime2005 | 2009-03-13 01:37 | 音楽

またまたシュナイト氏のブラームス・・・

神奈川フィルハーモニー管弦楽団の名曲コンサートを聴く。

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 指揮: ハンス=マルティン・シュナイト
 ソロ・コンサートマスター: 石田泰尚
 
***purogram****

ブラームス : ヴァイオリンとチェロのための二重協奏曲イ短調 
       ヴァイオリン :  石田泰尚
       チェロ    :  山本裕康

--intermission--

ブラームス : 交響曲第1番


会場に入ったのは仕事帰りで開演5分前滑り込みだった。呼吸を整えるのがやっとだったが満席のミューザ川崎にはいつもより熱気がこもっていたように思う。
昨年春から聴き始めて今回で5回目になるシュナイト×神奈川フィルの演奏会。
この春でシュナイト氏の音楽監督勇退が決まっているのでカウントダウンコンサートになった。多分熱気はそのせいだ。

第一部のコンチェルトはソロパート、石田氏の優美で繊細でいつもに増して研ぎ澄まされたヴァイオリンを献身的に支えるチェロの山本氏の懐の深さに涙し、それを室内楽的親密さでオケの音に配置した、一枚の絵を鑑賞しているようなコンチェルト。ブラームスの旋律美を味わい尽くせた一曲でした。

続く交響曲1番は、モニュメンタルな出だしの音から、『嗚呼~この音がシュナイトの音!!!』
抑制の効いた秘めたる静かな情熱。
でも昨年秋に聴いた4番のストイックな音とは違って音楽に熱さがあるし、始終のびやかさを感じた。
シュナイトさんは足がお悪いので着席して指揮をする。当然腕を小さく動かすだけの指揮振りなのだが、今日ほどその指揮が大きく感じられた事は無かった。
その適確な指揮棒に弦楽器群を始めオケ全体が全身全霊で応えようとしている。何と言っても圧巻は第4楽章で、主旋律の切ない典雅な歌に込める熱が徐々に上がっていって、客席の熱気と相まって力強いクライマックスを迎えるところ。一期一会、この輝かしい音をたぶん一生忘れないと思う!!!!

割れるような拍手喝采。シュナイトさんもそれに応えてか、オケの中に入り込んで楽団員を讃える。2階席、3階席に向って両手でオペラグラスを作って見せるお茶目な仕草に淋しさが込み上げた。

後一回、5月のシューマンシリーズ最終回がシュナイト×神奈川フィルの最後公演。
万難を排して駆けつけたい気持ちである。
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# by lime2005 | 2009-03-09 21:37 | 音楽

ひな祭り・・・

弥生3月桃のお節句。
中国の紙の人形(ひとがた)を流して厄払いする行事と日本の貴族の 曲水の宴が結びついた行事が起源と言われているそうで、ひな壇に人形を飾るようになったのは江戸時代以降との事。意外と新しい習慣だったのですね。
我家のお雛様もいよいよ今年でお役放免。心なしか内裏のお顔が緩んで見えるのは気のせいでしょうか?
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変わり雛の一種で着物が正倉院の古代裂の写しでデザインされたもの。20年前に購入した時は『シック』とか『地味』と言われて人気がさんざんだった雛達も、年月と共に我家にしっくり溶け込んだ感じである。
少し着物地をアップしてみると・・・・

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e0038778_1493647.jpg内裏の衣装に模写された文様は『紫地鳳唐草丸文錦』と言うらしく、ペルシャの唐草模様と中国の鳳凰の東西融合のデザインで、正倉院のお宝を拝借(笑)
この古代裂達を一度は見てみなければと長年思いつづけているのである。
(←原色日本の美術4 小学館・正倉院より)


e0038778_24159.jpgこのデザインは奈良時代に流行した文様で『七曜四菱文繧繝錦』。
何処かで見かけた事はありませんか?そう高級な畳の縁模様(笑)
お雛様の御座の畳縁にこの文様が縦に使われているのは天皇と神仏だけが使用をゆるされた文様だったからとか。
デザインもそうですが、正倉院カラーと呼びたくなる滋味で瀟洒な色合いが素敵です。



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e0038778_2373072.jpg岡山の祭寿司にはかないませんが、一つ一つの具を丁寧に作ってちらし寿司でお祝いです。
お寿司の味の決め手は寿司酢の配合。具や季節によって微妙に変えると美味しさアップです。
濃い味付けの具がたっぷりのる散らし寿司の場合はサッパリ甘さ控えめにするとバランスが良いようで。
←今年の見つけもの。
桜フレーバーのすし酢。
ふんわり桜が香るさくらちらし寿司に。
酢の物やマリネで使っても春が爛漫~053.gif
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# by lime2005 | 2009-03-01 02:23 | 日記

白夜に紡ぐ・・・

染織家志村ふくみさんの最新刊エッセイ、『白夜に紡ぐ』を完読。

e0038778_912145.jpg娘が『500色の色鉛筆を買おうかな~』と呟く。
『名前は一本一本ついているの?』と聞き返す。
『一応ついているけれど深くつっこまないで!!』とはぐらかす娘。
なるほどね・・・。ハーレクイーン・ロマンス風??!(笑)』
まあそれは大目に見て、化学染料ってこんな鮮やかな色相関を展開出来るんだって、これはこれで感動しますが・・。

色とは何か、色は何処から来るのか、色は本当に色なのだろうか
この人は終生、植物染料にこだわって、『一色一生』望みの色を探し続けている人。


軒先に隣りあわせで干した、庭の緑の木々にすぅーと溶け込んで自然の空気を吸いこんでいるような植物染料で染めた『灰色』の糸と、その隣でひとりでそっぽを向いて浮き上がっている化学染料の糸を比べて見た時が植物染料との出会いだったと言う。

この感覚は凄く解るし、私も体験した事がある。
数年前に鎌倉のペレンデールで棚いっぱいに置かれた草木染のシルクの糸を目にした時、色の光の源泉が零れ溢れていた、あの色達なんだと。

エッセイはそんな自然界に求めた日本の色の求道者の色との出会い、当然手繰る色の歴史から万葉集や古今集、源氏物語の中に色と共に暮らしてきた日本人の感情や精神に触れる件が圧巻。

例えば『減紫』と『褪紅』という二つの色。紫や紅が退化した色だろうか。
紫はあせるのではなくて、ほろびる。紅はほろびるのではなくて、あせるのだそうだ。
実際に紫は根で染めるから、終極。滅びるしかなくて、紅は花弁で染めるから褪せて、散る。
退化した色にさえ名前があって、退化のしかたでまた呼び名が変わるなんて、どれだけ自然が身近にあったかを万葉詩人が教えてくれるくだり・・・5回は読み返しました(笑)

そして源氏物語と色、切っても切り離せない関係・・・
 『匂う』
 『うつろう』
 『なまめかし』
 『あはれ』
 といった言葉の色をひとつひとつ検証していく。夢のような時間が文中に流れる・・。

エッセイの中盤には17歳で出会って再び読み返す感動を綴った『ドストエフスキー・ノート』
タイトルの白夜はここから。後半は『折々の記』と題した交遊録。

読後、志村さんがずっと見つめてきた『色』って、見えている色の奥にある人の手ではどうする事も出来ない『神秘』そのものじゃないかと思えてくる、そんな一冊でした。
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# by lime2005 | 2009-02-24 22:54 | 日記

泥んこ遊びの効能・・・

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マンションの中庭で泥んこ遊びに熱中するの子供達に遭遇。
最近は外で遊ぶ子供がめっきり減ったせいか、この寒空に泥団子作りに夢中の
彼と彼女達とがやけに新鮮072.gif

『何を作っているの?』と聞いてみた。
『小鳥のお家・・・』
見ると側に小さな、小鳥が一羽入りそうな横穴が掘られている。
今はその天井部分を泥団子で塞いでいるところそうだ。

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スコップを持っている男の子は二人の女の子の弟分で、
『ダメ!ダメ!もっとちゃんと練らないと壁が崩れるでしょう!!!』
・・と不器用な彼にお姉さま達がダメだし。
その甲斐あってか、耐震構造の屋根が出来上がったみたい(笑)
おおぉ~う、その言葉を職場のクラスの受講生に聞かせたい!!!!

ここ5~6年とみに感じている事は、料理をしていて『手』を上手く使えない人が急増している事。
それは包丁使いはもとより、挽肉を捏ねてつみれやつくねを作るといった技巧的な事や、菜箸他調理道具の使い方全般に現れていて時に戸惑う。
年末に昆布巻きを実習した時、巻き上がった昆布を最後にかんぴょうで結ぶのですが、
『たて結びにならないように結んで下さ~い』と、これは私の拘り(昆布巻きの常識だけど・笑)で
徹底指導。出来ていない人は解いてやり直し!!!見回ると3人に一人の割合で立派なたて結びに。031.gif怒!!!!
しかも立て結び自体に気付いていない人も少数だけれどいた。
靴の紐もプレゼントのリボンも今の今まで結んだ事がなかったのかしら??????
鮮魚や生肉をさわれない人には今さら驚かないが、きのこの触感が気持ち悪いという人まで現れた。
『手』を圧倒的に使ってこなかった事が実によく見える職場である(笑)

では最後に・・・
調理ボールの中で出来上がった酢の物があるとします。
これを小鉢に盛る時、貴方ならどうやって盛り付けますか?
どう盛り付けようと食べられればいいんじゃない?という貴方にはダメ出しを034.gif
調理ボールの中でおよそ人数分に分けたら、1人分をある程度の形を整えておいて、
利き手の菜箸に反対側の手を添えて一度に小鉢に移したら具のバランスを見ながら微調整・・・。こんな所にも『手』が大活躍。手では汚いなんて言わないで!!決して菜箸だけで何度も往復させないで!!!
綺麗な所作は『美味しい』に直結している!!と私の持論。

泥んこ遊びにも素晴らしい効能があるに違いない、少年!少女達!!
近い将来に!!!!きっと、きっと。
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# by lime2005 | 2009-02-16 22:19 | 日記

猫を抱いて象と泳ぐ・・・

小川洋子の新刊、『猫を抱いて象とおよぐ』を読了。
物語の素材はチェス。あの『博士の愛した数式』で数式の美と奇跡を語った筆が、10の123乗通り『しか』存在しない棋譜の美と無限について語る物語。

e0038778_832951.jpg主人公の少年は唇が閉じたままで生まれた寡黙な少年。
体が大きくなりすぎて屋上動物園で生涯を終えた象のインディラと壁の隙間にはまって出られなくなった女の子のミイラだけが友達。
7歳の時に巨漢のマスターにチェスを習った少年はメキメキ天分を発揮、テーブルチェス盤の下にもぐって熟考する特異なスタイルでチェスを打つ。その姿が『盤上の詩人』と呼ばれたロシアの天才チェスプレーヤー、アリョーヒンの再来とまで言われリトル・アリョーヒンと呼ばれるようになるが・・・・


以下本文より抜粋・・・

マスターは両手を摺り合せ、チェスを始める時にいつも見せる、少年の大好きな表情を浮かべた。『ゲームの記録はな、棋譜って言うんだ。これが書き記されていれば、どんなゲームだったか再現できる。結果だけじゃなく、駒たちの動きの優雅さ、俊敏さ、華麗さ、狡猾さ、大らかさ、荘厳さ、何でもありのままに味わう事ができる。たとえ本人が死んだあとでもな。棋譜は人間より長生きなんだ。チェス指しは、駒に託して自分の生きた証を残せるってわけだ』・・・・・


『口のある者が口を開けば自分の事ばかり。
     自分、自分、自分・・・チェスに自分など必要ないのだよ』


『心の底から上手くいっている、と感じるのは、これで勝てると確信した時でも、相手がミスをした時でもない。相手の駒の力が、こっちの陣営でこだまして、僕の駒の力と響き合う時なんだ。そういう時、駒たちは僕が想像もしなかった音色で鳴り出す。その音色に耳を傾けていると、ああ、今、盤の上では正しい事が行われている、という気持ちになれるんだ。上手に説明出来ないけれど・・・』
『ああ、分るよ。よく分る。』
マスターは親指を立て、OKサインを出した。
『つまり、最強の相手が最善とは限らない。チェス盤の上では、強いものより、善なるものの方が価値が高い。だから坊やの気持ちは正しいんだよ。』



やがてマスターを失ったリトル・アリョーヒンは自ら成長を止め、からくり人形に入って秘密のチェス倶楽部でチェスを差し始めて物語は展開を見せ令嬢夫人や国際マスターS氏との対戦が続く。が、リトル・アリョーヒンの目指すチェスには常に自己の開放と盤上に綴られる美しい『詩』の軌跡が存在した。
これは小川洋子が『盤下の詩人』に託して全ての孤高の芸術家に通じる理想像を描いた物語じゃないかと思えてならないのだが・・・。

チェスは詩、
チェスは人、
そしてそれを抱く深遠なる海・・。
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# by lime2005 | 2009-02-06 01:53 |

召しませお花・・・


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エディブル・フラワーの使い方をローズガーランド主催の久木倫子さんに教えていただいた。
春が待ちきれないような鮮やかな花達を食す、それがエディブルフラワー。おそらく人類は誕生した時からずっと花を食べ続けてきたと久木さんは話す。

写真左から真紅のエディブルローズ・スナップドラゴン・プリムラ(さくら草)・ビオラがレッスンの花達。扱い方と注意事項の説明が終わると早速実習。2種類のディップとカナッペ用のブレッドを使ってオードブルにアレンジするというもの。

久木さんに一つだけお手本を示していただいた後は各自自由にアレンジして仕上げる。

e0038778_2543572.jpg素材です。
添えるハーブは花の香りを邪魔しない優しいものを。
ディル
イタリアン・パセリ
ミント
穂しそ・・・

ココットのミニコロッケは見えないけれど薔薇の花びら入り。
(料理名・花びら入りカラフルクロケッタ・笑)



e0038778_14515557.jpg先生お手製絶品手作りデイップは
アボガドベースとヨーグルトベース。



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トッピングは花に無い色(必然と黒)をアクセントとして
ブラック・オリーブ、ラム・レーズンナッツ(胡桃)、ドライ・カシス
チョコチップ&ピンク・ペッパー
など・・・。




フラワーアレンジメントをするように組み合わせていく事30分後 完成~
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カナッペ用ブレッドにたっぷりデイップをのせて花びらを飾っていく一口カナッペ。
この段階でいろいろなアイデアが浮ぶ。オードブル、サラダ、冷菓のアレンジにも使える。


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スナップ・ドラゴンは優しくて甘い香り。
ピンクの他にイエローや白もある。
何年か前に作った鯛鱠に散らしたのを思い出すが、ガクも取らないでそのままいただいた記憶。
Fさん、無知だったわ御免なさい~~(時効・笑)






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きりっと紫のビオラにはアントシアニンたっぷりで抗酸化作用大。
花達の栄養的な効能はハーブに準ずると言う事で、むしろアロマに近いかな。
火を通して調理すると色と香りが退化するので、更に上の知識が必要とか。




e0038778_1535397.jpgこぼれる薔薇の花びらをイメージしたデザートデイップにはチョコとラムレーズンを。
これは自信作なんだけれどいかが?
やはり薔薇は花の女王様。香味はどの花も寄せ付けずという感じ。
久木さんによると、薔薇は種類によって全部味と香りが変わるそうで、上級になると薔薇だけを極める講座も開催するのだとか。
香りを抽出するダマスクローズならではの味と香りにクラクラ・・・



e0038778_1563220.jpgローズティーをいただきながら試食。
ふと、子供の頃の散歩中にデジャブ。
愛犬(コロとリュウ)2頭を連れて散歩中に、祖母の花畑で仏花を貪り食うワンコ達を羨ましく思う自分。ああぁ~今やっと望が叶ったのね~。
『どんなに美しくても決して花屋の花は食べないで下さい』・・・の久木さんの言葉に現実に引き戻されるのであった。(笑)
お花を召しませ!!! 
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# by lime2005 | 2009-02-01 01:48 | お料理

エスケィピスト石田・・・


e0038778_136460.jpg石田泰尚氏のヴァイオリンリサイタルを聴く。
曲はブラームスのヴァイオリン・ソナタ全曲。
ピアノ:諸田由里子

本日のメインデッシュ、ヴァイオリン・ソナタ1番で感想を書いてみよう・・・
ブラームス中、3本の指に入る大好きな曲だけど、4年前に同じみなとみらいホールで聞いたヴェンゲーロフの1番とは同じ曲とは思えない石田氏のブラームス。

ヴェンゲーロフのは南ヨーロッパの雨の風景、昔高校で習って諳んじていた西脇順三郎の『雨』の詩編がゆったりと広がる映像型『雨の歌』。しっとりとして暖かい気持ちになれた。

でも石田氏の雨の風景は違った。
淋しさを思った。
哀しみを思った。
ひとり言、ため息、すすり泣き、沈黙・・・
それは恋愛の喜びの真裏にある淋しさや哀しさに似た。


自らその淋しい詩の世界に堂々エスケイプするがごとく。
だけど亀が甲羅に頭を沈める敵前防衛じゃなくて、もっと積極的に人生の神秘に触れようとあがき悶えながらの逃亡
そんな石田氏を思ってか、ピアノの諸田さんの音が途中で変わったのが嬉しかった。

一音、一音の気持ちの入れ方に一ミリの妥協も無い雨の詩を楽しんだ。
ずっとずっと聴き続けたいけれど、このエスケィピストについて行くのは結構しんどいかもしれない・・・。

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# by lime2005 | 2009-01-29 01:31 | 音楽

北斎ロマン・・・

昨年末、祖父がこの絵を前に宣言。
たぶん、北斎じゃないかと思う・・・』その場で一同、一驚を喫す005.gif

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何でも祖父が物心ついた頃にはすでに家にあって、表層がボロボロになってきたのを期に押入れの奥に半世紀は眠っていたものらしい。骨董好きの曽祖父が買い求めたものらしく、他にも鶴図と亀図があって、こちらは伯母の手元に。

じっくり眺めると北斎らしい一連の錦絵とは趣が異なり、絹に墨絵風の肉筆画で、『北斎画』と署名、落款も確認出来る。
季節は夏の昼下がりだろうか、夏雲を抱いたすっきりとした富士。この雲は富嶽三十六景『山下白雨』の稲妻の上に輝くあの夏雲と同じだと思い至る。

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北斎に詳しい訳では無いが、最晩年の遺作に近い『富士越龍図』に枯れた筆致が似ているので、80代後半から90歳(北斎没年)にかけての作品だと直感した。
170年余りの時を経て絵は青息吐息と言う感じ。とにかく痛みが激しく、富士の山頂から空にかけてシミも多数確認出来る。残念ながら財産的価値は期待出来まい(笑)



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パソコンでちょっと調整をかけてみると汚れた部分が綺麗に浮かび上がる。
何とかこの汚れを取り除く方法は無いのか・・・・。

その後、『後はまかせる』と祖父から絵を託されたので、取りあえず専門家に相談する事にした。
夫の友人で古美術修復業のⅠ氏のアトリエに絵を持ち込み真贋含めて意見を求める。

絵を10分程食い入るように見つめたⅠ氏は
『間違いなく北斎の絵だと思う。最初は掛け軸だったはずなのが、痛んできたので表装を変えて額縁仕立てにしたのが敗因だったと思う。掛け軸として絵を巻いてしまっておけば年代分の痛みだけで汚れは防げたはず・・・』と、なるほど。

今はこういった古い絵を修復出来る人は数える程しかいないらしく、取りあえず見積りを含めて京都に絵を送る事にした。職人さんは京都に4~5人いらっしゃるそうで。

方法は水洗なんだそうだ。『墨なのに大丈夫?』とお聞きしたら『もう炭化しているので流れる事はないし、絹本を貼り付けてある和紙から注意深く剥がして少しずつ洗っていく』とのこと。
絵自体がその作業でダメになる事もあるので成功率は半分とか・・。

何かの縁あって手元に届いた北斎。
それまで日本には無かった『風景画』という概念を絵に取り入れて風や波濤や落下する水の音までもを書きとめた画狂人は『あと10年、いや5年生かしてくれたら、真の絵描きになってみせる』と、絵魂は死を目前にいっそう飛翔し続けていたそうだ。
富士はそんな画家の魂が戻った場所のように静かで雄大だ。

さて、職人さんのお手並み拝見。
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# by lime2005 | 2009-01-25 16:22 | 日記

東大合格生のノートはかならず美しい・・・

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と、巷で噂のこの本。
昨年秋にはコクヨからドット入り罫線付きノートも発売されて、ちょっとした東大生ノートブームだ。(乗り遅れている人は文房具売り場を・笑)
著者の太田あやさんは仕事の関係である東大生の受験時代のノートを見てその迫力ある美しさから『ひょっとして他の東大生が書いた受験時代のノートも美しいの?』との興味から200冊のノートを借りて分析、東大合格とノートの美しさの相関関係に着目。
第1章には東大ノート傑作選(200冊の中の選りすぐりだろう・笑)が同寸大で掲載。もうため息しか出ない美しい字が、一定のフォーマットと筆圧で、強いテンションを保って(これが大切らしい)書き続けられているのを目の当たりに。
著者は必然とある法則を見つける。

  1、文頭が揃っている
  
  2、しゃにむに書かず、コピーも活用

  3、大胆に取る余白

  4、インデックスを活用

  5、区切りを大切に

  6、オリジナル・フォーマット

  7、当然丁寧

もうこれだけで内容の9割は視覚的に納得させられるが、更に『東大生のノートをめぐる物語』と題する第2章が展開。実際にノートを書いて東大生生活を謳歌している人物に迫り、『やはり使っていた7つのルール』と法則の証明をしてみせる。
極めつけが第3章の『7つの法則<黄金ルール>を使ってノートを書いてみよう』では東大生に生物の模擬授業を受けてもらってノートをとってもらい、検証、添削をするという趣向。
やややややや!!(此処ですごく驚く)先生役は子供の中学の、そのユニークなテスト問題についつい読み惚れてしまうハダカカメガイ、いやH先生では!!!こんな所でアルバイトする時間があったら息子の盤上遊戯に渇を入れてぜひとも美しいノートの取り方をマンツーマンでご指導願いたし!!!!!と横道にそれてしまったので軌道修正・・・・美しいノートを取るには『聞く』力も欠かせない事を証明。

一番共感したのは後書きに『もっと早く"東大ノート”のつくり方を知っていたら・・・』と書いた太田さんの本音。同感!同感!でも知っていたら決して本にはならなかっただろう~(笑)
そんな自分もかなり頑張ってノートは作っていたものの、試験前に読み返しても何だか要領の得ない役立たずノートだったような記憶。この東大ノートはそんな忘備録としてのノートから脱却するヒントも一杯。受験生にだけじゃもったいない、生涯学習している全ての大人達に有益な一冊ではと、一読おすすめです。(文藝春秋社より)  
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# by lime2005 | 2009-01-18 22:07 | 日記

振袖つれづれ・・・


e0038778_2565194.jpg着物の話しが続きます。
娘の二十歳のお祝いに仕立てた振袖。
選ぶにあたって娘に出した条件はひとつだけ。
それはかつて自分がつけた帯を使って欲しかった事。当然制約がかかる中娘が選んだのは若紫の辻ヶ花。ああ~つくづく親子と思ったのです(笑)

それはさておき、こんな話しが。。
今からかれこれ60年ぐらい前でしょうか。
昭和20年代の初めの同じ季節に、娘の門出に真っ白な振袖を仕立てさせた母がいました。
振り袖、それは人生で最も華やかな一時を飾る衣装。赤や紫やピンクの艶やかな地色に金糸や銀糸、刺繍に絞りがふんだんにあしらわれた『晴れ』の日の一枚である。
それなのにその母が用意したのは只の真っ白な無地の振袖。

先ず白い振袖を作って春の花を描くのはどうだろう。肩にときいろの桜、袖に紫の藤、裾に黄色の連翹なんか賑やかだと思わない。』



そんな手の込んだことをして大変じゃないの?と驚く娘に

人を頼まないで自分で描けばいい・・桜は五弁でしょう。藤は大きく伸び伸びとやって上の方の花を大き目に、順に小さな花にすればいい、逆に連翹は小さい四弁の花を裾の方に流れるように描けば出来上がりさ。でも油絵の具は止めた方がいいね。顔料でやる方が危なくないよ

・・・・・と本気である(笑)

やり損ったら困るでしょう~と尻込みする娘に

あんたって子はどうして何でもやり遂げようとする気性が無いのだろう、だから何時も及び腰で自信が持てないのよ。母さんは精一杯、あんたの若い日の一日を飾ってあげようと思っているのに、当人がその気を持とうとしないんじゃ話しにならないじゃないの

と娘の気弱をはがゆがる母。もう口調でお解かりですね(笑)そう、それは幸田文さん。
娘の玉さん著『幸田文の箪笥の引き出し』(新潮社)の『着なかった振り袖』中の一文である。

この白い振り袖の話、20代に読んでも30代に読んでもピンとこなかったのに、今は文の娘(玉さん)を思うジリジリするような母心を少しだけ理解出来るようになったのです。

さて、その白い振袖ですが、その後どうなったと思いますか?

玉さん曰く、淋しさを思うほど上品な白で、衿と袖口と裾が赤と若緑の比翼仕立てに彩られた、まるで平安人のかさねのような美しい着物に出来上がって来たと言います。

何て綺麗な色、ごちゃごちゃ絵なんか描かなくても、このままで充分、いっそ帯もこの色で七三にして文庫に結んだらどうかしら。母様どうやってこんな綺麗な取り合わせ考えついたの

あんた何も気がつかないかい、これお雛様の菱餅さ』とくすくす笑う母。

ああぁ~なんてお茶目な親子(笑)
そしてこんな思いの込め方もあるものだなあと、振袖つれづれに・・・・。 

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# by lime2005 | 2009-01-18 06:56 | 日記