白大島・・・

仕立て上がりを心待ちにしていた大島が届いたのでご披露。
これがひとめぼれの姫である。
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店で反物を手に取った時より糊ぬきされて更にしなやかな風合いに。
イメージしていたより柄が多く出て不満なところだけれど、八掛けの色は淡い銀鼠で、辻が花の染めと絞りが一つ。おばあちゃんになってもこの色ならOK!!ね、と自らをなぐさめ。
何より気に入ったのは根雪のようなこの地の白さ。
英語のスノー・ホワイトと言うと混じりけの無い純白のイメージですが、日本語で雪白と言うと積もった雪の薄青緑色の影の色まで含めてしまうような、そんな白。
実際は白地に細かい柄(織り)の入った生地ですが、遠目には無地に見えるでしょ!!
この色にひたすら一目惚れ。
大島は織りがつんでいるので、雨の日に着ると雨コートの代わりにもなる機能的な白でもあるそうだ。絶対にしないけれど(笑)

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裾模様の柄のアップ。
心の辻々に咲く名もなき花達・・・と言うのが辻が花の云われ。友禅の華々しさとは別世界のうっとり夢見るような幻想風景が魅力。色もモノトーン風に極力抑えてある。
一応訪問着と言う事で、結婚式などのフォーマル以外は場所を選ばないというのも嬉しい。

私としては初の『大人買い』である。
白大島という条件以外は、値段も、名前も、人の評価も気にしないで、単純に気に入ったから買う・・。人生にそうは何度も無い事だけれど(笑)
さて、所有する事と着こなせる事は同列には行かないのが頭の痛いところである。


e0038778_1150193.jpgおまけ・・・・

同じく中賀和さん作泥大島の昼夜帯。
はっきり言って着こなす自信無し。。
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# by lime2005 | 2009-01-12 16:02 | 日記

初もんじゃ・・・

今年の初詣は東京湯島の天神に出かけた。
此処は学問の神様、菅原道真公ゆかりの神社である。
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e0038778_11135990.jpg普段は静かな住宅街にひっそりとある天神様もお正月3ヶ日は参拝者でごった返していた。
本堂の参拝まで待つこと30分・・・。

沿道にはこんな熟柿(じゅくし)が。多分渋柿だと思われるがその成りっぷりがあっぱれである。
2階建ての民家の屋根を超えて、ビルの3階にも達する大木である。
ご本尊に手を合わせる前にぜひこちらの木にも(笑)

日あたりや熟柿の如きここちあり・・・

と詠んだのは近く本郷にも居をかまえた事のある漱石。
豊で暖かい初冬の風景である。



e0038778_1132868.jpg参拝を済ませて、まだ蕾の固い梅園に。気の早い紅梅が一つ、二つ開いている。でも此処は白梅が咲くと見事なのである。その梅園を背に絵馬が鈴なり(笑)
結ぶ枝が見えないほどで、絵馬に絵馬を結びつけて行くから、それがどんどん垂れていく・・。
やはり大学受験や就職試験成就が多い。東大も道を挟んで直ぐ先だし(笑)
皆様、希望が叶いますように!!


e0038778_7345216.jpg狭い境内を抜けた沿道には市が立つ。目入れ前のダルマにはなかなか凄みがある。
片目はうんと睨みの利いた目入れにするぞ!!将棋に囲碁にチェスにマージャンが勉強だと勘違いしている息子の机上に一個、お買い上げ~。




e0038778_731282.jpg参拝の後は軽く昼食を。今回はもんじゃ焼きを食べてみたいという家族の希望で月島に決定。
湯島を後に、目的の月島まで車で移動。途中銀座を抜けて始めての『勝どき橋』を渡る。
そのまま走る事数分でこちら『もんじゃストリート』に。
そこは右を向いても左を向いてももんじゃ焼き屋・・・・・


e0038778_734398.jpg沿道には60数店のもんじゃ焼き屋がひしめきあっている。
この中から美味しいもんじゃ焼きに出会える店を探すのは至難の業。
よって考えないでエイぃっと!!!
此処に。何だか賑わっていそうだった・・・只それだけの理由。




e0038778_711401.jpgで、肝心のお味ですが。美味しいと言えば絶対に嘘だし、かといって不味いかと言うとそう言い切れない部分もありで、何とも不思議な食べ物。
まず熱々の鉄板でキャベツを山ほど焼いてしんなりさせたら、お好みの具を加えて炒め続け、(私は桜海老と切イカ)ドーナツ状の土手を作る。其処に小麦粉を出汁で溶いてソースなどで味付けをした液体を少しずつ流し込んで焼いていく。


e0038778_718960.jpgしばらくすると水分が蒸発して具とソースが絡んでいく。いただくタイミングはそのソースが鉄板の上でジリジリと焦げ始めた瞬間。専用のマイへらで鉄板をこそげるようにして熱々をいただく。
キャベツの甘味、桜海老の香りと歯ごたえ、それをカラメル状になって香ばしく焼かれたソースが包み込む・・・。
ソースたっぷりのお好み焼きや酢醤油でいただく韓国のジョン(チヂミ)に比べると何とも曖昧な捉えどころのない味が印象。

御店の方に尋ねたら昔は駄菓子屋の店先で焼いて供したオヤツだったとか。その名残なのか、メニューにベビースターラーメン入りと言うのがあった。
材料からしてちょっとお腹がすいた時の小腹料理ですがそれにしては味が薄い。小腹料理の鉄則はちょっとで満足なのにもんじゃはどこか物足りなくて不完全燃焼(笑)。
たぶん熱々を気の置けない仲間でいただく風情がご馳走なのであろう、が初もんじゃの感想。
それにしても『月島』、もんじゃストリートも含めて激変なんだろうなぁ~~。
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# by lime2005 | 2009-01-05 23:18 | 日記

笑顔で牛歩・・・

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2009年、みちとも氏のお年賀状。

昨年秋から世相は急転直下。ニュース絶ちでもしたくなるような年明けでした。
御他聞に洩れず、夫の会社もリストラの嵐。元同期の、夫の同僚とのおめでとう電話でも『返ってわが社の斜陽が目立たなくなったよね~』と笑えない事実。
私の職場だって春から受講生は今まで通りに来てくださるかドキドキものです。

でもこんな年にこそ、『丑』は相応しいかもしれません。
『丑』を漢字源でひくと手の先を曲げて掴む形を描いた象形だったものが、十二支の2番目の動物の牛の字に当てられた時に原義を失ったとあります。
でも字面からは忍耐強い意思を感じませんか?

一見のんびりとした牛の姿、その内面からは力強く一歩一歩踏みしめ、いざとなったら一歩も退かない強い意志をみちとも氏の賀状から感じました。

笑顔で牛歩・・・今年はこれです!!!!

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# by lime2005 | 2009-01-05 06:14 | 日記

2009年お正月・・・

   明けましておめでとうございます。        
     本年も宜しくお願いいたします。


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皆様どんなお正月をお迎えでしょうか。
あいも変わらないおせち、今年も30日&31日で作りました。

小窓の宝船の絵をクリックして『長き夜の遠の眠りの皆目覚め波乗り船の音のよきかな』の回文を、てっぺんの『な』から好きな方向で読んで見て下さい。
古典落語にはこの宝船の絵を『ええぇ~いお宝』と売り歩く商人が出てきて、元旦の夜に枕の下に入れて眠ると縁起の良い初夢が見られた・・との小話が出て参ります。
夢はともかく、回文を読むだけでも少しだけ良い事がありそうな予感のする名文ですね(笑)

              新しい年がすばらしい一年になりますように・・・・。   
 
                                 2009年元旦
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# by lime2005 | 2009-01-01 13:54 | 日記

コート・ドールの洗練・・・

e0038778_20383957.jpg念願叶って東京屈指のフレンチレストラン『コート・ドール』で忘年会ランチ。
港区三田の静かな住宅街のマンションの1Fにあるレストランは1986年の開店だからもう23年の歴史。
『美味しい鴨が食べたい』の同僚の声に、メニューはランチコース+アラカルトで鴨料理をお願いした。
さて斎須シェフの腕や如何に・・・。

通りから廻り込んで入り口に立った瞬間に背の高い方がドアを開けて招き入れてくれた。ピッタリ予約時間に入り口で待っていてくれた事に軽い驚きと喜び。のちにメートル・ド・テルの松本さんと知る。店内は落ち着いた色合いにすっきりとまとめられたモダンなインテリアで、白いテーブルクロスが窓越しの光に反射して眩しいほど。


e0038778_20372174.jpgまずは軽い前菜とワイン。
お奨めはブルゴーニュの赤。
桜海老とチーズのカナッペはコート・ドール(ブルゴーニュの黄金の丘が店名)の軽めの赤にピッタリで、あと2~3枚は軽くOK!!との声が上がる。
このアイデア、いただき(笑)





e0038778_2493169.jpg最初のお皿は魚。
ドーンと皿の上でパッチワークされているのは、脂の乗った寒鰆の燻製ヴィネガーソース。
桜チップで燻してあるのだろうか、凄く香りが良い。中は程よいレアの燻し加減が神業的。
付け合せの野菜は歯ごたえを残した紅芯大根のマリネ。そして仕上げに香り高い白コショーがたっぷり。これが泣かせる・・・・




e0038778_3172962.jpgお肉は北海道の野鹿のロースト。やはり冬のフレンチはジビエが主役。・・・と言っても鹿は柔らかくて臭みも少なくジビエ好きには物足りないぐらい。本来は5月から6月の初夏が一番美味しいと言われているそうですが、狩猟期間が12月から2月と決められているので口に出来ない。添え物は煮林檎入りのさつまいものマッシュ。私が時々作る林檎きんとんのお味でした(笑)


e0038778_3302119.jpg此処で特別注文の鴨料理登場~。
新潟産の『青首』の半身をローストしたものでほろほろの焼き加減。赤ワイン&血のソースでしょうか~。フルーティな甘酸っぱさ。切り分けると切り口はロゼ色。そしてくせのある鴨らしいお味は今年最高の鴨料理となる。添えてある大根のグラッセにも鴨汁が沁みこんでいて美味でした。



e0038778_4254017.jpgデザートは和栗のモンブラン。栗本来の甘味を味わう為に、砂糖の甘味はギリギリに控えてある。上品なクリームとベースはサクサクのパイ生地。ヴォロヴァン【vol(飛ぶ)au vent(風)】とフランス語で。まさに風に飛んで行ってしまいそうな繊細な軽さのパイが和栗にマッチ。




これに冷菓(ほうじ茶のムース)焼き菓子とコーヒーのランチでしたが、素材重視のシンプルなメニューにシェフの頑固なまでのこだわりと洗練を感じた。飾り立てない、細工をしない、手を加えすぎない=自然体でシンプルな料理。盛り付けもセルフィーユやイタリアンパセリの青みの添え物さえ俳されている。とことん持ち味を生かして引き立てる作法は何故か茶の湯の言葉『叶うはよし、叶いたがるはあしし・・』がふっと頭に浮ぶ。自分自身もぜひそうありたいけれど・・・

ライバル(笑)の谷シェフと並んで大好きなシェフの一人になりそうな予感大のコート・ドールでした。
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# by lime2005 | 2008-12-29 20:37 | 寄り道

12人の怒れる男・・・

いよいよ今年も総括する季節になった。
2008年、年明け早々立て続けに起こった食品業界の偽装問題~アメリカの金融問題に端を発する世界同時不況~雇用問題他の日本への直接的波及・・・とこれほどの目に見えない不安感に襲われた年はかつて無かったし、来年は一層の悪化が懸念される年になりそうな中、
今年取り上げられたニュースで気になったのが2009年5月からの『裁判員制度』のスタートである。もし裁判員に選ばれたら??いや、誰でも選ばれる可能性があると言う事はどんな裁判でも自分とは無関係では無くなると言う事なのだが・・・その重みに果たして耐えられるのか・・

『12人の怒れる男』シドニー・ルメット監督(1957年)
物語はニューヨークの蒸し暑い夏の午後、12人の陪審員達が集まる冷房の壊れた一室。
誰もがさっさと用を済ませて一刻も早くこの部屋を出て行きたいと汗を拭いながら思っている。
手っ取り早く投票を!と粗末なメモ用紙が配られて早々に票決する。ある少年の父親殺しを有罪か、否かと。有罪なら罪状どうり『死刑』である。

陪審進行役の男性の手元がアップされる。
guilty(有罪)・guilty・guilty・guilty・guilty・guilty・guilty・guilty・guilty・guilty・guilty・・・・・not guilty(無罪)・・・・・・全員一致の票決が鉄則なので場がざわつく。たった一人の反対意見。陪審員番号8番(ヘンリー・フォンダ)の主張は有罪にする確証が無いので無罪だという。疑わしきは罰せずが裁判の大原則だと主張。

ここからはこれから見られる方の為に控えますが、12人の素のぶつかり合いが悲惨な殺人事件を克明に再現して描き出していくというミステリー映画を見ているような展開に引きずり込まれて行く。そして無関心の糸が一糸、一糸とほどかれていくのである。

この映画を先日もう一度見返してみた。
一度目見た時(夫に薦められて20年前ぐらい)とは自分の目線が変わっているのに気が付く。
ぐっと自分の事に引き付けて見られたからだ。そう思うと最後にnot guiltyと言い放って泣き伏した男(リー・J・コップ)の怒れる演技に人の弱さと優しさを見た思い。

優れた脚本のドラマであり、ディーベート・サスペンスの娯楽作品ではあるけれども、物事を感じたり判断する時に『偏見や思い込み』無しでどれだけ考えられるかという事を改めて提示された作品である。その事は2009年5月を前に少し訓練が必要かもしれないとも・・・。
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# by lime2005 | 2008-12-19 16:01 | 日記

お米多種多用・・・

問題です034.gif
左は主な産地、右は銘柄です。正しく線で結びましょう~。

 ① 青森県            A ひとめぼれ
 ② 宮城県            B ゴロピカリ
 ③ 秋田県             C はえぬき 
 ④ 群馬県             D あきたこまち 
 ⑤ 山形県            E つがるロマン

簡単ですね037.gif
今はコシヒカリと言うと作付けしていない県を探すのが大変な程の全国ブランドですが、上の銘柄はまだまだ地元を代表するブランド米。群馬のゴロピカリって可愛いネーミングだなと思って入れました。上州名物の雷と親にあたるコシヒカリをかけているんだそうです。
他にもふっくりんこ(北海道)とか、ほほほの穂(石川県)、森のくまさん(熊本県)、天使の詩(佐賀県)などお米とは思えないような名前も。
吟おうみとかちゅらひかりなら産地を聞かなくてもわかるネーミングですし内助の功(滋賀県)なんて作り手の願望みたいなユニークな名前もあって銘柄一覧を眺めるのはなかなか愉しい。それぞれに深い意味と願が込められているようで。例えば『ひとめぼれ』は伊達正宗のお国だけに片眼で惚れたという意味があるのだとか。そんな私もひとめぼれファン016.gif
そしてカタカナ字はパブリックの農林試験場の交配で生まれた銘柄、ひらがなは民間と決められているんだそうです。
ではあの『コシヒカリ』は新潟県の農林試験場生まれ?と思いきや交配の実験だけは新潟で、正式には福井県の農林試験場で誕生したそう。新潟産のコシヒカリが美味しいお米の代名詞のようになっていますが生誕地の福井県に悪いですね(笑)

ところでお米の美味しさって何でしょう~。
もっちり?しゃっきり?ふつう?・・とこれは我家のお好み炊飯モードの選択ボタンですが、一般には『適度な粘りと甘味』というのが定説でこれを調理科学的に説明するとデンプンを構成するアミロースとアミロペクチンの比率とか、酵素活性の強弱とか、タンパク質の含有率になるそうです。ただ数字で示せても最終的には官能検査、個人の『舌』『五感』勝負なんだそうです。

最近は人気のコシヒカリが全国で作られている事もあって、銘柄産地が更に細分化された『新潟県魚沼産コシヒカリ』や『山形県庄内産はえぬき』などが不動の人気を誇っているようですが、魚沼産コシヒカリは収穫量の30倍が市場に流通しているそうです(笑)ブレンドされまくっているのですね(笑)もしくは思いたくないけれどニセブランド!?

美味しいお米の出会い方を出入りのお米屋さんに聞いてみました。
『とにかくいろんな銘柄米が出回っていて少しずつ味が違うから気長に自分の好みに合う銘柄を見つける事です。もし粘りの強さをとことん追求するなら新形質米というもち米とのハーフ種がお奨め。ミルキークイーンとかスノーパールという銘柄がそれ。
産地的には信越地方と北陸地方の盆地で育ったお米は文句無く美味しい。いずれも夏に気温が一気に上昇する事と、土壌中のマグネシウムが多いという美味しい米作りに欠かせない条件をしっかりと充たしているから。逆にこの条件が充たされていれば何も魚沼産に拘る必要は無い訳で、その周辺地域長野県の佐久や飯山辺りは意外と穴場なんですよ~』

なるほどね。佐久市と言えば夏に浅間山に向う途中で五郎兵衛(ごろうべい)米というコシヒカリを買った事があるのですが新米の季節を直前にしながら、味、香り、食感共に絶品でした。

イネ科オリザ属のオリザ・サティバ・ジャポニカ種というのがお米の植物学的正式名。その味わいは語り尽くせないほど多種多用~011.gif
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# by lime2005 | 2008-12-12 12:18 | お料理

ブリテン協会コンサート・・・

e0038778_23301353.jpg2008年12月4日(木)、HAKUJYU HALLにて第2回ブリテン協会の主催するコンサートを聴く。
今回はベルリン・フィル首席オーボエ奏者、ジョナサン・ケリーを迎えて。
(←写真は若き日のブリテン)

オーボエ : ジョナサン・ケリー

ストリング・トリオ・グレース
ヴァイオリン :  漆原啓子
ヴィオラ    : 須田祥子
チェロ : 向山佳絵子
詩朗読:林望

***purogram****

ブリテン:幻想曲 作品2
(オーボエと弦楽三重奏のための)
ブリテン:オヴィディウスによる6つの変容 作品49

--intermission--

ドホナーニ:弦楽三重奏のためのセレナード
モーツアルト:オーボエ四重奏曲



案内をいただいてから楽しみにしていたブリテン協会主催のコンサート。
今回はベルリン・フィルのもう一人の(一人はアルブレヒト・マイヤー氏)首席オーボエ奏者、ジョナサン・ケリーのオーボエが聴けるとあって期待が高まる演奏会だった。

一曲目の幻想曲はオーボエの音色と弦の重なりが、甘さを廃したブリテンらしい幻想世界を展開。ピュアで優しくて、何処か求道的な音を感じるケリーのオーボエを堪能。弦楽器群、トリオ・グレースも大健闘。

二曲目は初めて聴く曲で、ギリシャの詩人、オヴィディウスの『変身物語』から、パン、フェートン、ニオベ、バッカス、ナルキントス、アレトゥーサの6登場人物の変身譚をブリテンがオーボエに託して歌にしたもの。
曲中、酔漢バッカスのしゃっくり(笑)や舞踏会での貴婦人の喋喋たるおしゃべり。自己愛に目覚めたナルシスが見つめる揺れる水面に到るまでたった一本のオーボエだけで表現。もちろんケリーの表現力あればこその難曲である。ユーモアーとペーソスの満ちた愉しい曲に林望氏がバリトンで英詩の朗読で華を添えた。

後半のドホナーニで、連日の仕事疲れで軽く睡魔が。。
最後のモーツアルトのオーボエ四重奏曲では、再びケリーのテクニックと美音に酔う。
休憩中に伺った日本ブリテン協会理事の武田さん談『ケリーのオーボエにはモーツアルトが合っている』のお言葉通りのロマンティックだけれども贅肉の無いモーツアルトを楽しめた。特に『「フィガロの結婚」のバルバリーナのアリアを思わせる、哀しみ凝縮した音楽』とケリーが語る第2楽章でぐっと胸が熱くなる・・・。

パンフレットでケリーの経歴を読んでどこかイングリッシュ・テナーのボストリッジと重なる音楽家に思えたのは、ケンブリッジ大学で同じ歴史学を学びつつ音楽の道に入った事も影響しているのか。
ブリテンの更なる曲の魅力を、ベルリンフィルの木管奏者の層の厚みと贅沢さを同時に味わった演奏会でした。

今年はブリテンの曲を新日本フィル×アルミンクで『戦争レクイエム』、フィラデルフィア管弦楽団×エッシェンバッハを五嶋みどりさんのソロで『ヴァイオリン協奏曲』(絶品でした!!!)、そして今回とボリュームのある曲を聴て大満足。さて、来年はどんな曲との出会いがあるだろう~。
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# by lime2005 | 2008-12-09 09:57 | 音楽・ブリテン

初めての『紬』・・・

娘の成人式の振袖を仕立てていただいた呉服屋さんから案内をいただいて、新作着物の内覧会に出かける。
展示してある着物は鳴門の有松の気品ある総絞り、次期人間国宝と噂されている(らしい)和田光正氏の金彩友禅や日展作家の寺島利男氏、女性らしい繊細な柄と配色をハーブで染め上げる阿部佳雪さんや幻の染色技法を現代に甦らせた久保田一竹氏の辻ヶ花等々・・・雑誌でしか目にした事のない作家物の逸品が広い会場に所狭しとならべてあって見応えのある内覧会だった。・・・と、此処までは落款入りの超プレミアム着物ばかりで完全に目の保養(笑)が目的。何枚もひやかしで試着して愉しませていただいたのだが・・・。

最後に見た織りのコーナーでとうとう『紬』を手にしてしまった。
憧れの白大島。ひとめぼれである016.gif
白と言っても実に様々な白が存在するので上手く表現出来ないが、積もった根雪の影の青緑がかった白と申しましょうか、ひんやり透明な白地で、肩口と袖と裾に淡いブルーの辻ヶ花の染と絞りが入れてある創作ものである。
以前から紬を買うなら結城か大島と思っていたので早速試着。
袖を通すとその軽さと暖かさと、はんなりしとしたシャリ感が皮膚に纏わりついて来て着心地抜群。よく紬を着始めたら他の着物が着れない・・とはこの事?と思う。
友禅や綸子の冷たい重みは無く、着ている感じがしない抜群な着心地。

辻ヶ花はご存知の方も多いと思うが、室町で隆盛、のち江戸時代に途絶えてしまったものを先の故久保田一竹氏が現代に甦らせた幻の花と言われている染めの技法で、素朴な線と柔らかい絞りの愛らしさが魅力である。
試着のまま少し歩いてみると、裾裏に裾模様と同じ辻ヶ花の絞りが一つ入れてあるのを発見。こんなところはちょっと心憎しではありませんか。歩く時に裾回しがひっくり返るのが悩みだったのに逆に愉しくなったりして・・・・。

たまたま会場にいらっしゃったこの大島をデザインなさった中賀和健秀さんに創作秘話を伺った最後に、
『僕もこれからしっかりいい仕事をして、5年、10年後に買って良かったと思っていただける作家になるから・・・』とおっしゃる少年のような目に騙されちゃったかな(笑)

さて、問題は着こなせるか否か??!!!である。
(紬ファンの方、ぜひアドヴァイスを・・・)
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# by lime2005 | 2008-11-17 08:27 | 日記

ジャーマンポテト・サラダ・・・

じゃがいもの美味しい季節です。
ほくほした完熟の男爵でつくる我家の定番ポテトサラダ。
マヨネーズを使わない、ビネガーとブイヨンで仕上げるジャーマン・ポテトサラダです。
さっぱりしているので肉料理によく合うし、残りを翌朝サンドウイッチでいただくのが2度美味しい。
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教えてもらったのはドイツ時代に隣に住んでいたヨゼフフォーヴァイツ夫人。ご本人はユーゴスラビアの出身でしたが、子供の頃からこの味だったとか。ヨーロッパではポテトサラダと言えばこちらの方が一般的なのかもしれません。フレンチのソース・ヴィネグレット(フレンチドレッシング)であえたポテトサラダに近いのですが、玉葱の甘味とベーコン&ブイヨンの旨みが加わって深いお味です。マヨネーズであえた日本の一般的なポテトサラダはアメリカ経由と思われます。

ちなみに私がいただいた事のある、一番これに近いレストランのお味は、銀座のイタリアン、バッフォーのポテトサラダですが、時々インカのめざめで作るので美味し過ぎて罪です、黒川シェフ。。

サラダはフランス語で(salade)ドイツ語では(salat)。いずれもラテン語のsal(塩)からきているそうで、『生野菜に塩』がサラダ料理のルーツのようです。

で、ヨーロッパにはこんな諺があります。
 美味しいサラダを作るには4人が必要・・・
   油をジャブジャブ使う人、
   酢をケチケチ使う人、
   塩を思慮深く使う人、
   そして最後に豪快にかき混ぜる人・・・・。
全部一人でやらなきゃいけないので大変ですが、ぜひこのレシピでどうぞ♪

 【材料】

 じゃがいも   500g(4~5個)
 ベーコン     1枚
 玉葱       1/4個
 
 ブイヨン     100cc (チキンブイヨン)
 ワインビネガー 30cc

 【作り方】

 鍋は2つ用意。
 ① 一つはじゃがいもを皮をむいてダイスに切って茹でる。(時間があればまるごと皮ごと茹でると直美味しいが、30分かかる)

 ② もう一つはお好みのオイルで薄切りにした玉葱と7~8mm幅に切ったベーコンをしんなりするまで弱火でじっくり炒める。(なるべく色をつけない)
    
    ここにブイヨン、ワインビネガー(無ければ酢)、塩、胡椒で味付けして2~3分煮て茹でた       じゃがいもを加える。ここで豪快にかき混ぜ(笑)スープをじゃがいもに吸わせる。
    少し水っぽいぐらいでも、冷めている間にじゃがいもが吸ってくれるので大丈夫。


少し酸味が強いので、ワインビネガーの量は好みで 調整されると良いでしょう~。ぜひお試しあれ。
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# by lime2005 | 2008-11-07 23:10 | お料理

ミレイ展の『オフィーリア』・・・

いよいよ今週から社会復帰。まだ早いスピードでは歩けませんが、今のスピードもまんざらでもないかなと、黄金色の銀杏並木を学校に急ぐ小学生達に抜かされながら思います。

前売り券を買っていて最終日にぎりぎり間に合った『ミレイ展』
只一枚『オフィーリア』の絵を見届けたくて駆けつけた。
そして、その絵は息を呑む美しさで目の前に現れた。
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ジョン・エヴァレット・ミレイ <オフィーリア> 1952年) 《 ロンドン、テイト・ギャラリー所蔵 》

『ハムレット』の悲劇のヒロインのオフィーリアが足を滑らせて落ちた小川を、ミレイはロンドン郊外のホッグズミル川を舞台として、植物図鑑的精緻な自然、草花の描写を背景に、恍惚状態で水面を流されていくヒロインの儚い美しさを表現。つい先程まで花環にする為に摘んでいた鮮やかな花の色彩が、光をとどめる木々の深い緑が、オフィーリアの悲劇性を一層高めるように配置された哀しみの絵画である。

『小川のふちに柳の木が、白い葉裏を流にうつして、斜めにひっそりと立っている。オフィーリアはその細枝に、きんぽうげ、いらくさ、ひな菊などを巻きつけ、それに、口さがない羊飼いたちがいやらしい名で呼んでいる紫蘭を、無垢な娘たちのあいだでは死人の指と呼びならわしているあの紫蘭もそえて。そうして、オフィーリアはきれいな花環をつくり、その花の冠を、しだれた枝にかけようとして、よじのぼった折も折、意地悪く枝はぽきりと折れ、花環もろとも流のうえに。すそがひろがり、まるで人魚のように川面をただよいながら、祈りの歌を口ずさんでいたという、死の迫るのも知らぬげに、水に生い水になづんだ生物さながら。』
<ハムレット、4幕より(シェイクスピア・福田恆存訳・新潮文庫>


ミレイは音楽のように流れる時(シェークスピアの言葉の世界)を輝くような絵筆で、現実此岸の風景の中に緻密に、忠実に描き込む。
モデルとなったエリザベス・エレナ・シダルには真冬にお湯がたっぷり入った浴槽に古いレースのドレスを纏わせて横たわらせ、長時間写生を続けたという。途中で浴槽の湯を温めるランプが消えて気付かず風邪をひいたシダルの父親に訴えられたというエピソードもあるそうだ。
自然や草花のスケッチも朝から日没まで5ヶ月間もの長い時間をかけて植物学的な正確さに固執。テイト・ギャラリーでは後に植物学の教授がこの絵を前に生徒に講義をする場面を見かけるほどだったとか・・。
何と言ってもこの絵の魅力は背景の(舞台)の現実性と物語(虚構)の融合(調和)の素晴らしさじゃないかと思う。
オフィーリアは水を含んで沈んでいくドレスの重みに諦めの歌を口ずさんだと言うが果たしてそうだろうか?私にはその僅かに開いた赤い艶かしい唇に生への執着と微かなエロティシズムさえも感じたからだ・・・。ミレイの心理描写の妙には息を呑んだ。
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# by lime2005 | 2008-10-29 00:21 | 寄り道

シュナイトさんのブラームス・・・

これまで温かいお見舞いの言葉を本当に有り難うございました。
お陰さまで骨折はギブスが取れてゆっくりなら歩けるようになりました。
社会復帰まであと一歩、リハビリを兼ねて一ヶ月ぶりに音楽会に~♪

神奈川フィルハーモニー管弦楽団の第247回定期演奏会を聴く。

 指揮: ハンス=マルティン・シュナイト
 ソロ・コンサートマスター: 石田泰尚
 
***purogram****

ヴェートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲 
       ヴァイオリン・ソロ : 竹澤恭子


--intermission--

ブラームス:交響曲第4番


久しぶりの友人達と愉しい食事歓談の後、みなとみらいホールへ。
週末の夜とあって会場はほぼ満席。

まずはヴェートーヴェンのコンチェルト。
初めて聴かせていただく竹澤さんのヴァイオリンは強い意志を感じさせるような伸びやかな音色。
拍を刻む身体に添う黒いドレスラインに大人の色気を感じさせる、そんな女性。
テンポはゆったりとして柔らかくロマンテイック。全体にトーンを抑えて音のひとつひとつに思いを込めていくような演奏に、竹澤さんのヴァイオリンがくっきりと浮かび上がるコンチェルト。
『叙情』は満ち溢れるほどあったのですが、それが最終楽章までひたすら流麗に流れて歌い継がれいく、聴き手には少々忍耐の要る演奏だった。

続いてブラームスの4番。
こちらはもっとビックリ。こんな抑制の効いたブラームスは初めて聴いた。
とにかく音のメリハリや揺さぶりが無く、感情面に訴えかけるような音をあえて抑えたような演奏で、ブラームスの沸々とした内気なロマン性をそのまま音にしたらこんな演奏になるのかな?なブラ4(笑)そしてそれはシュナイトさんだからこそこのブラ4なんじゃないか、と3日経ってようやく思えるようになってきた。
実は前日にリハーサルを見学させていただいて、『ブラームスは歌が大切』と語っていたシュナイトさん。練習中、気に入らない音の箇所で何度でも弾き直しをさせて『歌』を求めていたが、シュナイトさんにとっての『歌』って決してベル・カント(スタイル)で歌いまくる事じゃないことが明確に判明。もしかしたら私は『歌』ってものを誤解しているのかもしれないと思わされた。
改めて『歌』って何??!!!と自分に問いかけてみる。

オケが春のシューマンを聴いた時程に音が出ていなかったのが何とも残念でしたが、シュナイトさんのブラームスはまたぜひ聴いてみたいと思った。その解釈ゆえに・・・・。
(ちなみに2009年3月、ミューザ川崎でブラ1)
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# by lime2005 | 2008-10-18 20:48 | 音楽

牛蒡とベーコンのパスタ・・・

秋たけなわ。
こんな好季節に外出ままならない状況も後数日・・・。
いよいよ今週はギブスが外れて二足歩行に戻れそうです006.gif一ヶ月、思えば長かったあぁ~。

使わない足の筋肉がおちてしまったのか、ギブス装着当時はパンパンに浮腫んでいた足が、まるでゴム長靴を履いてるかのようにゆるくなってしまい、切開するまでも無くスポット脱げてしまいそうです。本当に脱げたら困るけれど(笑)
足が痩せるなんて此処何十年も体験した事がないので喜び勇んで医者に告げたら
『歩き始めたら直ぐに(やたら強調!!)元にもどりますよ!!』って先生いじわる021.gif

生協から瑞々しい牛蒡がどっさり届いたのでブランチのパスタに。
e0038778_1783914.jpg


牛蒡の甘味やゴマの香りを味わえるシンプル和風パスタで、調味料は白ワインと醤油と塩・胡椒だけ。

【材料】(2人前)

パスタお好みを200g+茹でる時に塩、牛蒡100g、ベーコン3~4枚、唐辛子1/2本、煎りゴマ適宜、白ワイン、醤油各大1・5

【作り方】
(1)牛蒡を皮むき器で4cmぐらいのささがきにして水につけ、全部切り終わったらザルで水を 切る。
(2)ベーコンは7~8mmの幅に切り揃える。

(3)唐辛子は水につけて柔らかくして種を取って小口切りに。ゴマは鍋かフライパンでカラいり   して温め、包丁で刻んで切り胡麻にしておく。

(4)パスタを茹で始めたら、フライパンを少し温めてベーコンを炒める。ベーコンから出た油で
  牛蒡がしんなりするまで炒める。(油分が足りなければ少し足して炒める)

(5)白ワインと醤油を加えて 全体をかき混ぜたら赤唐辛子の小口切りを加える。

(6)茹で上がったパスタに分量外のオリーブ油と醤油を各大さじ1ぐらい加えて馴染ませる。

(7)牛蒡とベーコンのソースにパスタを合わせて、胡麻、塩、胡椒で味を調える。

・・・・と驚くほど簡単なのですが、
こだわりは胡麻を直前に温めて切り胡麻にする事でより香りが立つ事。胡麻は皮が硬くて消化も悪いので、そのままいただくより切り胡麻や摺り胡麻にした方が栄養吸収も良いようです。
また、和風醤油ベースのパスタは茹で上がったパスタに油と醤油を馴染ませておくことでソースの絡みがよく食べ易くなる事でしょうか。
唐辛子は1/2本でもかなり効きますが、辛いのがお好みの方はぜひベーコンを炒めるタイミングで鍋に投入してみて下さい。加熱するほどに辛味が増す食材です。
牛蒡がしっかり旨みを含んでシャキシャキとした食感と香りがご馳走のパスタ。
秋らしくキノコをプラスしても美味しいですね。
あ、味付けの白ワインは料理酒じゃなくとっておきの秋ワインにしてみました<Pさん016.gif
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# by lime2005 | 2008-10-12 17:21 | お料理

須賀敦子が愛したもの・・・

e0038778_21274883.jpg今月の芸術新潮は須賀敦子さんの特集。
没後10年、もうそんなにたったんだと思う。お元気で健筆を揮っていらっしゃったら今年79歳を迎えられた。
未定稿に終わった初めての長編小説『アルザスの曲がりくねった道』も読みたかったし、何より美しい静けさを湛えた、たましいの暗闇を超えてきたような珠玉のエッセイをまだまだまだまだ読みたかった。
特集は坂道でたどる須賀敦子と題してイタリアはローマ、ミラノ、そしてアッシジを須賀さんの足跡を訪ねて追回想するもので、テーマは坂道と美術。
また『沈黙の空間』という船越桂さんに寄せた全集未収録エッセイや全集の表紙絵を飾った、ちょっと須賀さんの文章にも通じる世界をお持ちのイタリアの静物画家、ジョルジョ・モランディにも記事が及び須賀ファンにはお奨めの一冊。

そんな須賀さんとの出会いは『塩一トンの読書』という短いエッセイだった。
その書き出し・・・
 『ひとりの人を理解するまでには、すくなくとも、一トンの塩をいっしょになめなければだめなのよ』

新婚時代の須賀さんが夫であるジュゼッペ・リッカ氏のお義母さまから授かった言葉。その活字が目に飛び込んで来た時の衝撃たるや・・・塩一トンは決して誇張じゃないのだろうと思うだけに意気地無しの私には遥か遠い言葉に思えた。

今は全集の3巻目、『地図のない道』・・・・須賀さんとの旅はゆるい坂道を登るようにまだまだ続く・・・。
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# by lime2005 | 2008-10-02 21:27 | 日記

骨折その後・・・

骨折生活3週間目突入・・・。
もう患部の腫れも内出血によるうっ血もひいて、痛みも動かす時だけに減った。
骨折当日の保冷材で冷やし続けても引かなかったあの痛みからすると夢のような回復。
前回の簡易ギブス(足の裏側だけを固定)から膝までのガッチリギブスに替えていただき、
患部が足首からしっかり固定されるので安定感があって具合良い。
今はギブスと言ってもグラスファイバー製の包帯を使うので、軽くて通気性が良くて快適。
もう少しばかりの移動なら松葉杖を使わないでかかとを使いながら移動できるようになり、ストレスが激減(家族も・笑)
医者によると『とにかく足を使わないのが何よりも快癒の早道』との事。
お陰さまで小さな骨が付き始めているので順調のようです。
此処で無理をせずと自分に言い聞かせてじっと耐える日々・・・。

ところで、この骨折時の腫れと痛み、これって何だろうと思った。
折れた骨が神経を刺激しているの?それとも内出血の痛み??
別に骨折に限らず、人は外傷や疾患時に患部に痛みを感じるけれど今更何故?!な疑問。

困った時のワイル博士の本にはこう書かれていた。

 『患部の炎症、それに伴う痛み、すなわち疼痛(とうつう)は局所に防御物質を集めようとする免疫系が利用する伝達物質の方出によって引き起こされる』
そして、

 『その痛みを不快なものと感じる事によって、われわれの注意を局所に向けさせ、活動の防御と休養を強いる。つまり、炎症とそれに伴う痛みは体の治癒能力が正常に働いているサインであり、局所に必要な栄養物や免疫部隊が到着したことのしるしである。』
うう~ん、そうだったのか。炎症のメカニズムを初めて納得する。

つまりは不快と感じる事自体が治癒へのプロセスであり、代償だったのねと納得。
逆にこのプロセスから外れる怪我や病気こそが要注意なんでしょう~。

『そうは言っても痛いものは痛い!!よって、二度と骨折なんかご免だわ033.gif!!!』

と自覚、自己防衛させる事も人の体にはプログラミング済なハズなのですが・・・008.gif
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# by lime2005 | 2008-09-29 01:28 | 日記

IFAA 2008・・・

骨折生活10日目。ようやく不自由&退屈生活にも慣れてきたところ。
記憶が飛ばない内に・・・・
幻想芸術展-- 東京-- 2008 9月13日世田谷美術館に出かける。
骨折の2日前、3連休の初日の蒸し暑い名残の夏の日だった。

e0038778_18255694.jpg世田谷美術館は小田急線の千歳船橋からバスか田園都市線の用賀から徒歩17分。砧公園の一角にある眩しいほどの緑に囲まれた美術館で、この日は併設のレストランで結婚披露宴の準備が進められていて、少し華やいだ雰囲気だった。
一人で見るのもつまらないので、此処から直ぐのところに住む友人Nと待ち合わせする。
美術館内の市民ギャラリーの一角で、決して広いスペースとは言えない場所にギッシリと絵が展示されていて一歩入るなり圧倒される。

しばらくして夫の友人井関 周さんと合流。いろいろ解説(絵の周辺の事)していただきながら鑑賞。45~6人、約200作品ほどの展示。
先の記事にも書いたが、幻想美術と言っても時代もジャンルも広範すぎて判り難い。

一応、代表の田中氏の考える定義としては、
『ヴィジョナリー(幻視的)・アート、シュルレアリスム(超現実主義)、ファンタスティック(空想的)・アートなど、思考の経路などで差異があるそれぞれが、独立あるいは包括した作品』となるようだ。


 なかなかの力作が並ぶ中で私の目を引いたのはこの3人。
   みどり根子さん、作品は『散歩道』

おわらない悪夢、強い光、不安、霊魂、陽だまりの中の黒い影、罪の意識、猫の生臭い息、餓え、時間のずれ、愛、湿った黒い土、再生。


   勝 国彰さん 『業の花びら』すでに20枚程の連作で書き続けられている作品の一枚。残念ながら写真は二つ前のno.16(展示は18)
    
    <業の花びら>

  夜の湿気と風がさびしくいりまじり
  松ややなぎの林はくろく
  そらには暗い業の花びらがいっぱいで
  わたくしは神々の名を録したことから
  はげしく寒くふるえてゐる

 賢治の<春と修羅>の詩編、業の花びらのシリーズ。現世に咲く花達じゃないからこそ魅かれたと思う。勝さんの日本画は密かなファン、実は。

   長島 充さん    『神話と伝説 no19深山仙人図

中国に伝わるこの伝説の世界に遊べたら思った、力強いラインが持ち味。

油彩、テンペラ画、版画、エンピツ、CGと画材も様々。他にもご紹介したい作品が沢山あるのですが、全体には若い、甘いナルシズムが漂う作品が多いなと感じた。時代だろうか。
ただどの作品にも共通なのは絵筆を持つ手に、画家の脳が従っている事でしょうか。
これは幻想絵画の幻想たる所以の一つ・・・・。

来年はどんな幻想世界に誘ってくれるのか、今から楽しみな展覧会だった。
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# by lime2005 | 2008-09-22 18:21 | 寄り道

大野和士の『英雄の生涯』・・・

東京芸術劇場シリーズの『作曲家の肖像』 Vol.69 《R.シュトラウス》を聴く。

e0038778_1842625.jpg指揮:大野和士
クラリネット : 三界秀実
ファゴット : 岡本正之
ソプラノ : 佐々木典子
ヴァイオリン *矢部達哉

演奏:東京都交響楽団
***purogram****

四つの最後の歌
クラリネットとファゴットのための
二重コンチェルティーノ

--intermission--

交響詩『英雄の生涯』 op.40



満席の芸術劇場は開演前から熱気がこもり、私も初大野さんの指揮に期待が高まる。
『四つの最後の歌』はシュトラウス晩年の歌曲で、ソプラノの独唱と分厚い管弦楽が人生の美しくも哀しい夕映えを切々と歌い上げる曲。
大野さんの指揮は深い諦観を感じつつも重くなり過ぎない叙情味豊かな演奏だった。ソプラノの佐々木さんは緑川まりさんの代役だったせいか、声がのびきらなくて、オケにかき消されてしまっているところが随所に感じられて、残念だった。

続いてのコンチェルティーノは独奏クラリネットとファゴットのデュエットと弦楽五重奏、ハープ、これに独奏の弦が加わるユニークな編成。
四つの最後の歌と同じく最晩年の作品だが、こちらは色調が明るく快活で、バロック音楽を聴いているような透明感のある楽しい曲。ソロ陣はいずれも都響のトップ奏者の方達、頑張っていらっしゃいました。

休憩を挟んで本命の『英雄の生涯』はご存知シュトラウスの自己愛的誇大妄想がその実人生に置いても見事に結実する、ユーモアーとペーソツに富んだ最後の交響詩。
どんな人にも許される所業では有りません、自らを『英雄』と呼ばせる行為(笑)しかもそれを人生半ばにしてやってのけるのが英雄の英雄たる所以。ブラヴォー019.gifR・シュトラウスな曲。

演奏は文句のつけよう無く素晴らしかったです。何しろ都響だってWコンマスの臨戦体制017.gif
全体のタッチは軽快で、明るく、滑らか。でもくっきりとした輪郭に気骨とメリハリが感じられる雄弁な指揮でした。語り口は滑らかなのに論旨が明確に食い込んでくる語法。。
叙情味も溢れるほどあり、コンマスの矢部さんのソロの陰影ある音色がこれまた素晴らしかった。

大野さんのスケジュールはHPによると2011年の10月まで(3年先)ギッシリ。
そのオケと曲目を追っているだけで目が回りそうになる。オペラは多いし、曲目はほとんどかぶらないしで・・。引っ張りだこと言っても過言じゃない人気ぶりに日本人としても誇らしい気持ち。

次は来年、2009年11月 フランスは国立リヨン歌劇場管弦楽団 を率いての来日公演 。
曲はマスネの歌劇《ウェルテル》らしいが、チケ鳥はまたもや激戦が予想され。ちなみに今回も即日完売の人気ぶりにより対策は必須042.gif なり。
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# by lime2005 | 2008-09-17 19:07 | 音楽

骨折女・・・

とうとうやってしまいました初骨折。007.gif全治3週間~4週間だそうです。
基節骨という足の指先から甲にかけて3番目の骨を右人差し指と中指の2本。
今はまだ患部に腫れと痛みがあるので簡易ギブスですが、その後腫れが引いたら2週間はごついギブス生活を宣言され、不自由極まりない生活に憂鬱な気分です。

罹災場所は実家から帰宅途中の真夜中の慣れないスーパーの駐車場。
いい加減なサンダルの履き方で車に走って戻る途中に微妙な段差に蹴躓き転倒。
『あ、やっちゃったかな!』の確かな手ごたえ(足だけど)と共に、風船のように膨らむ足先。
『もうこれ以上は入りません!』の限界に挑戦したかのような腫れ方があっぱれでした(笑)

痛みもありますが、それより何より動けない事の不自由さが辛い。
受話器を取るにも、エアコンのモードを変えるのも、辞書や新聞・・狭い我が家ながら微妙な徒歩距離にあるものばかりで、その度に娘や夫にお願いするのがうっとおしく我慢。で、イライラ募り・・・・

ああぁ~普通に歩けるってなんて偉大!!な事

実は今年に入って転んだのは2度目で、前回は押されたとは言え駅で階段落ちして顔面スライディング。その傷跡がメルヘンティックな『象を飲み込んだうわばみの図』(星の王子様由来)で笑っちゃいましたが・・。
こうも続くと体力の衰えを感じずにはいられないです。
ギブスが取れたら緊急最重要事項です。臍から下の筋肉増強066.gif
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# by lime2005 | 2008-09-17 13:30 | 日記

新秋9月大歌舞伎・・・

e0038778_1442037.jpg歌舞伎ファンのTさんのお誘いで2年振りの歌舞伎鑑賞会。
ご一緒したPさんと銀ブラ&のんびりランチの後、会場の新橋演舞場近くのカフェでTさんと待ち合わせ、夜の部の開幕を待つ。

今回の演目は
加賀見山旧錦絵 (かがみやまこきょうのにしきえ)色彩間苅豆 (いろもようちょっとかりまめ)
の二本立て。

余談ですが、かっちり漢字のタイトルとほろっとくずした読みのギャップが素敵です。
これも歌舞伎の伝統なんでしょうか(笑)
なんて事を考えながら会場へ。歌舞伎座の艶やかさとは違うシックな内装の演舞場。


加賀見山~はお局岩藤(海老蔵)の陰謀で自害せざるを得なくなった女主人尾上(時蔵)の為に復讐を企てる召使のお初の復讐劇で、『女忠臣蔵』とも呼ばれる勧善懲悪のシンプルなストーリー。
楽しみにしていた敵役の岩藤(海老蔵)の女形がデ、デカイ!とてつもなく(爆)。で、ふてぶてしさ全開の演技は、犯人に仕立て上げた尾上をこれでもか、これでもか、草履で打つシーンが何とも粘着体質で厭らしさ満載。でもこれが全然憎めなくて可笑しささえ漂う。

一方いびりたてられ、激しく打ちひしがれる尾上。
部屋に戻って自らの死をもって潔白を証明するしかないと決心するまでの長い長い口惜しさの吐露と諦めの時。な、長いのなんのって、微妙な心の動きを時間の経過と共に克明に描いてみせる。
『く、口惜しい~~~自害して証明してみせるから後は宜しく、お初!!』とセリフで言うとこれだけの内容を小1時間(笑)

そんな主人の潔白を理知と機転で証明してみせるお初(亀治郎)。見事主人の潔白を証明して岩藤を打ち砕いてみせる大円団。

大輪の華三つ、舞台狭しと咲く素晴らしい舞台でした~~~。
私的には亀治郎のいじらしいまでの健気な演技に一票。

色彩間苅豆~は騙された女の執念と極悪非道男の舞踊劇を亀治郎と海老蔵が演じる。
後半の、時に吉本新喜劇??な爆笑演技の応酬に4時間半の疲れが吹っ飛ぶ。
(歌舞伎はとにかく長い。5分・30分・25分の休憩を挟んで約5時間)

絢爛豪華、栄耀栄華。きっちりと伝統を守って様式美を見せつける合間にふっと肩の力が抜ける笑いを鏤める、なんてサービス精神満点の舞台なんだろう~と思った。これ歌舞伎にあって、オペラに無いものかな(笑)
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# by lime2005 | 2008-09-10 23:51 | 寄り道

IFAA始動・・・

やっと更新・・・
9月になり、朝夕の姿さだからぬ虫の音に秋の訪れを感じるようになる。
ほっとしますね、猛暑と天候不順の夏だっただけに・・。

e0038778_1045422.jpg夫の友人で画家の井関周氏から絵画展の案内を送っていただく。
題して、『幻想芸術展ー東京 2008』である。
これは IFAA (International Fantastic Art Association)通称アイファ(国際幻想芸術協会)主催の絵画展で、日本では今回で3回目だそうだ。

幻想絵画と言っても美術史上で明確な括りなど無く、19世紀末の象徴主義絵画~シュルレアリズムと広汎な流れを汲む絵画様式?!と私は解釈。
それはセザンヌが描いたあの素朴な林檎の絵とは決定的に違う事だけは確か(笑)
何が決定的!?か。それは時には寓話や神話や伝説のイメージを身に纏わせながらも画家の深層心理とか観念とかの内面が表層に強烈に曝け出されている事と、受け取る側の感性で見る人の数だけ絵画が存在する事であろう。
セザンヌの林檎は誰がどう見ても静かな林檎の置かれた風景以外にインスピレーションはくれない。

そんな私が偏愛する幻想絵画の画家達・・エルンスト、クレーにルドン、ギュスターヴ・モローやルネ・マグリット、ダリ、クノップフにクリムト、ビアズリーにシュトゥック・・・・・を源流とした現代日本の幻想絵画のジャンルが健在な事が何より何より嬉しい絵画展である。

14日まで、世田谷美術館にて。感想はまたのちに・・・
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# by lime2005 | 2008-09-07 21:03 | 寄り道