念願叶って東京屈指のフレンチレストラン『コート・ドール』で忘年会ランチ。
港区三田の静かな住宅街のマンションの1Fにあるレストランは1986年の開店だからもう23年の歴史。 『美味しい鴨が食べたい』の同僚の声に、メニューはランチコース+アラカルトで鴨料理をお願いした。 さて斎須シェフの腕や如何に・・・。 通りから廻り込んで入り口に立った瞬間に背の高い方がドアを開けて招き入れてくれた。ピッタリ予約時間に入り口で待っていてくれた事に軽い驚きと喜び。のちにメートル・ド・テルの松本さんと知る。店内は落ち着いた色合いにすっきりとまとめられたモダンなインテリアで、白いテーブルクロスが窓越しの光に反射して眩しいほど。 まずは軽い前菜とワイン。 お奨めはブルゴーニュの赤。 桜海老とチーズのカナッペはコート・ドール(ブルゴーニュの黄金の丘が店名)の軽めの赤にピッタリで、あと2~3枚は軽くOK!!との声が上がる。 このアイデア、いただき(笑) 最初のお皿は魚。 ドーンと皿の上でパッチワークされているのは、脂の乗った寒鰆の燻製ヴィネガーソース。 桜チップで燻してあるのだろうか、凄く香りが良い。中は程よいレアの燻し加減が神業的。 付け合せの野菜は歯ごたえを残した紅芯大根のマリネ。そして仕上げに香り高い白コショーがたっぷり。これが泣かせる・・・・ お肉は北海道の野鹿のロースト。やはり冬のフレンチはジビエが主役。・・・と言っても鹿は柔らかくて臭みも少なくジビエ好きには物足りないぐらい。本来は5月から6月の初夏が一番美味しいと言われているそうですが、狩猟期間が12月から2月と決められているので口に出来ない。添え物は煮林檎入りのさつまいものマッシュ。私が時々作る林檎きんとんのお味でした(笑) 此処で特別注文の鴨料理登場~。 新潟産の『青首』の半身をローストしたものでほろほろの焼き加減。赤ワイン&血のソースでしょうか~。フルーティな甘酸っぱさ。切り分けると切り口はロゼ色。そしてくせのある鴨らしいお味は今年最高の鴨料理となる。添えてある大根のグラッセにも鴨汁が沁みこんでいて美味でした。 デザートは和栗のモンブラン。栗本来の甘味を味わう為に、砂糖の甘味はギリギリに控えてある。上品なクリームとベースはサクサクのパイ生地。ヴォロヴァン【vol(飛ぶ)au vent(風)】とフランス語で。まさに風に飛んで行ってしまいそうな繊細な軽さのパイが和栗にマッチ。 これに冷菓(ほうじ茶のムース)焼き菓子とコーヒーのランチでしたが、素材重視のシンプルなメニューにシェフの頑固なまでのこだわりと洗練を感じた。飾り立てない、細工をしない、手を加えすぎない=自然体でシンプルな料理。盛り付けもセルフィーユやイタリアンパセリの青みの添え物さえ俳されている。とことん持ち味を生かして引き立てる作法は何故か茶の湯の言葉『叶うはよし、叶いたがるはあしし・・』がふっと頭に浮ぶ。自分自身もぜひそうありたいけれど・・・ ライバル(笑)の谷シェフと並んで大好きなシェフの一人になりそうな予感大のコート・ドールでした。
by lime2005
| 2008-12-29 20:37
| 寄り道
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