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あなたはあるがままでいてほしい・・・

夜気やわらかな春の宵にはシューマンのピアノ協奏曲が聴きたくなる。檸檬のシャーベットにシャンパンを注いだ簡単カクテルを手に、ぐっとボリュームを絞ったスピーカーの前で・・・。
『Reflexions』と題されたこのアルバムはエレーヌ・グリモーが編んだ3枚目のコンセプト・アルバム。

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収録曲は
 1、  ピアノ協奏曲 イ短調(シューマン)  
 2、  リュッケルトの『愛の春』からの詩による
               2つの歌曲
(クララ・シューマン)
 3、  岸辺で(クララ・シューマン)
 4、  チェロソナタ第1番ホ短調(ブラームス)
 5、  2つのラプソディー(ブラームス)




シューマン、妻のクララ、そしてクララを想った青年ブラームス。この3人の作曲家はお互いを愛し合った。その愛の『Reflexions(反射、反映)』を鍵盤にのせていくグリモー。共演者のアンネ・ソフィー・フォン・オッター(メゾ・ソプラノ)とトルルス・モルク(チェロ)の歌声や弦も押さえが利いて秀逸。ライナーノーツにはこんな言葉が綴られていた。

 『あなたはあるがままでいてほしい』
 ------------この言葉は愛の言葉です。
 この3人の作曲家は自らの作品の中で、それぞれがもうひとりにたいして、
 このように語りかけました。その内面は危機的状況にあった3人ですが、
 彼らの独自の方法で、愛が間違いなく与えることであり、相手と向き合う事
 でもたらされる最も心の奥深くにある自由だと教えてくれるのです。

                                   (エレーヌ・グリモー)抜粋

あなたはあるがままでいてほしい・・・_e0038778_1392739.jpg
それぞれの思いを汲み上げるように音が紡がれる。
グリモーの深く思索を重ねるような演奏に頷く。

こんな風に真摯に作曲家と向き合う音楽家が何より好き。
by lime2005 | 2006-04-17 18:13 | 音楽
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